精神神経科

精神神経科外来

精神神経科外来

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当精神神経科は,名古屋市を含めた愛知県東部地域を広くカバーした精神疾患の診療拠点としての役割を担っています。診療領域は統合失調症・気分障害・ストレス障害・てんかん・認知症・児童思春期における精神障害を中心としています。薬物療法から精神療法までそれぞれの疾患に対し総合的な治療を行い,また難治性の疾患に対する専門的な治療も行っております。入院治療に関しては,大学病院では少ない,統合失調症や気分障害圏の急性期の治療に必要な閉鎖病棟も完備しています。また各科との連携を密に行っており,身体合併症への対応や,入院中のせん妄予防やその対応,がん・移植患者の心のケアなど幅広い診療を行っています。

診療部門からのごあいさつ

部長
宮田淳

精神神経科では,統合失調症,うつ病,双極症(双極性障害・躁うつ病),不安症,てんかん,認知症などの様々な疾患に対し,薬物療法,心理療法,修正型電気けいれん療法など,多面的な治療を行っています。またてんかんを積極的に診療している全国でも数少ない精神科施設です。また脳MRIやSPECTなどの神経画像検査,脳波,心理検査なども積極的に実施し,疾患の鑑別や治療に役立てています。
統合失調症については,エビデンスに基づいた薬物療法や、既存の抗精神病薬に抵抗性の患者さんへのクロザピンによる治療も行っております。うつ病・双極症は,その多くが抗うつ剤や気分安定薬の投与で改善しますが,重症例では修正型電気けいれん療法も行っています。近年では,全身麻酔を要する電気けいれん療法よりも簡便に実施できる,反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)も導入しています。また薬物療法だけでは改善が不十分な場合は,認知行動療法も含めた心理療法を行っています。アルコール依存症は,原則として専門治療施設を紹介しています。

主な対象疾患

  • 統合失調症
  • うつ病
  • 双極症(双極性障害・躁うつ病)
  • てんかん
  • 認知症
  • ストレス性障害

診療・治療実績

診療実績(令和5年度実績)

外来患者数(一日平均) 68.8人
入院患者数(一日平均) 16.0人

設備等

  • 頭部MRI,SPECT,MIBG,Datスキャンなどの画像検査
  • 脳波
  • 修正型電気けいれん療法:統合失調症・難治性うつ病などに対して修正型電気けいれん療法を行っております。
  • クロザピンや抗精神病薬持続性注射剤の導入を行っております。
  • 反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)の導入を行っております。

初診(紹介制)について

かかりつけ医から地域医療連携室を通して,ご予約ください。
外来診療の混雑緩和のため,原則,外来窓口での診療予約は行いません。かかりつけ医からの「診療情報提供書」をもって地域医療連携室より予約をおとり致します。
診療情報提供書をお持ちでない患者さんは,診察をお断りしております。

この度,人員不足のため,児童精神外来の新規受付を終了することといたしました。事前にご紹介いただいても,地域医療連携室よりお断りすることとなりますのでご承知おきください。また,事前紹介のないまま窓口に来られた場合は,紹介状を確認後,お断りすることとなりますのであわせてご承知おきください。

また,rTMS治療をご希望の方は下記の「反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)のご案内」をご覧ください。

反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)のご案内

医療関係の皆さんへ

この度,愛知医科大学病院精神神経科では,rTMS療法を導入しました。

貴院で加療中の患者さんへのrTMS療法を希望される場合,該当患者さんの担当医が「日本精神神経学会」策定の適正使用指針をお読みになった上,病状照会をダウンロードして必要事項を記入後,愛知医科大学病院の地域医療連携室にFAXまたは郵送してください。

※愛知医科大学病院でのrTMS療法は保険診療で行います。そのため,日本精神神経学会が定めた適性使用指針に基づいて,当院の担当医が施行の適否を判断します。もし適応外と判断した場合,rTMS療法をお断りすることや,途中で中断・終了することがあります。

rTMS療法を希望される患者さんへ

現在,精神科(心療内科,メンタルクリニック)に通院中で,愛知医科大学病院でのrTMS療法を希望される場合,まずは通院中の精神科(心療内科,メンタルクリニック)の担当医と相談後,愛知医科大学病院への紹介を依頼してください。担当医からの紹介が無い場合はお引き受けできません。また,精神科(心療内科,メンタルクリニック)以外の医療機関からの紹介はすべてお断りしますのでご承知おきください。

適応となる方

  • 18歳以上の方
  • うつ病(大うつ病性障害)と診断されていること(双極性障害は適応外です)
  • 抗うつ薬による適切な薬物療法(1剤以上)で十分な改善が得られていないこと
  • 中等症以上の抑うつ症状を示していること(HAMD17またはHAMD21で評価)

rTMS療法の導入手順

①患者さんとかかりつけ医との間でrTMS療法について話し合い

②かかりつけ医から病状照会を地域医療連携室にFAXもしくは送付

③当科内で書類での適応会議①を開催

④適応会議①の結果を,かかりつけ医へ伝達

⑤当科rTMS外来を受診(rTMSの説明・同意取得・事前検査)

⑥診察や検査結果を踏まえた適応会議②を開催

⑦適応会議②の結果を,患者さん・かかりつけ医へ伝達

⑧入院しrTMS療法を実施

※当院外来を受診の上,適否の判断および説明,同意の取得をします。
※rTMS療法は,1回40分間を週に5回(月曜から金曜まで毎日(祝日は除く)),合計30回(約6週間)にわたり施行します。初回の効果評価までの3週間は入院が必須です。
※rTMS療法前後に薬物調整を行う場合があります。

愛知医科大学病院精神神経科における摂食障害治療の方針について

医療関係の皆さんへ

2024年1月の日本精神神経学会による摂食障害治療に関する提言を受け,当院では地域と連携した摂食障害治療を目指しています。摂食障害は初期治療で寛解に至る例も存在する一方,慢性化しやすい疾患です。よってその治療は精神科医のみで行うのではなく,統合失調症や神経発達症のように,デイケアやリハビリテーション施設や就労移行支援施設,訪問看護,福祉の介入といった地域全体による包括ケアを行うべき障害です。また介入が早いほど予後が良いとされ,10代の患者さんも多くいらっしゃいます。

そのため当科では以下の条件を満たす方を対象に受け入れを行っています。

  • 標準体重65%以上
  • 中学生以上
  • 急性期の入院治療

また退院前には心理面に対する治療の一環として心理士,管理栄養士,薬剤師などの多職種による摂食障害教室も開催しています。退院後には近隣の精神科病院あるいは精神科クリニックへの通院をお願いしています。
なおご紹介の際は紹介状に以下の書式の添付をお願い致します。

受診される患者さんへ

現在,精神科(精神科病院,心療内科,メンタルクリニック)に通院中で,愛知医科大学病院での摂食障害治療を希望される場合,まずは通院中の精神科の担当医と相談後,愛知医科大学病院への紹介を依頼してください。担当医からの紹介が無い場合はお引き受けできません。また,精神科(心療内科,メンタルクリニック)以外の医療機関からの紹介はすべてお断りしますことをご理解願います。

抗精神病薬持効性注射剤(LAI : Long-acting antipsychotic injectable)の導入ご相談について

受診される患者さんへ

当院では統合失調症,あるいは双極性障害の患者さんへ,抗精神病薬持効性注射剤(以下LAI)の導入を積極的に行っております。LAIは毎日お薬を内服する代わりに,月1回,あるいは3か月に1回の筋肉注射を行う治療法です。この治療では飲み忘れにより調子を崩してしまうことや,症状が不安定になる事を少なくすることで,統合失調症や双極性障害の再発や再燃を防ぐだけでなく,社会機能の向上にも役立つとされるお薬です。利点の多いこの治療は,現在適切な患者さんへ普及していくことが望まれています。この治療にご興味を持たれましたら主治医の先生へご相談の上,紹介状のご準備と初診のご予約をお願い致します。

注射の痛みを軽減する方法について

従来,LAIの導入に際しては,注射という特性上「痛み」を懸念する声は多くありました。そのため当院では痛みの軽減方法を研究し,注射部位を保冷剤で冷却するという非常に簡便で安全な方法でその痛みが軽減することがわかりました※。実際にこの方法を用いて導入を行うことが出来ますので,安心して受診してください。
※Fujita K, Mori Y et al., Schizophr Res. 2024

医療関係者の皆様へ

現在LAIの存在する抗精神病薬はパリペリドン(商品名インヴェガ)とアリピプラゾール(商品名エビリファイ)に限られていますが,実際には現在このお薬を使用していない場合でも,LAIの治療を導入することについてご相談頂けます。また,前述致しました様に導入に際して注射の痛みを懸念する場合なども対応が可能です。ご紹介いつでもお待ちしております。

遅発性ジスキネジアの診断と治療について

抗精神病薬は現代の精神医療において統合失調症をはじめ,双極性障害,うつ病の治療に不可欠なものですが,その副作用として口や手足などが自分の意思とは関係なく動いてしまう「遅発性ジスキネジア」があります。これは主観的Well-being(生活の質)や死亡リスクにも影響があるなど重要な病態であるにも関わらず,報告により幅がありますが,その有病率は数%から20%程度と少なくなくありません。残念ながらこれまではこの病態に対する有効な治療法が確立していませんでしたが2022年にバルベナジン(商品名ジスバル)が上市されてからは運動症状に対する治療が可能となりました。当院では積極的に「遅発性ジスキネジア」の診断と治療を行っております。ご紹介いつでもお待ちしております。

キーワード

精神神経科,統合失調症,うつ病,双極症,てんかん,認知症

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連絡先

TEL
外線 : 0561-62-3311(代表)
内線 : 22129 精神科学医局

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