私立大学研究ブランディング事業

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私立大学研究ブランディング事業に採択

文部科学省の平成30年度「私立大学研究ブランディング事業」に本学が採択されました。
同事業は,学長のリーダーシップの下,大学の特色ある研究を基軸として,全学的な独自色を大きく打ち出す取組を行う私立大学に対し,文部科学省が支援する取り組みです。
本学が採択されたのは,タイプA社会展開型で,115校が申請し,11校が採択されています。

事業概要

本事業では,若年者率全国1位,出生率3位を誇る「活力のある若いまち」長久手市との親密な連携関係を基盤に,炎症に関する学内研究を推進して健康状態の客観的評価法を確立するとともに,コホート研究を展開します。これらの研究成果を基に,全年齢層に対応する『健康維持・増進を支える次世代先制地域医療』システムを構築し,健康長寿社会の実現に貢献する大学としての使命を果たします。

研究グループ・成果等

市民公開講座

令和6年1月20日(土)及び2月11日(日)に,愛知医科大学たちばなホールにて市民公開講座を開催し,約150名の方々がご参加くださいました。

血液検体採取の様子

採血等のご協力のお礼

血液検体採取の様子

血液検体採取の様子

令和5年1月~3月の12日間,20歳から60歳までの長久手市民を対象に採血等を実施し,計515名の血液検体及び健康診断情報をご提供いただきました。
いただいた情報を活用し,5つの学内研究グループによる炎症に関する研究を推進していきます。

『愛知医科大学のイメージ及び研究に関する意識調査』ご協力のお礼ならびに結果報告

成果報告

進捗状況

キックオフシンポジウム

文部科学省「私立大学研究ブランディング事業」キックオフシンポジウムを開催しました

平成30年度文部科学省の「私立大学研究ブランディング事業」の採択を受け,令和元年10月28日(月)にキックオフシンポジウムを開催しました。シンポジウムには長久手市長,市役所関係者,学外評価委員,学内外の関係者約50名が参加しました。

挨拶

はじめに,愛知医科大学を代表して,祖父江元理事長から,「長久手市は全国で1番若いまちで,全国で2番(2018年)の住みやすさを誇っています。このような特長のある長久手市や市民の方々と連携して,ユニークなコホート研究を展開することで,同市と大学のWin-Winの関係を更に深めていきます。」と挨拶がありました。
続いて,本事業主導の任にある佐藤啓二学長から,「研究を通じて,社会の中にある大学が自らの存在意義と価値をどれだけ深められるかが求められています。長久手市民の皆様の健康増進・疾病予防を常に意識して本事業に取り組んでまいります。」と挨拶がありました。
最後に,長久手市の𠮷田一平市長から,平成24年1月以来,教育・医療・まちづくり全体に関する連携協定を長久手市と愛知医科大学間で締結していること,厚生労働省の地域共生社会の実現へ向けた第1回全国サミットが長久手市で開催されたこと等,長久手市の実績について紹介があり,本事業に対する期待や協力の言葉を頂戴しました。

事業説明

本事業実務者会議委員長である渡辺秀人教授から,「本事業は,『健康維持・増進を支える次世代先制地域医療システム』の構築を目的としています。そのために特定の因子と疾患発症率との関連を明らかにするコホート研究を長久手市に立ち上げ,健常者に潜在する炎症反応の解析を通じて,健康状態の客観的評価指標の決定と評価法の確立を目指します。長期的なビジョンを持ち,本事業を通じて地域の皆さんに寄り添い地域に根差した医科大学になるように尽力する所存です。」と本事業の趣旨説明がありました。

基調講演

名古屋市立大学大学院医学研究科の上島通浩教授から,「子どもの健康と環境に関するコホート研究における名古屋市立大学の地域との連携」と題してご講演いただきました。上島教授が実施されてきた出生コホート調査の実体験に基づき,住民の方々や行政機関との連携構築において工夫した点,苦労した点などをわかりやすくご説明いただきました。コホート研究の課題は,成果を出すのに非常に長い時間がかかることであり,これを理解いただいた上で,協力を得ることが重要であると強調されました。

研究グループ代表者による取組み紹介

次の7つの学内研究グループの代表者から,研究内容等について紹介がありました。

  1. 血中の糖鎖と血管の性状:グリコサミノグリカンを中心として
    分子医科学研究所 渡辺秀人,永井尚子
  2. 糖鎖マーカーM2BPGiを使用して長久手市民を健康長寿へ
    内科学講座(肝胆膵内科) 伊藤清顕
  3. 長久手市住民コホートにおける脂肪肝関連遺伝子(PNPLA3 SNP)の測定
    肝胆膵内科 角田圭雄
  4. 関節リウマチと呼吸器の関連 血栓抗環状シトルリンペプチド(CCP)抗体測定の検討
    内科学講座(呼吸器・アレルギー内科) 伊藤 理
  5. ヒトパルボウイルスB19(HPV-B19)とリウマチ性疾患
    内科学講座(腎臓・リウマチ膠原病内科) 伊藤恭彦,坂野章吾
  6. フォンビルブランド因子に注目した血栓,出血リスク解析
    中央臨床検査部 中山享之
  7. 慢性疼痛の病態評価
    学際的痛みセンター 牛田享宏,運動療育センター 西須大徳

意見交換

その後,参加者間で意見交換が行われ,最後に外部評価者である名古屋大学大学院医学系研究科の門松健治教授から,市と大学のコンソーシアムの重要性の強調とともに,まちづくりの観点から「予防」にフォーカスした事業展開など,本学への助言の言葉を頂戴しました。

閉会

最後に,本学の若槻明彦医学部長から,閉会の挨拶として,「本事業が,最終的に長久手コホートなどと称した全国的なブランドとなり,その結果が市民の方々に還元できるよう努めてまいります。」との強い意気込みが述べられ,キックオフシンポジウムは滞りなく終了しました。