救急集中治療医学講座

救命救急科は,愛知県第1号の救命救急センターとして昭和54年に開設され,令和4年にはドクターヘリの運航開始から20周年の節目を迎えました。令和5年1月には愛知県初の重症外傷センター試行施設に指定されるなど,愛知県内でも救急災害医療の中心となる高度救命救急センター,基幹災害拠点病院です。さらに令和5年4月より医学部に当救急集中治療医学講座が開設され,研究にも一層注力できる環境が整いました。愛知医大救命が継承する「全例救命」に加え,科学的根拠を基に一人でも多くの重症患者を救う「Academic Critical Care」をスローガンとして邁進しております。

教育方針

救急集中治療医学講座は,救急科と集中治療科のダブルボードを取得し,クリティカルケア領域で国内外のリーダーとなれるような臨床医の育成を目指します。救急診療に最も求められるものは,その急性期病態の把握と,迅速かつ適切な対応ですが,対症療法に留まらず病態生理を探求した上で,重症化した患者に対しても最後まで諦めない姿勢を説いてゆきたいと思います。それに関連して研究志向の高いスタッフには,physician scientistへの道も勧めています。

活動・研究内容

救急集中治療とは,重症患者の生理的環境を,各病態に即した最適な状態に逸早く持ち込み,維持することにより,原因疾患の治療と回復を図ることです。そのために,各種モニタリングや人工補助療法を駆使しながら,患者さん個々の病態に応じたtitration therapyを行い,診断と治療を並行して行います。それらに関連する各種人工補助療法,すなわち急性血液浄化法やECMOなどの効果に関する臨床研究,患者個々への治療,precision medicineに関連するバイオマーカー検索(genomics,metabolomicsなど)などを実施しています。また,敗血症において,その制御困難な病態として注目されている免疫麻痺に対する免疫賦活療法の研究を国内外で主導しています。さらに災害医学に関連して,可搬式医療用コンテナ(CoMUⓇ)の災害現場での活用法などに関する研究も開始し,それら研究領域は多岐に渡ります。

スタッフ紹介

研究業績については,研究者データベースをご覧ください。

氏名 職名 専門分野
渡邉 栄三 教授
部長
救急集中治療全般,敗血症診療,人工補助療法,外傷診療,災害医療
津田 雅庸 教授(兼務) 救急集中治療全般,外傷外科,災害医療
尾崎 将之 准教授 救急集中治療全般,麻酔科学,内科学一般
苛原 隆之 准教授(特任) 救急集中治療全般,外傷外科,代謝栄養学
梶田 裕加 講師 救急集中治療全般,麻酔科学
寺島 嗣明 講師 救急集中治療全般,脳神経外傷学,航空医療,災害医療
田邊 すばる 助教 救急集中治療全般,循環器内科学
大石 大 助教 救急集中治療全般,外傷外科
平山 祐司 助教 救急集中治療全般,小児科学
加藤 浩介 助教(医員助教) 救急集中治療全般,整形外科学
久下 祐史 助教(医員助教) 救急集中治療全般,熱傷診療
石津 啓介 助教(専修医) 救急集中治療全般
加藤 領一 助教(専修医) 救急集中治療全般
小峠 和希 助教(専修医) 救急集中治療全般

研究テーマ

氏名 研究テーマ
渡邉 栄三 救急集中治療医学,侵襲学,臨床ゲノム医学,災害医学,敗血症,DIC/TMA
津田 雅庸 救急集中治療医学,重症病態における細胞性免疫,災害医療
尾崎 将之 救急集中治療医学,溶血性尿毒症症候群,虚血再灌流障害
苛原 隆之 救急集中治療医学,Acute Care Surgery,侵襲時栄養代謝,災害時救助医療
梶田 裕加 救急集中治療医学,侵襲時の免疫変動解析
寺島 嗣明 救急集中治療医学,脳神経外傷,蘇生後集中治療,航空医療,災害医学
田邊 すばる 救急集中治療医学,循環器系救急疾患における炎症反応,心拍変動解析
大石 大 救急集中治療医学,非感染性炎症,血管透過性
平山 祐司 救急集中治療医学,小児集中治療医学
加藤 浩介 救急集中治療医学,救急整形外科学
久下 祐史 救急集中治療医学,Burn Wound Sepsis

キーワード

侵襲学,救急医学,災害医学,集中治療,航空医療,敗血症,外傷,心肺停止,熱傷,中毒,人工臓器

関連リンク

連絡先

TEL
0561-62-3311(代表)(内線35371)
FAX
0561-78-6235
E-mail
critical@aichi-med-u.ac.jp