〒480-1195 愛知県長久手市岩作雁又1番地1
患者さんに寄り添い,生活の質の向上を目指す
森 直治 (モリ ナオハル)
緩和ケアセンター 平成29年4月1日就任
外来担当日 | 火・木曜日 |
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専門領域 | 緩和医療・臨床栄養・消化器外科 |
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認定医・専門医 |
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診療についての抱負
座右の銘
多職種によるチーム医療で,より良い療養生活をサポート
緩和ケアは,療養の質や満足度などを高める比較的新しい医療です。これまでの医療は,治癒率の向上や生存期間の延長といった目標に向かって進歩してきました。一方で,治癒が望めない状態となった患者さんに対する医療は,十分なされてきませんでした。緩和ケアは,患者さん個々の価値観に寄り添い,つらさを和らげ,質の高い療養生活をめざします。
緩和ケアは,医師,看護師,薬剤師,臨床心理士,管理栄養士,医療ソーシャルワーカーなど多職種によるチーム医療で行います。患者さんのもつ苦痛(つらさ)は,痛みや息苦しさといった身体の苦痛にとどまらず,心のつらさや,栄養の問題,仕事,経済的な問題など,多方面にわたります。それぞれの職種が,特性を活かし,より良い療養生活のサポートをおこないます。
栄養サポートは緩和ケアの重要な要素です。抗がん治療の成績向上や,質の高い療養生活をおくる上で,栄養状態を良好に保つことが不可欠です。がん患者さんは一度,栄養状態が悪化すると,回復が難しいことが少なくありません。緩和ケアセンターでは,抗がん治療と平行して,栄養管理をはじめ,療養生活の様々なサポートを行います。
学歴・職歴等
昭和57年4月(1982年) | 東京慈恵会医科大学医学部 入学 |
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昭和63年3月(1988年) | 東京慈恵会医科大学医学部 卒業 |
昭和63年4月(1988年) | 大垣市民病院 研修医 |
平成1年4月(1989年) | 大垣市民病院 外科 医員 |
平成5年11月(1993年) | 国家公務員共済組合連合会 東海病院 外科 医員 |
平成7年4月(1995年) | 名古屋大学 第一外科 医員 |
平成8年4月(1996年) | 米国留学 ルイジアナ州立大学 メディカルセンター リサーチフェロー |
平成10年5月(1998年) | 名古屋大学 第一外科 医員 |
平成11年4月(1999年) | 磐田市立総合病院 外科科長 |
平成13年1月(2001年) | 博士(医学)学位取得(名古屋大学) |
平成14年11月(2002年) | 知多市民病院 外科部長 |
平成20年11月(2008年) | 知多市民病院 外科部長兼臨床栄養室長 |
平成23年7月(2011年) | 藤田保健衛生大学医学部 外科・緩和医療学講座 臨床准教授 |
平成29年2月(2017年) | 藤田保健衛生大学医学部 外科・緩和医療学講座 臨床教授 |
平成29年4月(2017年) | 愛知医科大学病院 緩和ケアセンター 教授 |
フォトアルバム
インタビュー
ご専門分野,ご研究内容について教えてください。
現在,緩和ケアと栄養サポートという医療の基本的な領域に取り組んでいます。緩和ケアチームを中心に症状緩和や療養生活の向上,そして良い人生であったと最期を迎えられるように緩和ケアの提供に努めています。
また,栄養サポートチーム活動を通じて,院内の栄養管理の質の向上に努めています。
研究面ではがんの悪液質やサルコペニアといった筋肉量,体蛋白量の減少を生ずる難治性栄養不良の病態解明や治療法の確立に取り組んでいます。
医師になられた動機は何ですか?
祖父の代から医師で,私で3代目です。幼少期から人の役に立つ医師になりたいと思ってました。
今の専門分野を志すことになったきっかけなどありましたら教えてください。
二十余年,消化器外科医として手術や抗がん治療に携わるなかで,がん患者さんの栄養管理の難しさに直面し「悪液質」という病態に興味を持ちました。緩和ケアチームでは短時間に患者さんの状態を把握し,症状を緩和する対応力が求められ,その基礎には腫瘍学や抗がん治療に関する知識はもとより,全人的な思考が必要です。日本における緩和ケアの歴史はまだ浅く,十分に浸透しているとは言えませんが,その普及,啓発にやり甲斐を感じています。
ご趣味や特技は何ですか?
中高と写真部でした。熱烈なApple ファン,ドラゴンズファンでもあります。大学は(準硬式)野球部で,10年くらい前までは野球をたまにやってました。現在は年に数回ゴルフをやるくらいです。
今後,愛知医科大学病院で目指されることや目標などを教えてください。
緩和医療,栄養管理と言う医学の基礎となる領域の浸透,向上を通じ,チーム医療,全人的医療が行われる体制づくりに尽力したい。
何か患者さんにアドバイスをお願いいたします。
緩和ケアは,かつては抗がん治療が無効となった時期から受けるものとされていましたが,現在では,がんと診断された時から受けるべきケアと考えられるようになりました。がんが見つかった早い時期から,手術や抗がん剤治療などの,がんの治療と並行して緩和ケアのサポートを受けると,生命の延長や生活の質の向上が見られることが明らかとなり,早い時期から緩和ケアを受けることが,推奨されるようになっています。