〒480-1195 愛知県長久手市岩作雁又1番地1
愛知医科大学病院 病院長 天野 哲也
このたび、愛知医科大学病院の病院長を拝命しました天野哲也です。まずは、歴代の病院長をはじめ、これまで当院の発展と地域医療への貢献に尽力されてきた全職員の皆さまに深く感謝申し上げます。そして、このような大役を担うにあたり、地域の皆さまのご期待に応え、当院をさらに進化させるべく尽力する覚悟です。
私はこれまで、循環器内科医として患者さんと向き合いながら、働き方改革担当副院長や医療の質向上委員会委員長、さらには医療連携センター長など、さまざまな役割を担ってまいりました。それらの経験を通じて強く実感したのは、「患者さん一人ひとりの命や生活を支える医療とは、人間の温かさや思いやりに基づいてこそ真価を発揮する」ということです。私たち医療者が心を通わせ、力を合わせて初めて、信頼される医療が実現します。
医療は、人の営みそのものです。その根底には、「人間性」と「共感」があります。この想いを胸に、全職員が誇りと情熱を持って働き、地域の皆さまに愛され、信頼される病院づくりを進めてまいります。
当院の課題と未来へのビジョン
病院長としての新たな歩みを始めるにあたり、当院が抱える課題に対し、次のような取り組みを進めていきます。
1. 「人」を中心とした医療の質と安全性の向上
患者さんの「心に寄り添う医療」を実現するために、医療の質と安全性を最優先に取り組みます。Shared Decision Making(協働的意思決定)や臨床倫理への配慮を一層推進し、患者さんが安心して治療に臨める環境を整備します。さらに、多職種が協力し合う「チーム医療」の力を最大化し、職員一人ひとりが専門性を活かしながらも温かみのある医療を提供できるよう努めます。
2. 地域とともに歩む病院経営の確立
病院の持続可能性を高めるためには、地域との強固な連携が欠かせません。私は「顔の見える地域連携」をさらに深化させ、地域医療機関や介護施設とのつながりを強化していきます。当院心不全包括管理センターをモデルケースとし、地域全体でシームレスな医療を提供する仕組みを拡大させます。
3. 働きやすく誇りを持てる職場づくり
医療従事者が誇りを持って働き続けるためには、働きやすい環境の整備が不可欠です。私は「職員が笑顔で働ける病院」を目指します。働き方改革の推進により、時間外労働を削減し、職員一人ひとりのライフステージに合わせた柔軟な働き方を実現します。また、タスクシフトやICT活用を進め、医師や看護師が本来の専門性に集中できる環境を整えます。
4. 次世代を担う医療人材の育成
教育者としての使命感を胸に、次世代の医療人材の育成に力を注ぎます。若手医師や大学院生がイノベーションを起こせる研究環境を整備するとともに、地域や国際社会で活躍できる広い視野と高い専門性を兼ね備えた人材を育てていきます。
5. 地域に開かれた病院としての進化
愛知医科大学病院は、地域の皆さまに支えられて成り立っています。その信頼に応えるため、「開かれた病院」として、地域の声に耳を傾け、課題を共有し、共に解決策を模索していきます。患者さんが「この病院でよかった」と感じられるよう、医療の質を高め続けます。
最後に
私は、医療者としての温かさを忘れず、患者さん、地域の皆さま、そして全職員が「誇りを持てる病院」を目指して邁進してまいります。医療は、一人で成し遂げられるものではありません。皆さまのお力添えをいただきながら、「命に寄り添い、未来を創る病院」として、愛知医科大学病院を次のステージへ導いていく所存です。どうぞ、引き続きご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
プロフィール
専門
- 虚血性心疾患・カテーテルインターベンション
- 閉塞性動脈硬化症
- 心不全包括管理治療
略歴
1989年 3月 | 名古屋大学医学部医学科卒業 |
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1989年 5月 | 市立四日市病院 臨床研修医 |
1990年 5月 | 市立四日市病院 循環器科 |
1996年 4月 | 市立四日市病院 循環器科副医局長 |
1997年 7月 | 名古屋大学医学部附属病院 第三内科医員 |
1999年 5月 | 名古屋大学医学部附属病院 第三内科助手 |
2000年 8月 | 博士(医学)学位取得(名古屋大学) |
2001年 2月 | 厚生連愛北病院 循環器科部長 |
2003年 5月 | 名古屋大学医学部 病態内科学講座器官制御内科学講座学助手 |
2005年 5月 | 名古屋大学医学部 病態内科学講座器官制御内科学講座学講師 |
2005年 7月 | 労働者健康福祉機構中部労災病院 冠動脈疾患集中治療部部長 |
2007年 4月 | 労働者健康福祉機構中部労災病院 循環器内科部長 |
2012年 1月 | 愛知医科大学医学部内科学講座(循環器内科)教授(在任中) |
2019年 4月 | 愛知医科大学病院 副院長(〜2025年3月) |
2025年 4月 | 愛知医科大学病院 病院長(在任中) |
所属学会
- 日本内科学会
- 日本循環器学会
- 日本心血管インターベンション治療学会
- 日本心臓病学会
- ヨーロッパ心臓病学会
- 日本心血管画像動態学会
- 日本臨床薬理学会