〒480-1195 愛知県長久手市岩作雁又1番地1
概要
疼痛緩和外科・いたみセンターでは、痛みに関連した病気に悩んでいる患者さんを、総合的に診断し治療を行っています。痛みは多くの病気でみられるありふれた症状の1つですが、主観的な症状のため他人からはなかなか理解されにくく、日常生活や社会活動にも多大な影響を与えます。当センターは、このような痛みに対して2002年に国内で初めて開設された集学的な治療・研究施設です。
頭痛、腰痛、肩こり、各種神経痛、手術後の痛み、また、原因がはっきりしない痛み、がんなどの治療後に病気が治って痛みだけが残ったものなど、疼痛疾患全般を治療対象としています。
治療は、運動器に対する理学療法、各種薬物療法(漢方を含む)、及び神経根ブロック療法、高周波パルス療法などを組み合わせた治療、脊髄小侵襲手術(脊髄刺激療法など)を行っています。
特に、難治性の神経障害性疼痛や高齢者の慢性疼痛など治療に難渋している症例に対して、器質面へのアプローチだけでなく、精神科専門医、心理士による精神・心理学的方法も含めた多角的な診療を目指しています。
現在、順調に遠方の他施設や地域医療施設からの紹介患者が増加しており、当センター独自の治療方針を確立し、日本の痛み治療をリードしていきたいと考えております。
診療部門からのごあいさつ

疼痛緩和外科 部長 牛田享宏

いたみセンター 部長 西原真理
~痛みと向き合い、ともに考える~
疼痛緩和外科・いたみセンターは本院における痛みの総合診療センターとしての役割を担っており、痛み治療の専従エキスパートが、痛みの身体的、精神的、社会的な相互関係を多方面から評価し、各専門医学領域と提携して集学的かつ統合的なアプローチを行っていくことを目的としており、高い理想をもって疼痛制御に関する診療を行う施設です。
急性期の痛みは、生体へと危険を知らせる警告信号として重要な役割を果たしていますが、その痛みが慢性化すると、苦悩や生活の質を損なうことになります。その結果、就労復帰が困難になり、また医療経済的な面にも影響を及ぼすなど社会的にも大きなマイナス要因となっています。これまで慢性の痛みがある患者さんへの対応は、各診療科が個別に行ってきましたが、十分な改善・満足が得られていないのが現状です。現在、日本では高齢化社会が急速に進んでおり、今後痛み治療が医療において重要な位置を占めると考えられ、集学的な治療を行う痛みセンターがその中心的な役割を担うことが期待されています。
平成23年度から、厚生労働省指定研究班の中核施設として専門的な観点から慢性の痛みの課題の整理や対応策の研究開発を推進しています。現在は慢性の痛み情報センター(https://itami-net.or.jp/)の実運営を行っており、慢性の痛み対策として、全国の患者さん、市民、医療従事者に対する痛みの正しい情報の発信に努めているほか、教育啓発活動として市民セミナーや研修会を行っています。
主な対象疾患
- 頚椎・腰痛変性疾患、神経根症
- 肩・肘・膝・股関節変性疾患
- がん性疼痛、がん治療後疼痛
- 神経障害性疼痛など
- 頭痛、顔面痛、三叉神経痛
- 脊髄障害性疼痛症候群
- 線筋痛症
- 複合性局所疼痛症候群
専門外来
運動器痛
慢性疼痛患者さんの多くは運動器の痛みを抱えています。運動器疼痛の原因となるものは、筋肉、靭帯、骨などがあり、画像検査に異常があれば分かりやすいものです。一方で、画像検査では異常がない場合や異常があっても症状と関連しない場合には、その評価は難しいものになります。また、長い間痛みに悩んでいる方で、痛みのために動けない状況が続き、これが筋力低下、筋緊張や可動域制限といった新たな身体的問題を生み、さらに痛みを生じてしまう悪循環に陥っている場合には、評価はより困難になります。このような状態にある方でも、我々は運動器の専門的な視点から、病態をできるだけ正確に把握し、運動療育センターと連携を図りながら、身体的問題を回復させるよう適切な治療を提案してまいります。
| 担当者 | 牛田享宏、寺嶋祐貴、永井修平 |
|---|---|
| 受診方法 | かかりつけ医から地域医療連携室を通じて、ご予約ください。 |
| 診療日時 | ※医師の担当日時(週・曜日)についてはこちらでご確認ください。 |
疼痛治療・漢方薬
痛みを引き起こす原因に、侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、中枢機能性疼痛があります。難治性慢性疼痛では、上記三種類の原因が複雑に作用し、治療を困難としています。実際、我々の診療で、侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛に効果のある西洋薬を使用しても十分に効果を認めない症例や副作用のため十分量を内服できず痛みが軽減しない症例が時として多く経験します。漢方薬は、そのような症例でうまく適切に処方することで、痛みを軽減することができる場合があります。西洋医学的な治療介入で、難渋する症例では、当専門外来で、治療を検討していきます。
| 担当者 | 福井聖、新井健一、丹羽英美 |
|---|---|
| 受診方法 | かかりつけ医から地域医療連携室を通じて、ご予約ください。 |
| 診療日時 | ※医師の担当日時(週・曜日)についてはこちらでご確認ください。 |
痛みとこころ
慢性の痛みが続くと身体の問題だけではなく、こころにもその影響が出てきます。痛みによって気持ちが落ち込んだり、コントロールできないぐらい不安になることは決して珍しくありません。逆に、このような気持ちの状態が身体の痛みを強めてしまうこともあると言われています。また、最近では色々なこころの病気が慢性の痛みに関係していることも分かってきました。そこで、私たちはこころと身体の両面から痛みを捉え、どのように対処できるかについて患者さんと話し合っていくことが治療の中心になると考えています。またこころに対する薬と痛みに対して使われる薬には重なりがあり、そのより良い使い方についても検討していきます。
| 担当者 | 西原真理、藤田貢平 |
|---|---|
| 受診方法 | かかりつけ医から地域医療連携室を通じて、ご予約ください。 |
| 診療日時 | ※医師の担当日時(週・曜日)についてはこちらでご確認ください。 |
神経障害性疼痛外来
神経障害性疼痛は、神経の障害によって生じる痛みで、しびれや灼熱感、電気が走るような痛みなど、さまざまな症状を伴います。一般的な痛みと比べて痛みの程度が強く、慢性化しやすいことが特徴です。原因により、脳や脊髄に由来する中枢性神経障害性疼痛(脳梗塞後疼痛、脊髄損傷など)と、末梢神経に由来する末梢性神経障害性疼痛(帯状疱疹後神経痛、糖尿病性神経障害、椎間板ヘルニア、手根管症候群、小径線維ニューロパチーなど)に分類されます。 神経障害は画像検査などで明確に捉えにくい場合も多く、診断には専門的な診察や検査が必要です。当外来では、詳細な評価を行い、必要に応じて関連専門科とも連携しながら診療を進めます。 治療は薬物療法に加え、神経ブロック、脊髄刺激療法(SCS)などを含め、患者さん一人ひとりの症状に応じた治療をご提案します。
| 担当者 | 寺嶋祐貴 |
|---|---|
| 受診方法 | かかりつけ医から地域医療連携室を通じて、ご予約ください。 |
| 診療日時 | ※医師の担当日時(週・曜日)についてはこちらでご確認ください。 |
足の痛み外来
当外来では足部・足関節を中心とした痛みに対しての治療を行います。痛みにより長期間歩けない/歩きにくいという状態が続くことは、運動能力の低下だけでなく、心肺機能の低下、さらには認知機能の低下をまねく事もあります。足部・足関節の痛みの原因を探り、様々な治療を通じて、日常生活の質の低下をふせぐとともにその改善を目指します。ここでは画像や生理機能的検査などを行いつつ、それらの検査で明らかな異常がない慢性疼痛に対しても集学的治療を行っていきます。
| 担当者 | 永井修平 |
|---|---|
| 受診方法 | かかりつけ医から地域医療連携室を通じて、ご予約ください。 |
| 診療日時 | ※医師の担当日時(週・曜日)についてはこちらでご確認ください。 |
がん疼痛緩和治療
当外来では、緩和ケアチーム、がん治療各科の医療者と連携し患者様の症状を丁寧に評価し、痛みの原因や部位に応じて、様々な神経ブロック治療のご提案やオピオイド鎮痛薬など薬物療法のコンサルテーション等致します。WHOがん疼痛(鎮痛)ラダーでは、治療早期から神経ブロック療法を考慮することが推奨されています。
神経ブロック治療の例:
- 交感神経ブロック:内臓の痛みに有効です。腹腔神経叢(内臓神経叢)ブロック、上下腹神経叢ブロック下腸間膜動脈神経叢ブロック、不対神経節ブロックなどがあります。
- 神経根ブロック(パルス高周波法): 特定の神経根が原因となる痛み(例:腰椎椎間板ヘルニアによる神経根痛、がんの神経根浸潤による痛み)に有効です。
- 知覚神経ブロック、末梢神経ブロック: 特定の神経支配領域の痛み(例:肋間神経痛など)に有効です。

| 担当者 | 福井聖、新井健一、丹羽英美 |
|---|---|
| 受診方法 | かかりつけ医から地域医療連携室を通じて、ご予約ください。 |
| 診療日時 | ※医師の担当日時(週・曜日)についてはこちらでご確認ください。 |
歯科・口腔顔面痛
口(歯や舌など)や顔(唇、顎など)に痛みがでる病気を、口腔顔面痛と呼びます。口や顔は神経系が複雑であり、一般的な歯科の治療では改善しないこともあります。当外来では、主にそれらの患者さんを中心に、歯科そして痛みの専門科として治療を行っています。この領域の痛みは、足が動かない、顔が変形する、などといった「目で見て分かる」症状が少ないため、他人に理解されず困っている方も多くおります。そのような部分も含めて、患者さんと一緒に進めていければと思っております。
| 担当者 | 西須大徳 |
|---|---|
| 受診方法 | かかりつけ医から地域医療連携室を通じて、ご予約ください。 |
| 診療日時 | ※医師の担当日時(週・曜日)についてはこちらでご確認ください。 |
気象関連痛(天気痛)、自律神経関連痛
頭痛や筋骨格系の慢性痛は天気の影響を受けて悪化する場合が多いことが知られています。また、自律神経の乱れが慢性痛に深く関与している事も分かっています。当専門外来は、このような気象関連痛、自律神経関連痛と呼ばれる病態の治療を行う専門外来として本邦で初めて開設されました。天気の崩れや季節の変わり目に悪化する慢性痛や、自律神経失調を伴う慢性痛に対し集学的治療を行い、良好な成績を獲得しています。
| 担当者 | 佐藤純 |
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| 受診方法 | かかりつけ医から地域医療連携室を通じて、ご予約ください。 |
| 診療日時 | ※医師の担当日時(週・曜日)についてはこちらでご確認ください。 |
痛み・歯科
頭頚部・上半身の長引く痛みには、口の問題が絡んでいることがあります。痛みの専門知識を持つ歯科医が口腔環境(咬合状態・顎関節運動状況.口腔悪習癖など)をチェックして、からだの痛みとの関係を調べます。痛みの改善、日常の生活を取り戻すために、運動療法や姿勢指導、心理教育など、多岐にわたる治療を提供します。
| 担当者 | 牧野泉 |
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| 受診方法 | かかりつけ医から地域医療連携室を通じて、ご予約ください。 |
| 診療日時 | ※医師の担当日時(週・曜日)についてはこちらでご確認ください。 |
臨床心理
適切な医学検査によって原因が見当たらないにもかかわらず続く痛みがあります。たとえば線維筋痛症や、舌痛症、幻肢痛など、各科の慢性疼痛治療を尽くされても強い痛みで悩まれている場合、痛みの経験や痛みに対する反応が心身において維持されている可能性があります。臨床心理外来では認知行動療法と臨床催眠を併用し、本来の鎮痛反応を回復し、自己催眠や自律訓練、瞑想などを身に着けて日常生活を取り戻すことをお手伝いいたします。
| 担当者 | 水谷みゆき |
|---|---|
| 受診方法 | かかりつけ医から地域医療連携室を通じて、ご予約ください。 |
| 診療日時 | ※医師の担当日時(週・曜日)についてはこちらでご確認ください。 |
看護外来
看護外来では痛みだけでなく患者さんの取り巻く環境の悩みを伺い、時には共に目標を考え、患者さんのQOL向上を目指す活動をしています。また「痛みと関係ないから」「こんなこと聞いていいのかな」など診察で聞くことがためらわれる時には看護師がお話を伺い、患者さんと医療者が同じ方向を向いて治療できるような援助を行っています。
| 担当者 | |
|---|---|
| 受診方法 | かかりつけ医から地域医療連携室を通じて、ご予約ください。 |
| 診療日時 | ※医師の担当日時(週・曜日)についてはこちらでご確認ください。 |
診療・治療実績
診療実績
| 内容 | 令和2年度 | 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | 令和6年度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 新規患者数 | 666人 | 717人 | 624人 | 638人 | 610人 |
| 再来患者数 | 8,895人 | 9,966人 | 9,843人 | 10,241人 | 10,453人 |
| 総患者数 | 9,351人 | 10,683人 | 10,467人 | 11,039人 | 11,299人 |
入院患者延べ数
| 内容 | 令和2年度 | 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | 令和6年度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 入院患者延べ数 | 577人 | 554人 | 406人 | 446人 | 339人 |
治療方針
診察
痛みに関する質問だけではなく、心理社会的背景にも配慮した多角的な質問票を使うことで、様々な側面から評価を行なっています。
看護師による医療面接では、答えていただいた質問票を元に、さらにお話を伺います。その中で患者さんが新たに思い出したり気づいたりすることを問診票に追加し、検査や治療選択のためより情報を充実させていきます。
検査
- 身体検査
- 運動機能評価(最大酸素摂取量、有酸素性作業閾値)
- 心理・精神的検査(HADS、MMPIなど)
- 痛み度測定(ペインビジョン など)
- 関節可動域測定
- 骨密度評価(DEXA法)
- 簡易神経機能検査(触覚、圧痛、電気的知覚)
- 精密神経機能検査(神経伝導検査、体性感覚誘発電位(SEP)、運動誘発電位(MEP)、筋電図など)
- 経頭蓋磁気刺激による電気生理検査法
- 画像検査(Plane XP、fMRI、Long XP(Long XPと併せて分析するシステムを構築)、RI検査(SPECT)、PET など)
- 心理検査
治療
- 運動療法・リハビリテーション・作業療法
- 薬物療法・漢方療法
- 心理療法(認知行動療法・催眠鎮痛)
- 神経ブロック
- 脊髄刺激療法(Spinal Cord Stimulation: SCS法)
- 静脈内局所麻酔法(Intravenous regional anesthesia: IVRA)
- 高周波熱凝固法(Radiofrequency thermocoagulation: RF法)
- パルス高周波治療(PRF):Neuromodulation
カンファレンス
- 週2回開催
受診を希望される方へ
- 完全予約制です
※かかりつけの医療機関から地域医療連携室までFAX(0561-65-0225)でお申し込みください。
慢性痛教室・ペインキャンプ
慢性痛教室
疼痛緩和外科・いたみセンターと運動療育センターで慢性痛の患者さんを対象とした「慢性痛教室」を開設しております。本教室は、痛みに対する知識、心理教育的側面からのアプローチと、自主的な身体運動を促す運動アプローチを併用し、集団的治療効果が期待されます。
これまでに17回開催し、延べ99名(平成28年3月末時点)の患者さんにご参加いただいております。ご興味をお持ちの方は疼痛緩和外科・いたみセンター主治医、または受付までご相談ください。
ペインキャンプ
ペインキャンプは生活や就労に制限・困難を期した主に若中年層の慢性疼痛患者を対象としています。 「痛みがあっても活動的な人生を送る」ことを目標に、医師をはじめとした医療専門職者らとともに種々の課題に取り組み、痛みに負けない身体づくりと、痛みや身体の不調に影響を与えるストレスへの適切な付き合い方を学び、自分自身で痛みへ対処する方法を習得することを目指した短期入院型のグループプログラムです。
からだを鍛える
理学療法士の指導による、各個人に合わせた徹底した筋力トレーニングと有酸素運動
こころを鍛える
・臨床心理士と行う、ストレスコーピングスキルの習得とリラクセーションの実践
・ヨガ専門インストラクターによる、マインドフルネス・ヨーガ体験

キーワード
学際的(集学的,総合的)な,各種診療科・職種による疼痛の緩和
関連リンク
連絡先
- TEL
- 外線:0561-62-3311(代表)





