新任教授のご紹介 高橋 伸典

高橋 伸典

患者さんの健康寿命を延ばす治療を提供していきます

高橋 伸典 (タカハシ ノブノリ)

整形外科 部長 令和4年11月1日就任

専門分野
  • 関節リウマチ
  • 膝関節
認定医・専門医
  • 日本整形外科学会専門医(2022年~専門医試験問題作成委員会,2018年~リウマチ委員会,2019年~PMS委員会,2023年~代議員)
  • 日本リウマチ学会専門医・指導医・評議員(2017年~リウマチ専門医資格認定委員会問題作成委員,2018年~PMS小委員会,2020年~学術集会プログラム担当員)
  • 日本臨床リウマチ学会評議員
  • 中部リウマチ学会評議員,日本軟骨代謝学会評員
  • 日本リハビリテーション医学会,日本関節病学
  • Orthopaedic Research Society, Active member
  • International Society for Hyaluronan Sciences, Member

診療についての抱負

進化を遂げる関節リウマチの薬物治療と人工関節置換術

整形外科には多くの専門分野があり,その中でも私は関節リウマチを専門としています。関節リウマチの治療は,関節が壊れていなければ薬物治療から行います。かつては痛み止めの類の薬剤が中心でしたが,1999年以降,現在の第1選択薬となっているメトトレキサートや,関節リウマチの炎症元の物質を狙い撃つ分子標的薬が使用されるようになってからは効果が劇的に向上しました。現在,メトトレキサートで30%,分子標的薬も使用すると70%の患者さんが臨床的寛解を達成することができます。しかし,薬物治療が奏功しないこともあり,その場合には人工関節置換術などの手術を行うことが必要です。現在では,薬物が効いていれば変形性関節症の患者さんと同じような手術が行えます。またかつては靭帯をすべて切除しなければならなかったのですが,炎症が抑えられていれば靭帯温存手術も可能です。これにより,関節のより自然な感覚を取り戻せるようになりました。さらに当院では支援ロボット「Mako(メイコー)」を用いた人工関節置換術が可能です。Makoでは術前から術中にかけての精密なプランニングおよび手術を行うことができ,患者さんへの負担を軽減することができます。

臨床と同様に基礎研究にも生涯をかけて取り組む

基礎研究にもやりがいを感じている私は,変形性関節症に関わる研究に取り組んでいます。変形性関節症の治療では,関節内にヒアルロン酸を注射しますが,どのようにして効果が発揮されるのか,はっきりしたことが分かっていません。そこに着目して以前,アメリカの大学で研究に取り組み,変形性関節症の患者さんはヒアルロン酸を受ける受容体の機能が低下していることを発見しました。こうした基礎研究は,その成果が世に広まることによって,より多くの患者さんを救える可能性があります。ですから,一生を通じて取り組んでいきたいです。私自身は臨床と基礎研究の両分野に取り組み,整形外科としては,目の前の患者さんの健康寿命を延ばす最善の治療を提供していきます。

学歴・職歴等

1997年 名古屋大学医学部医学科卒業
医師免許取得
愛知県厚生連安城更生病院研修医
1999年 愛知県厚生連安城更生病院整形外科常勤医師
2001年 国保坂下病院整形外科常勤医師
2002年 新生会第一病院整形外科常勤医師
2006年 名古屋大学大学院医学系研究科修了
名古屋大学医学部附属病院整形外科医員
2007年 外国留学(アメリカ,East Carolina University,Post-doctoral fellow)
2008年 博士(医学)学位取得(名古屋大学)
2009年 独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター整形外科リウマチ科常勤医師
2011年 名古屋大学医学部附属病院整形外科医員
名古屋大学医学部附属病院整形外科病院助教
2013年 名古屋大学医学部附属病院整形外科助教
2015年 名古屋大学医学部附属病院整形外科病院講師
2020年 名古屋大学大学院医学系研究科整形外科学/リウマチ学准教授
2022年 愛知医科大学医学部整形外科学講座教授
愛知医科大学病院整形外科部長

フォトアルバム

インタビュー

座右の銘は?

「和を以て貴しと為す」。整形外科は,一人では成り立たない診療科です。どの手術も基本的にはチームプレーになりますから,チームの和がなければ質の良い整形治療はできないと考えています。