プライマリケアセンター

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当院は，「特定機能病院」であり，紹介に基づき診療する高度専門医療を提供することを使命としています。また医育機関として医学生，研修医等の教育，研鑽の場でもあります。通常患者さんは，まず近隣のかかりつけ医（総合医）の先生のもとを受診され，医療を受けられています。しかしより高度で専門的な医療が必要と判断されれば当院の当該専門各科へご紹介いただいています。
当院は大学病院であり，このように，基本原則として，ご紹介いただいた患者さんの診療を行っていますが，我が国の医療はフリーアクセスという特徴があります。そこで紹介状をお持ちでない患者さんが，直接当院を受診されることがあります。
当センターは，特に内科系の種々の病状で，そのような紹介状をお持ちでない当院初診患者さんが最初に受診される部門となります。また，当院通院中の患者さんで，当日の予約がない患者さんの臨時受診時も必要に応じて初期対応を行います。さらに総合診療科への紹介患者さんの診療も行います。総合的な診療，プライマリケアを行いますが，いずれの場合でも，当部門内での診療で完結しない時は，遅滞なく各専門科，専門医と連携を取って診療を行います。
また当部門では，幅の広い総合的医療である総合診療，プライマリケアを行うため，研修医の教育の場としての側面もあります。患者さんを臓器別のパーツの異常のみではなく，全体として捉え診療していく姿勢を学び，基本的診療能力を習得する研鑽の場となります。
当センターのスタッフは，研修医，専修医と総合診療科医師が中心となり，必要時，各専門科医師と即時緊密に連携して診療を行います。
なお，診療は平日午前中であり，初診受付時間は，午前8:30~11:00です。夜間，時間外の診療につきましては，当センターは救急外来としての役割となり，救急車以外で来院された基本的に全ての患者さんの初期診療を専修医，当番医，当直医等と共に研修医が中心となり行います。

診療部門からのごあいさつ

プライマリケアセンター(PCC)の役割は，(1)外来診療の効率化, (2)救急医療の円滑化，(3)医学教育の充実の３つの目的を担うことです。
(1) 外来診療の効率化
大学病院の外来診療に求められる役割は高度な専門医療を提供することです。当院も本来の大学病院としての役割を担うため，各診療科別の専門外来では，地域の医療機関からの紹介や専門診療を必要とする予約の患者さんを優先とする診療体制を目指しています。しかしながら，当院には紹介や予約のない患者さんも多数来院されており，以前は外来診療が滞る原因の一つとなっていました。2014年からの新病院では通常の診療時間内においては，各診療科の予約・紹介中心の専門外来が効率よく円滑に運べるように，PCCで紹介状のない初診患者さんや予約のない再診患者さんの総合的な診察を行い，症状や病状を見極めた上で，専門診療が必要な場合には適切に専門診療科と連携しています。また，原因が明確でない症状や複数の問題を抱えている患者さんの中で，大学病院での精密検査や治療が必要と判断した場合は総合診療科がまずは診療を担当していきます。内科的な疾患で来院された非紹介，予約外患者さんの診療が中心となりますが，どの診療科に受診したらいいのかわからない患者さんに対しても適切に初期対応していきます。PCCにおいて診療を担当するのは研修医, 専修医と総合診療科の医師が中心となりますが，必要に応じ専門診療科と連携して診療に当たります。また，総合診療科への紹介患者さんの診療もPCCで行います。
(2) 救急医療の円滑化
PCCは診療時間外には救急外来としての役割を担います。救急外来では研修医が初期対応に当たり，救急車以外で受診した全ての患者さんの診療を研修医，当番医，当直医が行います。当院では，救急車で来院した患者さんは高度救命救急センターがすべて受け入れていますが，重症の救急搬送患者さんへの対応を円滑に行うため，救急車で来院した患者さんであっても，帰宅可能な軽症例についてはPCCで診療を行うこともあります。高度救命救急センターとPCCは隣接しており，連携をとりあいながら救急医療の充実を目指します。
(3) 医学教育の充実
PCCでは幅広い領域の疾患に対応することを目指しています。学生の臨床実習や卒後の初期研修を通じて，全ての臨床医に必要な基本的な診療能力を習得し，患者さんを全人的・総合的に診るという意識を持った医師の育成に努めて行きます。すなわち総合診療, プライマリケアの修練を行っていきます。