NP部

「いのちに寄り添い、医と看をつなぐ。診療看護師(NP)の挑戦」


愛知医科大学病院NP部では、看護学と医学を融合した視点から医療を提供することで、患者さんとご家族の「いきる力(生きる・活きる)」を支え、地域社会に貢献することを理念としています。
私たちは、患者さんの生活や価値観を尊重した医療環境の調整を大切にし、医師や看護師をはじめとする多職種と連携しながら、より良い医療の実現に努めています。



私たちは、以下のような診療看護師(NP)とともに、患者に寄り添い、質の高い医療の実践をしていきたいと考えています。

移植後成績(患者生存率)2012/7-2020/12
移植後成績(移植腎生着率)2012/7-2020/12

ごあいさつ

<部長 森一直>

部長 森一直

部長 森一直

この度、NP部の部長を拝命しました森一直でございます。私は2015年に診療看護師(NP)の認定を受け、当院で活動を行ってきました。愛知医科大学病院では、2022年4月1日に中央診療部の一部として「NP部」を設立し、2025年4月1日より、中央診療部から独立した部門として新たな一歩を踏み出しました。
診療看護師(NP)は、看護の専門性に加え、医学的知識と技術を統合することによって、より包括的で継続性のある医療を提供する専門職です。グローバルにみてもNP制度は高度化・制度化が進み、日本においてもその役割と活躍の場が広がりつつあります。
当院のNP部は、患者さんやご家族の価値観や生活に寄り添いながら、その人らしい療養を支える医療の提供を目指しています。そのために、医学的視点をもった看護の実践(高度実践看護)を追求し、質の高いケアを担う人材の育成と、診療看護師(NP)が安心して働ける仕組みの整備を進めています。
また、ライフイベントを経ても安心してキャリアを継続できるよう、育児休暇の取得や勤務調整など、ワークライフバランスに配慮した職場環境の整備にも力を入れています。小児領域やプライマリケア領域で活躍できる人材育成を推進し、院内のみならず地域社会においても診療看護師(NP)がその専門性を発揮し、社会貢献できる体制を築いていきたいと考えております。

業務案内

診療看護師(NP)の主な業務

麻酔科

愛知医科大学病院では、診療看護師(NP)の活用を麻酔科からスタートしました。 はじめは麻酔補助業務を中心に活動を開始し、現在では**集中治療室(ICU)、周術期外来、麻酔後回復室(PACU)といった領域へと業務を拡大しています。手術を受ける患者さんや集中治療を要する患者さんに対して、診療とケアの両面から継続的に関与し、病態の変化を早期に捉えて適切に対応する役割を担っています。医師と連携しつつも、患者に寄り添いながらその人らしさに配慮した医療を提供する存在として、診療看護師(NP)はチーム医療の中で重要な役割を果たしています。

外科系診療科

診療看護師(NP)が外科系診療科においても活躍しています。診療看護師(NP)は、病棟における入院患者の全身状態の継続的な観察と管理を担うとともに、外来での術前・術後フォローを行い、医師や看護師、他職種と連携しながら患者さんの支援を行っています。 また、手術を受ける患者さんの回復過程を一貫して支える存在として、医学的知見に基づいた判断力と、看護職ならではの丁寧な観察力を活かし、病状の変化に対する早期対応やケアの質の向上に貢献しています。さらに医師の診療を支援しつつも、患者の生活背景や価値観に配慮した医療提供を行うことで、患者中心の周術期医療の実現を支えています。

リハビリテーション科

診療看護師(NP)は、リハビリテーション科においても活躍しています。リハビリテーションを受ける患者さんの全身状態の管理や病状のモニタリングを担い、リハビリの安全かつ効果的な実施を支援しています。特に、高齢の患者さんや複数の慢性疾患を抱える方においては、リハビリ中の病態変化への早期対応や、内科的・外科的な背景疾患の評価が重要となる場面も多く、診療看護師(NP)がその中核を担っています。また、医師や理学療法士、作業療法士、言語聴覚士と連携しながら、患者さんが安心してリハビリに取り組める環境の整備や、継続的な支援体制の構築にも関与しています。診療看護師(NP)は、医学的視点と看護的視点を統合した実践を通じて、患者の早期回復と自立支援に貢献しています。

教育制度

【NPフェローシッププログラム(卒後2年間研修)】

当院では、診療看護師(NP)としての実践力を体系的に高めるための2年間のフェローシッププログラムを実施しています。
このプログラムは、高度実践看護師として臨床に貢献できる力を育むことを目的とし、以下の内容を習得できるようにしています:

①看護学と医学の専門知識・技術を統合し、臨床推論に基づいた治療・看護計画を自律的に立案・実施できる
②多職種と協働して急性期医療、社会資源を活用した退院支援・在宅移行支援を主導できる
③患者・家族の価値観と倫理的課題に配慮した意思決定支援を行うことができる
④実践を通じて得られた課題を教育・研究活動に展開することができる

これらを習得するために、7つのコンピテンシーを定め教育をしています。また、プログラムを開始する前に、①クリティカルケア領域、②小児(NICUを含む)領域、③プライマリケア領域を選択し、さらに一人ひとりのキャリアや希望に応じて研修先を柔軟に組み立てられます。



【習得するべきコンピテンシー】

1. 臨床実践・臨床判断の評価
2. アウトカム評価、研究の活用と使用
3. 良好な関係性の構築
4. 倫理的配慮
5. 患者・家族・スタッフ教育
6. コラボレーション
7. ヘルスケアシステムの活用


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【NPフェローシッププログラム修了後の活躍の場】

研修を修了した診療看護師(NP)は、各診療科の医師と連携しながら診療に直接関わるチームの一員として活躍しています。
現在は複数の診療科で活動していますが、今後は小児領域・プライマリケア領域など、さらなる展開を計画しています。

Q&A

Q1 診療看護師(NP)とは?

A. 診療看護師(NP)とは、日本NP教育大学院協議会が認定している資格制度です。大学院での学習を終えて、資格認定試験を受けて合格した看護師です。


Q2 医師の代わりに診療するのですか?

A. 医師の代替ではなく、医師と協働する役割を担います。看護師の視点を活かして、患者さんの生活や価値観に寄り添いながら医学的判断を行い、よりよい医療を提供します。


Q3 診療看護師(NP)になるには?

A. 看護師免許を取得し5年以上の臨床経験を積んだ上で、大学院のNP教育養成課程を修了する必要があります。愛知医科大学大学院では、診療看護師(NP)の養成を行い、大学病院で卒後研修を行うなど連携することで、診療看護師(NP)のサポートを行います。


Q4 診療看護師(NP)フェローシップではどのようなことを学びますか?

A. 臨床判断、倫理的支援、患者とのコミュニケーション、多職種連携、研究活用など、診療看護師(NP)として必要な7つのコンピテンシーを実践を通じて学びます。また、クリティカルケア・小児・プライマリケアの3つのコースから選択が可能です。


Q5 プログラム修了後のNPはどこで働いていますか?

A. 現在、当院では麻酔科・心臓血管外科、脳神経外科、消化器外科、リハビリテーション科など複数の診療科で医師と協働し、看護実践しています。今後は他の診療科への拡大や小児領域・プライマリケア領域を含め、地域にも活躍の場を広げていく予定です。


Q6 診療看護師(NP)として働きながら家庭や育児との両立は可能ですか?

A. はい。当院では、育児休暇や柔軟な勤務体制などワークライフバランスを大切にする環境整備に力を入れています。長く専門性を発揮しながら働ける職場づくりを進めています。

キーワード

診療看護師(NP)、Nurse Practitioner、高度実践看護師

関連リンク

連絡先

e-mail
sec3301@mail.aichi-med-u.ac.jp

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