建学の精神と学是

建学の精神

本学は,新時代の医学知識,技術を身につけた教養豊かな臨床医,特に時代の要請に応えて地域社会に奉仕できる医師を養成し,あわせて医療をよりよく発展向上させるための医学指導者を養成することを目的とする。
そのため,医学を中心とした広汎な基礎的知識を授け,深い専門的技術を教授研究し,心身ともに健康なる医師を養育し,その知的,道徳的能力及び社会的有用性の向上を期している。
なお,私学の特性に鑑み,その自主性を重んじ,公共性を高めることによって,私立医科大学の健全なる発展を図り,社会福祉,殊に地域医療に貢献するとともに,東南アジアその他発展途上国の医療の進歩,向上に協力せんとする。
本学の修業年限は6年で,その間の教育に一貫性を期するとともに,研究の交流を図るために,その組織を基礎科学,基礎医学,臨床医学の各部門にわかち,それぞれの緊密なる連携を図ることにした。この点本学が新しい構想のもとに企画したところであり,本学の特色とするところである。かくして新しい「カリキュラム」をもって人間形成及び創造性の啓発を図り,人命の尊厳を守り,ヒューマニズムに徹し,各自の自主的,自発的勉学を尊重し,人間としての自覚にたった医学教育を目指しているのである。

学是

具眼考究

「具眼」とは,江戸中期の画家で近年脚光を浴びている伊藤若冲の言葉として知られていますが,「確かな眼」,「見通す眼」,「眼力」,「慧眼」といった意味であり,医学的には「正しくみる」ことを意味します。「みる」とは「診る」,「看る」,「見る」,「観る」,「視る」のすべてを含み,個々の患者の正確な病態とともに生物学的,心理学的,経済的,社会的なすべての視点に立った包括的,全人的に患者を把握する感性を意味します。さらに卓越した研究・教育それに大学の正しい未来の方向性の洞察には「具眼」が必要です。
「考究」とは,「具眼」によって得た神髄を深く考え,それに対して正しく対処して究めることを指します。