救命救急科

救急初療室写真

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救命救急科は,救急隊からの要請によりドクターカー,ドクターヘリに医師,看護師が同乗して,救急現場へ出動し,応急的処置を行い,然るべき基幹病院に搬送する病院前救急医療,救急車等で搬送された傷病者の初期治療とトリアージ(救急蘇生室=ER),高度な全身管理を要する重症救急患者さんへの集中治療(ICU),と幅広く治療にあたっています。
とりわけ,増加する救急要請に応えるべく,平成23年4月1日より「救急告示医療機関」の指定を受け,多数の救急車を受け入れています。
救急集中治療室(EICU)では,病気・手術・外傷によって呼吸や循環に重篤な影響を受けた患者さんを各科の専門医と当科共同で集中的に治療しています。
診療体制は救命救急医と各科専門医,研修医が協力して治療にあたっています。

概要

また,当院は基幹災害拠点病院の指定も受けており,病院の通常の診療体制では対応できない災害医療にも力を入れています。

診療部門からのごあいさつ

救命救急科

高度救命救急センターで中核的な役割を担っている救命救急科は、他施設で対応できない重症患者を扱う最後の砦としての使命感のもと、“全患者救命”をモットーに全力投球で治療にあたっております。対象疾患は、急性循環不全、複合外傷、消化器疾患、代謝異常、重症感染症、急性呼吸不全、急性腹症、急性中毒などの重症症例で、専門各科の協力のもと急性期管理を行っております。救急専門医、集中治療専門医をはじめとした種々の専門医集団が、重症患者管理部門(EICU)で厳重なモニタリング、臓器サポートを行っております。医療水準は、APACHE IIで算出される予測死亡率をはるかに下回る死亡者数から明らかであるように高いレベルが維持できていると自負しております。種々の急性血液浄化法、人工呼吸器管理、ECMOをはじめとした人工補助療法、低体温療法、呼吸循環管理、代謝栄養管理は、最先端の知識に常にアップデートしております。
救急現場に医療スタッフが赴き、病院外で直ちに治療を開始するドクターカー、ドクターヘリも運用しております。病院前診療は、救急医療の醍醐味であり、医療の原点とも考えられ、教育面でも大きな役割をはたしております。救急現場から集中治療室管理までシームレスな救急医療を実践することにより高い救命率を維持しております。
感染症、外傷、手術をはじめとした多彩な侵襲の制御が、合併症を防ぎ致命的な多臓器不全への進展を食い止めるとされています。急性呼吸窮迫症候群、急性腎障害、播種性血管内凝固症候群をはじめとした臓器不全に対する管理は、基礎研究の成果に加え、人工呼吸器管理法、急性血液浄化法、薬剤の進歩により確実に向上しております。教室としては、救急集中治療医学講座を立ち上げましたが、救急集中治療とは、重症患者の生理的環境を、各病態に即した最適な状態に逸早く持ち込み、維持することにより、原因疾患の治療と回復を図るものです。そのために、各種モニタリングや人工補助療法を駆使しながら、患者さん個々の病態に応じたtitration therapyを行い、診断と治療を並行して行っています。そして、患者さん個々の遺伝的背景や生体反応に応じたきめ細やかな侵襲制御をもって救命率の向上を目指します。科学的根拠を基に一人でも多くの重症患者を救う“Academic Critical Care”をスローガンとして邁進しております。

主な対象疾患

  • 心肺停止
  • 急性中毒(毒物学,血液浄化法,呼吸循環代謝等の全身管理)
  • 各種原因による急性循環不全(出血性ショック,細菌性ショック,心原性ショック等)
  • 多発外傷(外傷に対する外科的処置,侵襲学に立脚した治療)
  • 重症呼吸不全(人工呼吸,体外循環)
  • 重症心不全(薬物療法,補助循環)
  • 重症肝不全(血液浄化法)
  • 急性腎不全(血液浄化法)
  • 広範囲熱傷
  • 低体温症,熱中症,アナフィラキシーショック,食中毒等
  • その他の急性重症疾患

さらに,栄養管理やリハビリなども取り入れ,全身的な治療も進めています。

診療・治療実績

救急車

救急車搬送患者数推移を表に示します。平成23年4月1日より「救急告示医療機関」として指定を受け,救急車受け入れ台数は年々増加しています。

年度 合計 1日平均
令和2年度 5,784 15.8
令和3年度 5,695 15.6
令和4年度 6,641 18.2
令和5年度 7,277 19.9
令和6年度 8,778 24.0

EICU・HCU延べ患者数

年度 EICU(12床) HCU(20床)
令和2年度 3,787 5,548
令和3年度 3,987 6,718
令和4年度 3,706 7,182
令和5年度 3,551 7,163
令和6年度 4,252 7,733

設備等

高度救命救急センター内

以下のベッドを運用しています。

  • 救急蘇生室 : 4床 ,ハイブリッドER : 1床,陰圧室 : 1床
  • 救急集中治療室(EICU) : 12床
  • HCU : 20床
  • TACU : 14床

高度な専門医療

重症循環不全,重症呼吸不全の管理が中心で,体外循環,血液浄化を取り入れて敗血症,多発外傷などにも積極的に治療しています。

ER, 集中治療

救急外来(Emergency room; ER)には高度な医療器材がそろっており,救急車,ドクターカー,ドクターヘリからの3次重症患者は救命救急科医師により治療が開始されます。また当院のEICU(Emergency ICU)は12床(うちコロナ対応病床含め個室10床)で,救急外来から入院となった重症患者の全身管理・治療を行います。当院のEICUの特徴は,救命救急科医師によりその日一日一日の治療方針や処置を決める,いわゆる完全型closed ICUです。外傷や敗血症などの疾患は救命救急科医師により退院まで治療が行われ,ACSや脳卒中などは循環器医や脳神経外科医と連携をとりながら治療を行っております。一般病棟で発生した急変患者さんへの対応も救命救急科医師がその場に出向き処置を行い,速やかな対応により救命率や予後を改善しています。EICU退室後はHCU(High Care Unit)で主治医として退院まで治療を行っており,病院前から退院まで一貫した医療を提供できる施設となっています。

外傷診療

当科ではドクターヘリによる病院前診療から,当科外科医によるDamage Control Surgeryを含むAcute Care Surgeryの実践,当科集中治療医による外科的集中治療の実践,そして各科専門医による根本的治療と,重症外傷への迅速かつシームレスな対応を目指しています。特にドクターヘリでは愛知県全域の重症症例,特に重症外傷に対応し現場からの積極的な治療介入を行っています。ERでは当科救急医による初療対応に続き,体幹外傷の手術症例は当科外科医が術者として対応しています。また当科の強みとして,当科集中治療医による質の高い外傷蘇生および引き続くICUにおける高度な集中治療により,重症外傷患者さんの救命と社会復帰を目指しています。また当科は令和5年より愛知県重症外傷センター試行病院(県内2か所)に指定されるとともにハイブリッドERを導入する予定となっており,これにより一刻を争う外傷出血性ショック等の患者さんのさらなる救命率の向上に挑戦しています。

重症熱傷,循環器救急,脳神経救急

高度救命救急センターの対象疾患でもある重症熱傷に対しては,当科で全身管理を行いつつ形成外科と協働して創部の治療を行いながらトータルマネジメントを行う役割を担っており,急性期の手術なども積極的に行っていく方針です。またEICUには循環器集中治療室(CCU)も併設されており,急性心不全,急性心筋梗塞,肺塞栓症,急性心筋炎といった心原性ショックを呈している重症患者の入室が多いのが特徴です。そのため循環器集中治療医としての役割も担っており,特にIMPELLAやPCPSのような補助循環装置を使用している重症患者管理に力を注いでおります。さらに脳神経疾患に対しても,けいれん,意識障害など内科鑑別診断から,痙攣重積,脳梗塞血栓回収などの治療,多発外傷を伴う重症頭部外傷,脊髄損傷などの治療など様々な病態に対して,脳神経外科,脳神経内科,精神神経科,脊椎外科とも協力して初期診断から集中治療,亜急性期の集中リハビリを提供しています。

施設認定

  • 日本救急医学会 救急科専門医指定施設
  • 日本航空医療学会 指定施設
  • 日本集中治療医学会 専門医研修施設
  • 日本呼吸療法医学会 呼吸療法専門医研修施設
  • 日本熱傷学会 熱傷専門医認定研修施設
  • 日本外傷学会 外傷専門医認定研修施設

キーワード

救命救急,集中治療,災害医療,航空医療,集学的治療,高度救命救急センター

関連リンク

連絡先

TEL
外線:0561-62-3311(代表)
内線:35371 救命救急科医局
内線:39724 高度救命救急センター

さらに詳細な情報はこちらで紹介しています

高度救命救急センターホームページ(学外)