中央放射線部

13 画像診断センター受付

13 画像診断センター受付

中央放射線部は愛知医科大学病院における中央診療部門の1つであり,放射線および画像検査の専門部署としての役割を担っています。

画像診断センター,血管内治療センター,核医学センター,放射線治療センター及び高度救命救急センターにおいて,診療放射線技師67名と医療技術補助員1名,看護師,事務職員,さらに放射線科をはじめとする各診療科医師が協働して,画像検査,IVR(インターベンショナルラジオロジー),核医学検査,放射線治療を実施しています。また,病院内で使用する放射線及び放射線機器等の管理,PACS(画像保存通信システム)における画像情報の管理,放射線治療における品質・精度の管理等も重要な仕事です。

検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師,放射線治療専門放射線技師,血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師,第1種放射線取扱主任者など,様々な認定資格を持った診療放射線技師が多く在籍しています。

患者さんを中心とし,最新の高度な医療を,安心して受けていただける「中央放射線部」であるように,スタッフは努力を積み重ねています。

医療被ばく低減施設認定を取得

2019年に医療被ばく低減施設認定(公益社団法人日本診療放射線技師会認定)を取得しました。
放射線診療(診断・核医学分野)で使用する放射線量の適正化を,診療放射線技師が責任を持って行っております。

中央放射線部スタッフ(令和5年5月現在)

診療放射線技師(メディカルセンター含む) 67名
医療技術補助員 1名
専従配属看護師 13名
専従配属事務職員 6名

ごあいさつ

部長 鈴木耕次郎

部長 鈴木耕次郎

   中央放射線部では,画像検査,核医学診療,血管内治療,放射線治療などの業務を行っています。
   画像診断センターでは,X線撮影,CT(コンピューター断層撮影),MRI(磁気共鳴画像),X線透視などの検査を行います。診療放射線技師が最新の装置を使って精密な画像を撮影します。専門的な研修を受けた看護師が,造影剤の静脈注射や検査の介助を行います。画像検査の多くは放射線科医が速やかに読影し,診断報告書を作成します。 核医学センターでは,PET-CT(ポジトロン断層),SPECT(シンチグラフィ)などの核医学検査を行います。また,甲状腺疾患,癌の転移などに対して放射性同位元素を投与する治療も行っています。
   血管内治療センターでは,血管の閉塞性病変,動脈瘤,腫瘍,不整脈,出血,血管奇形など様々な疾患に対するインターベンション治療を行います。放射線科,脳神経外科,循環器内科,血管外科など各領域の専門医と診療放射線技師,看護師のチームにより,最新の装置と高度な技術を用いて正確で安全な治療を行います。
   放射線治療センターでは,悪性腫瘍(がん)に放射線を精密に照射して治療を行います。放射線治療は痛みがなく身体に負担の少ない治療法で,がん治療に重要な役割を果たしています。放射線科医と診療放射線技師,医学物理士,看護師のチームで最適で安全な治療を行います。
   これらの検査・治療は,多くの診療科と密接な連携のもとに行われます。また,救命救急センター,中央手術部においても,診療放射線技師が24時間体制で画像の撮影を行っています。
 中央放射線部では,全ての画像データをデジタル保管しており,その管理も重要な業務のひとつです。また,安心して検査と治療を受けていただけるよう,放射線被ばくをできるだけ減らす対策も行っています。

業務案内

一般撮影

X線は,体の骨や臓器,大きさなどによって透過性が異なります。その性質を利用して体の状態を平面的に画像にします。

当院では,全身のX線撮影を行っており,主に下記の点を観察しています。

胸部・腹部・骨盤部撮影

胸部撮影では肺の状態,心臓の大きさや形状などを観察します。腹部撮影では臓器の形状や位置,消化管のガス,結石などを観察します。妊娠後期に母体の骨盤と胎児の頭の大きさを評価するための骨盤計測撮影も行っており,安全な分娩方法を選択することに役立ちます。胎児への被ばくを考え,通常の撮影よりも少ない線量で撮影しています。

胸部正面像

胸部正面像

腹部正面像

腹部正面像

骨盤計測撮影

骨盤計測撮影

骨の撮影

骨折や脱臼の有無,関節,筋肉,靭帯などを観察します。また,脊椎や下肢全体の撮影も行っています。脊椎の側弯症や膝関節症などの術前の計測に有用です。

人工股関節像

人工股関節像

大腿骨像(骨折像)

大腿骨像(骨折像)

全脊椎正面像

全脊椎正面像

下肢全体像

下肢全体像

撮影機器

一般撮影装置

一般撮影装置

一般撮影装置
すべての撮影室に高感度,高精細のFPD(フラットパネルディテクタ)を導入しています。低被ばくで高画質な検査を提供しています。

頭部領域専用撮影装置
頭部領域は複雑な骨構造を有し,多くの神経が交錯する領域です。当院では2台の頭部領域専用撮影装置の導入により,少ない被ばく線量で高解像度の画像を提供し,治療計画から術後観察まで幅広く対応しています。

歯科用CT装置
通常のパントモグラフィに加え,任意の断面や立体的な画像を得ることができます。埋伏歯や不正咬合,インプラント等の治療に有用です。そのほかにも,顔面骨の形成不全や睡眠時無呼吸症候群等の診断・治療に有用な「頭部規格撮影」も行っています。
医科用CTに比べ,高解像度・低被ばく・金属アーチファクトが少ない等の利点があります。

歯科用CT装置

歯科用CT装置

パントモグラフィ

パントモグラフィ

歯科用CT画像

歯科用CT画像

頭部用X線CT装置
主に,耳鼻科領域の副鼻腔や内耳のCT撮影に使用しています。微細な耳小骨を撮影できるモードや広域な副鼻腔を撮影できるモードなど耳鼻科治療の目的に合わせて,最適な撮影が可能となりました。
通常のCT装置と異なり,座った状態で撮影を行うため,仰臥位で症状が消失してしまう耳管解放症の病態把握に有用です。

耳鼻科用CT装置

耳鼻科用CT装置

耳小骨撮影画像

耳小骨撮影画像(株式会社モリタホームページより)

移動型X線撮影装置

移動型X線撮影装置

移動型X線撮影装置(病棟撮影)
ワイヤレスフラットパネルディテクタ(FPD)を使用しており,検査室による撮影と同等の高画質で低被ばくの撮影が可能です。撮影した画像は,サーバーを介し,電子カルテへ画像の転送が行われ,迅速な診断・処置につながっています。

O-armイメージングシステム
透視やCT撮影機能を備えた移動型術中イメージングシステム(O-arm)を導入しています。
O-armで撮影した画像を使用してナビゲーションを行うことができ,脊椎脊髄手術で利用しています。ナビゲーションとは,イメージガイドによる手術のことで,手術中に撮影した画像上にリアルタイムにインプラントの位置表示・確認が行えます。神経や血管,臓器などの位置を正確に把握しながら骨にインプラントを挿入できるため,より安全で精度の高い手術が可能です。

Medtronicより引用

乳房撮影(マンモグラフィ)

乳房のX線撮影のことを,マンモグラフィと呼びます。
乳房は柔らかい組織(乳腺や脂肪,血管など)で構成されているため,乳房専用のX線装置を使用して撮影します。
触診では見つけにくい,腫瘤や微細な病変を発見できるため,乳がんの早期発見に有効です。
乳房のエックス線撮影は,乳房を板で直接挟み圧迫を加えます。これは,乳房をより薄く均一に押し広げた状態にする事で乳腺内に隠れた小さな病変を見つけるためです。また,乳房の厚みを薄くすることで,撮影に伴う被ばく線量をより少なくすることができます。

乳房専用撮影装置

乳房専用撮影装置

乳房X線写真

乳房X線写真

当院の装置は通常のマンモグラフィ撮影に加え,角度を変えて多方向から撮影し,その画像を再構成して乳房の断層画像を表示できるトモシンセシス機能を搭載しています。この断層画像は,収集した画像データを1 mm毎のスライスで再構成しているため,従来のマンモグラフィでは乳腺との重なりで見つけにくかった病変をトモシンセシスによって容易に発見することが可能になりました。トモシンセシスは1回の圧迫で通常のマンモグラフィと同時に撮影できるため,乳房の圧迫による負担が増えることなく,より正確な診断が可能です。

トモシンセシスの原理

トモシンセシスの原理

下に示すのは,左の画像が通常のマンモグラフィ,右の画像がトモシンセシスです。マンモグラフィでは分かりづらい病変が,トモシンセシスによって詳細に観察でき,正確に診断できます。

通常のマンモグラフィ

通常のマンモグラフィ

トモシンセシス

トモシンセシス

また,精密検査が必要な場合は乳房に針を刺して組織を採取するマンモトーム生検検査も行っています。当院では,このマンモトーム生検検査もトモシンセシスを使用しているため,より精度の高い検査を行うことが可能です。

当院は,日本乳がん検診精度管理中央機構の「マンモグラフィ検診施設・画像認定」を取得しています。さらに,マンモグラフィ撮影認定資格を持つ女性の診療放射線技師が担当していますので,安心して検査を受けることができます。

骨量測定(DEXA法)

DEXA(Dual-energy X-ray absorptiometry)とは,日本骨粗鬆学会ガイドラインや世界中の骨粗鬆症ガイドラインで基準測定器として定められているX線骨密度測定装置です。
骨量(骨塩量・骨密度)を測定する検査で,骨粗鬆症の診断や治療効果の判定,投薬治療による骨量変化の観察に用いられます。主に転倒などによる骨折が起こると重症化しやすい腰椎,大腿骨頸部の測定を行っています。
検査時間は1部位につき10分程度ですが,原則予約制です。当日の検査はお受けできない場合がございます。
ベッドに仰向けで寝ていただき,息止めなどの必要もないためリラックスして検査を受けることができます。

また,全身の骨量と軟部組織(脂肪や筋肉など)を測定し,体脂肪などの体組成を解析することにより,病的な肥満や加齢に伴う筋力低下・筋肉量減少の評価も行うことができます。

当院の人間ドックでも,骨量測定(腰椎)を行うことができます。

骨量は,若年期をピークに加齢とともに減少していきます。
また,閉経後の女性ホルモンの減少,栄養不足,喫煙,飲酒,無理なダイエットや偏った食生活も骨量減少の原因となります。
骨量の減少を早期発見し,骨折を防ぐための予防が大切です。

骨密度測定装置

骨密度測定装置

測定結果グラフ

測定結果グラフ

腰椎骨量測定

腰椎骨量測定

大腿骨骨量測定

大腿骨骨量測定

体組成(体脂肪)測定

体組成(体脂肪)測定

透視検査

透視装置

透視装置

X線透視装置3台が稼働しています。各診療科と連携して,様々な検査や治療を行っています。

消化器系検査

バリウムなどの造影剤を使用して,上部消化管(食道・胃・十二指腸など)や下部消化管(大腸など)の造影検査を行っています。術前精密検査や術後検査として行います。

術後のドレーン管理や,超音波装置を併用したPTCD(経皮経肝胆道ドレナージ)やPTGBD(経皮経肝胆嚢ドレナージ)などの治療も行っています。

泌尿器系検査

腎臓や尿路,膀胱の機能や形態を調べるため,尿路造影検査を行っています。透視下で尿管カテーテルの挿入や尿管皮膚婁,腎瘻・膀胱瘻増設などの治療も行います。また,尿路結石を体外からの衝撃波で破砕して除去するESWL(対外衝撃波結石破砕術)も行っています。

上部消化管造影

上部消化管造影

逆行性腎盂造影

逆行性腎盂造影

整形外科系検査

骨折や脱臼をX線透視下で確認しながらの整復や,椎間板ヘルニアなどによる神経障害の痛みを軽減させる神経根ブロックなどの治療を行っています。また,脊髄腔や様々な関節腔(肩関節,股関節,手関節など)に造影剤を注入し,関節腔の形態を調べます。また,断層撮影が可能な装置を有しており,一度の撮影で骨の重なりを避けた高精細の画像を得ることができます。

股関節脱臼

股関節脱臼

脱臼整復後

脱臼整復後

一般撮影

一般撮影

断層撮影

断層撮影

小児科検査

小児に起こりやすい膀胱尿管逆流症に対して,排尿時膀胱尿道撮影などを行っています。

CT検査

5台のマルチスライスCTが稼働しており,X線を利用した断層画像を頭から足先までの全身撮影することができます。
高度救命救急センターに設置されているCTは,夜間休日の救急患者に常に対応できるように24時間体制で稼働しています。

撮影室 装置 列数 特徴
第1CT検査室 Aquilion Precision (Canon) 160列 高精細CT装置
第2CT検査室 SOMATOM Definition Flash(SIEMENS) 64列×2(2管球) 2管球
第4CT検査室 Aquilion ONE INSIGHT Edition(Canon) 320列 CTガイド下生検・ドレナージ・AI自動化技術・面検出器
第18CT検査室 Revolution CT(GE) 256列 面検出器
救命CT検査室 Aquilion Prime(Canon) 80列 2 room型IVR-CT

(2023年11月現在)

高精細CT装置

高精細160列マルチスライスCTを1台導入しています。従来の最小スライス厚は0.5mmに対し,高精細CTは0.25mmでより細かい画像を取得できます。空間分解能を大幅に向上させることで,これまで検出不可能だった細かな生体情報を得ることができ,質の高い臨床画像を提供しています。

高精細CT装置 Aquilion Precision

高精細CT装置 Aquilion Precision

従来

従来

高精細CT

高精細CT

2管球CT装置

2つのX線管と検出器が約95度オフセット配置し,1回転0.28秒の高速回転を実現する事により,0.075秒という高い時間分解能を実現しています。従来の一般的な装置と比較して4倍以上というスピードです。この撮影の速さは冠動脈CT検査において重要です。心臓は常に動いているため,短時間で撮影できることが望まれます。SOMATOM Definition flashの高い時間分解能により,冠動脈の鮮明な画像を得ることができます。また不整脈や心拍数の高い患者さんに対しても質の高い検査を行うことができます。

2管球CT装置 SOMATOM Definition Flash

2管球CT装置 SOMATOM Definition Flash

心臓の血管の3次元画像

心臓の血管の3次元画像

AIを活用した自動化技術

CT装置にカメラが搭載されており,AI技術を用いて自動でポジショニングすることが可能です。また,位置決め画像を低線量のヘリカルスキャンで撮影します。そのため3次元の情報が得られることにより自動で撮影範囲を設定することができます。

AI自動化技術 Canon Aquilion ONE INSIGHT Edition

AI自動化技術 Canon Aquilion ONE INSIGHT Edition

面検出器

面検出器を有したマルチスライスCTを2台導入しています。面検出器256列マルチスライスCTでは最速1回転0.28秒にて一挙に16 cm幅の撮影が可能です。1 回転(0.28 秒~1 秒)で全脳(160 mm)の撮影が可能なため,認知症の患者さんや高齢者,小児など体動のある患者さんにも動きの無い撮影が可能です。また,全脳Perfusionや4D撮影も可能です。
全脳Perfusionとは造影剤を急速静注しながら連続的にCT撮影を行い,CT断面上での吸収値の変化を解析することによって,脳の血流を定量的に評価する検査法です。短時間かつ簡便な手法で精度の高い脳血流情報を得ることができるので,治療方針の決定やその経過観察に有用な検査法です。
4DCTは従来の3次元画像に時間軸が加わり,血行動態の評価が可能となります。動脈や静脈の血流を連続画像として得ることができるので,動静脈奇形などの診断に有用です。

面検出器 Revolution CT

面検出器 Revolution CT

4DCT

4DCT

2 room型 IVR-CT

高度救命救急センターにはCTと血管撮影装置を組み合わせたIVR-CTを設置しています。CT検査室とIVR室に分かれた2 room型でありCT装置は2部屋間を移動できることから,どちらの部屋でも撮影を行うことができます。

2 room型 IVR-CT Aquilion Prime SP

2 room型 IVR-CT Aquilion Prime SP

MRI検査

3.0T(テスラ)装置が2台と、1.5T装置が3台設置されています。T(テスラ)とは磁石の強さを表す単位です。

撮影室 装置 磁場強度
第14MRI室 MAGNETOM Skyra(SIEMENS) 3.0T
第15MRI室 MAGNETOM Aera(SIEMENS) 1.5T
第16MRI室 MAGNETOM Skyra(SIEMENS) 3.0T
第17MRI室 MAGNETOM Avanto(SIEMENS) 1.5T
第22MRI室 MAGNETOM Avanto(SIEMENS) 1.5T

(2023年11月現在)

3.0T MRI装置

3.0T MRI装置

1.5T MRI装置

1.5T MRI装置

3.0T装置は,より強力な磁石を使用しているため人体から得られる情報(信号)が多く,高分解能な画像を得ることができます。1.5T装置では,脊椎・脊髄など広い範囲の検査を得意としています。閉所恐怖症の患者さんでもなるべくリラックスして検査を受けて頂けるように,従来よりトンネル径が大きく, 長さも短い1.5T装置(右上写真)も設置しています。照明はLEDを採用し,明るい検査室になっています。
当院では3.0T装置,1.5T装置それぞれの特徴を生かして,患者さんの検査目的に適うように検査を行っています。

MRI検査の特徴

  1. 磁場や電磁波を利用しているので放射線被ばくがありません。
  2. 高コントラストの画像を任意の断面で得ることができます。
  3. 検査時間が長いです。
    検査は20~30分程度,長いもので1時間ほどかかる場合もあります。
  4. 撮影中は工事現場にいるような大きな音がします。
  5. 撮影部位に応じてコイルと呼ばれる機械をつけて検査をします。

MRI検査の注意点

  1. 検査室内は絶えず磁場が発生しています。
    そのため,持込み不可のものがあります。検査時には検査部位に関わらず検査着に着替え,貴重品などはロッカーに保管して頂きます。
  2. 心臓ペースメーカー,人工内耳,脳動脈コイル・クリップなど体内に金属製品,精密機器などが入っている方は検査を受けられない場合があります。必ず医師に相談してください。
  3. トンネル状の装置なので,閉所恐怖症の方は検査できない場合があります。
  4. 妊娠初期の方は,胎児への影響が不明のため検査を受けられない場合があります。
※検査室内へ持込み不可のものの例

検査室持ち込み不可例

不明な点がございましたら,主治医又は担当の診療放射線技師にお尋ねください。

脳MR Angiography画像

脳MR Angiography画像

脳MR Angiography画像

脳内血管の3D画像です。MRIでは造影剤を使用せずに血管を撮影することができます。

MRI画像

全脊椎MRI画像

全脊椎MRI画像

腹部MRI画像

腹部MRI画像

肩関節MRI画像

肩関節MRI画像

膝関節MRI画像

膝関節MRI画像

血管撮影・IVR

Azurion7 C20 FlexArm(PHILIPS)

Azurion7 C20 FlexArm(PHILIPS)

Artis

Artis Q BA(SIEMENS)

ハイブリッド手術室

ハイブリッド手術室

ハイブリッドER Alphenix INFX-8000C

ハイブリッドER Alphenix INFX-8000C

血管撮影とは足の付け根や手首などからカテーテルと呼ばれる直径1~2 mmの専用のチューブを血管内に入れ,X線透視を用いてカテーテルを目的の場所まで誘導し,そこから造影剤を注入して血管の撮影を行う検査です。
さらに,血管撮影を応用した様々な治療(interventional radiology:IVR)も行っています。代表的なIVRとしては,大動脈ステントグラフト内挿術,血管形成術,血栓溶解療法,動脈塞栓術,不整脈に対してのペースメーカー・埋め込み型除細動器留置術,カテーテルアブレーションなどが挙げられます。
当院では,血管内治療を専門とする施設『血管内治療センター』があり,IVR専門医をはじめ血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師,看護師,臨床工学技士等,各職種の専任スタッフが従事しています。
現在,血管内治療センターは4台の血管撮影装置が稼働しており,CT画像のように人体の横断像を撮影し,治療に応用することができる最新装置も設置されています。
手術室には,血管撮影装置と手術用寝台がコラボレーションした『ハイブリッド手術室/Hybrid OR』が併設されております。『ハイブリッド手術室』とはカテーテルを使用したIVRと外科的手技の双方を1室で行うことができる手術室です。合併症などの緊急時への迅速な対応が可能で,患者さんの移動がない治療を行うことができます。
また,2017年より『脳血管内治療センター』(第2血管撮影室)が稼働し,脳血管に対する様々な治療,最先端の治療を数多く行っています。

2023年10月からはハイブリッドERが稼働し始めました。
ハイブリッドERとは,外傷処置室にIVR-CTを設置することで患者移動をすることなく,CT撮影から外科手術・カテーテル治療などの救命処置を行うことができる外傷初期診療システムです。
これにより,一刻を争う外傷出血性ショック等の患者さんのさらなる救命率の向上が期待されます。

撮影室 装置 X線管球
第1血管撮影室 Azurion7 C20 with FlexArm(PHILIPS) シングル
第2血管撮影室 Artis Q BA(SIEMENS) バイプレーン
第3血管撮影室 Azurion 7 B12/12(PHILIPS) バイプレーン
第4血管撮影室 Azurion7 B20/15(PHILIPS) バイプレーン
ハイブリッド手術室 Artis Q Celing(SIEMENS) シングル
ハイブリッドER Alphenix INFX-8000C(Canon) シングル

(2023年10月現在)

核医学(アイソトープ)検査

アイソトープと呼ばれる放射性医薬品を注射もしくは服用し,体内から放出される微量な放射線を用いて検査や治療をします。

SPECT検査

SPECT検査では体内に放射性医薬品を投与して臓器や組織に集まる様子を,ガンマカメラを近づけて撮影し,画像化・数値化することで身体の状態を診断します。
代表的な検査に,骨シンチグラフィ,心筋シンチグラフィ,脳血流シンチグラフィがあります。

骨シンチグラフィ

骨シンチグラフィ

心筋シンチグラフィ

心筋シンチグラフィ

脳血流シンチグラフィ

脳血流シンチグラフィ

PET検査

活発に活動している細胞にはブドウ糖を多く取り込むという特徴があり,この性質を利用した検査です。
ブドウ糖を含む放射性医薬品を注射して60分後から撮影を行い,がんなどの悪性腫瘍の病期診断・治療方針の決定・フォローアップに有用な情報を提供します。

PET検査

PET検査

当院では,ガンマカメラやPETカメラにCT装置を組み合わせたSPECT/CT装置,PET/CT装置を導入しています。臓器の位置や形だけでなく血流や代謝といった臓器の機能を調べることができるため,臓器に形態的な変化が現れる前の状態を早期発見することができます。
使用する放射性医薬品に副作用はほとんどありません。

アイソトープを用いた治療

代表的な治療として,バセドウ病(甲状腺機能亢進症)や甲状腺癌での甲状腺全摘後の残存組織の除去を目的とするヨード治療,去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)の転移性骨腫瘍に対する塩化ラジウム治療などがあります。

核医学専門技師をはじめとした経験豊富な診療放射線技師が予約から検査まで丁寧に対応させていただきます。

放射線治療

放射線治療は手術,化学療法と並ぶがん治療の3本柱の1つで,X線や電子線などの放射線を当ててがん細胞を壊します。切らずに,機能と形態を温存させてがんを治療できる点が最大の特徴です。放射線治療はがんを治す根治的療法のみならず,がんの増大や転移による疼痛緩和にも有用です。
当院では最新鋭の放射線治療装置を導入しており,通常の外部照射だけでなく,高精度な強度変調放射線治療(IMRT)やピンポイントでがん細胞を狙い撃ちする定位放射線治療(SRT)を行っています。また,画像情報を用いて位置合わせを行う画像誘導放射線治療(IGRT)という技術を用いており,寝台に患者さんが寝ている状態で撮影したX線画像やCT画像から骨・腫瘍・正常臓器の位置情報を把握し,治療寝台を適切な位置に補正しています。それにより,正常臓器への影響を最小限に抑えた,患者さんの身体に優しい治療が可能です。安心して放射線治療を受けていただけるよう放射線治療専門医,放射線治療専門放射線技師,医学物理士,放射線治療品質管理士,専従看護師など,多くの専属スタッフが協力して治療を行っています。

放射線治療装置

TrueBeam STx

TrueBeam STx

Clinac iX

Clinac iX

緩和放射線療法

がんの進行を抑え,症状を和らげることを目的とした放射線治療です。ここでは,緩和照射の中で最も頻度が高い,骨転移に対する放射線治療について説明します。
当院では高エネルギーX線を発生させるリニアック(直線加速器)という装置を使用しています。疼痛緩和および病的骨折や脊髄圧迫の予防を目的に行います。なかでも疼痛緩和照射は,短い期間で高率に疼痛の改善や消失が期待できます。また副作用が少ないことも特徴であり,外来治療も可能です。効果が得られれば鎮痛薬の減量や中止が期待できます。
骨転移における緩和を目的とした放射線治療の意義は,痛みを和らげるとともに,その人らしく生活できるように支援していくことです。緩和照射は,がんと上手に付き合っていくための一つの方法と言えます。当院では放射線治療専門医,放射線治療専門放射線技師,医学物理士,専任の常勤看護師がサポートしています。

TrueBeam STx

高エネルギーX線による緩和放射線療法症例

温熱療法(ハイパーサーミア)

2022年4月,2台のサーモトロン-RF8 GR Editionを導入しました。
温熱療法(ハイパーサーミア)とは,患部を42.5℃程度に加温することでがん細胞を死滅させる治療です。
温熱療法は放射線治療や化学療法と併用することで,治療効果を高めることが可能です。
放射線治療センター内に併設されているため,放射線治療を行った後,迅速に温熱療法を実施することができます。
当院では放射線治療を担当している診療放射線技師,看護師が放射線腫瘍医の指示のもと温熱療法を実施しています。
詳しくは中央放射線部ホームページをご覧ください。

サーモトロン -RF8 GR Edition (山本ビニター)

サーモトロン -RF8 GR Edition (山本ビニター)

看護師の業務

画像診断センターで行われる検査や治療の介助を13名(パート4名含む)の看護師で行っています(2023年10月現在)。患者さんが安心して検査,治療が受けられるように医師,診療放射線技師と協力して環境作りをしています。

画像診断センター

透視検査では各診療科の医師が施行する検査・治療が行われています。経皮的な検査やカテーテル留置術などの治療が安全・安楽に行われるように介助しています。

CT・MRIでは検査前に造影剤を注入するための血管確保を看護師が行い,医師の監視のもと検査がスムーズに行えるように努めています。また,検査中は造影剤の副作用出現時の早期発見と対応を行っています。また,冠動脈CTやCT透視ガイド下で行われる生検,治療の介助も行っています。

核医学センター

核医学センターでは主にSPECT,PET/CT検査の介助を行っています。心筋シンチグラフィや脳血流シンチグラフィなどの負荷をかけて行う検査の場合は,患者さんの観察を行い検査が安全・安楽に行われるように援助しています。また,内用療法も行われており,安全に治療を受けられるように看護を行っています。

放射線治療センター

放射線治療は一定期間継続的な治療が行われます。2021年4月よりがん放射線療法看護認定看護師を1名配置しています。患者さんの不安や悩みに向き合い,患者さんが安心して治療が受けることができるようにサポートしています。また,治療中は観察を行い,放射線治療の合併症の早期発見に努め,治療の介助や精神的サポートに努めています。入院患者さんにおいては,病状を考慮しながら病棟と緊密な連携をとり,治療がスムーズに受けられるように配慮しています。

専門資格・認定資格

中央放射線部における専門資格,認定資格

認定名 人数 認定団体・学会
第一種放射線取扱主任者 12 国家資格
検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師 21 日本乳がん検診精度管理中央機構
血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師 4 日本血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師認定機構
磁気共鳴専門技術者(MRI) 4 日本磁気共鳴専門技術者認定機構
X線CT認定技師 10 日本X線CT専門技師認定機構
核医学専門技師 5 日本核医学専門技師認定機構
放射線治療専門放射線技師 4 放射線治療専門放射線技師認定機構
救急撮影認定技師 7 日本救急撮影技師認定機構
医療情報技師 7 日本医療情報学会
医用画像情報精度管理士 1 公益社団法人日本診療放射線技師会
放射線管理士 11 公益社団法人日本診療放射線技師会
放射線機器管理士 12 公益社団法人日本診療放射線技師会
放射線治療品質管理士 3 放射線治療品質管理機構
医学物理士 4 医学物理士認定機構
臨床実習指導教員 9 公益社団法人日本診療放射線技師会
AI認定診療放射線技師 4 公益社団法人日本診療放射線技師会
肺がんCT検診認定技師 1 肺がんCT検診認定機構
画像等手術支援認定診療放射線技師 1 公益社団法人日本診療放射線技師会

施設認定

施設認定

認定団体・学会名 認定名
日本乳がん検診精度管理中央機構 マンモグラフィ検診施設・画像認定
日本救急撮影技師認定機構 実地研修施設認定証
(公社)日本診療放射線技師会 医療被ばく低減施設認定
日本放射線腫瘍学会 日本放射線腫瘍学会(JASTRO)認定施設認定証

キーワード

放射線,診療放射線技師,X線,マンモグラフィ,骨量測定,透視,CT,MR,血管撮影,IVR,核医学,アイソトープ,放射線治療,IMRT,IGRT,被ばく

関連リンク

連絡先

愛知医科大学病院 画像診断センター・血管内治療センター受付

TEL
外線 : 0561-62-3311(代表)
内線 : 35200

 

愛知医科大学病院 核医学センター・放射線治療センター受付

TEL
外線 : 0561-62-3311(代表)
内線 : 35000

さらに詳細な情報はこちらで紹介しています

中央放射線部ホームページ(学外)