新任教授のご紹介 宮地 茂

宮地 茂

脳血管内治療のエキスパート

宮地 茂 (ミヤチ シゲル)

脳血管内治療センター 平成29年11月1日就任

外来担当日 水曜日

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専門領域 脳血管内治療(カテーテル治療)・脳血管障害
認定医・専門医
  • 日本脳神経外科学会専門医・代議員
  • 日本脳神経血管内治療学会第24回学術集会会長・理事・指導医
  • 日本脳神経外科救急学会理事
  • 日本心血管脳卒中学会幹事
  • 日本脳卒中学会専門医・評議員
  • World Federation of Interventional and Therapeutic Neuroradiology(WFITN)(Executive committee執行委員)
  • AAFITN第10回学術集会会長・現President
  • 厚生労働省緩和ケア講習会修了

診療についての抱負

座右の銘

座右の銘

寝たきりにさせない治療,脳卒中にさせない治療

脳血管内治療とは,
脳血管内治療は,痛んだ脳血管をカテーテルで修繕する治療法です。脳神経外科治療の一翼を担うものですが,対峙するものではなく,補完する立ち位置にある治療オプションです。本邦では脳神経外科医が主として担当してきましたが,最近は内科からもこの治療の習得希望者が増えており,門戸を広げた普及を目指しています。

我々のモットー
1)寝たきりにさせない治療

高齢化に伴い心房細動などの不整脈が急増する中で,DOACなどの画期的な抗凝固剤が登場してきても,まだ血栓が脳に飛んで重篤な症状を引き起こす脳塞栓症はなくなりません。発症後超早期にカテーテルを血管の中に入れ,血栓を根こそぎ取り除く「血栓回収療法」が普及し,当院でも積極的に取り入れています。これにより8割以上の患者さんの再開通に成功し,4割近くの人が元の生活に戻れるようになっています。
2)脳卒中にさせない治療
出血性脳血管障害の中でも死亡率が5割という最も恐ろしい脳卒中であるクモ膜下出血は,ほとんどが脳動脈瘤の破裂で起こります。未破裂脳動脈瘤に対する破裂予防治療として,最近は低侵襲のコイル塞栓術の需要が急速に伸びています。また大型瘤に対して細かいメッシュの筒であるフローダイバーターを用いた最新の画期的治療も当院では可能です。このほか,頸動脈狭窄に対するステント留置術,脳動静脈シャント疾患に対する塞栓術などにも積極的に取り組んでいます。

エキスパートによるオールラウンドな治療
当センターには2017年11月から最新の脳血管撮影装置が稼働し,新進気鋭の大島准教授を迎え,チームとしてすべてのジャンルの脳血管内治療に対応していきます。これまでの経験を生かし(下図),安全で最良の治療を提供し,愛知県の中心的存在としてアピールしてまいります。また実臨床のみならず,将来を見据えた次世代の治療についても積極的に取り組んでおり,医工連携を軸とした新しい機器の開発,さらに後進の教育などにも力を入れていきたいと思っております。

学歴・職歴等

昭和52年4月(1977年) 名古屋大学医学部医学科 入学
昭和58年3月(1983年) 名古屋大学医学部医学科 卒業
昭和58年4月(1983年) 名古屋掖済会病院 臨床研修医
昭和58年6月(1983年) 医師免許取得
昭和63年6月(1988年) 名古屋大学医学部附属病院 非常勤医員
平成3年12月(1991年) 豊橋市民病院 医長
平成4年1月(1992年) 博士(医学)学位取得(名古屋大学)
平成5年8月(1993年) フランス留学 ナンシー大学 神経放射線科
平成6年7月(1994年) 名古屋掖済会病院 医長
平成9年5月(1997年) 名古屋大学医学部 脳神経外科 助手
平成11年4月(1999年) 名古屋大学医学部大学院医学系研究科 脳神経病態制御学 助教授
平成19年4月(2007年) 名古屋大学医学部大学院医学系研究科 脳神経病態制御学 准教授
平成26年4月(2014年) 大阪医科大学脳神経外科 非常勤講師
平成26年7月(2014年) 大阪医科大学脳神経外科 ・脳血管内治療科 准教授(脳血管内治療科長)
平成29年4月(2017年) 愛知医科大学病院 脳血管内治療センター 教授(特任)
平成29年11月(2017年) 愛知医科大学病院 脳血管内治療センター 教授

診療実績

脳血管内治療経験症例数(指導症例を含む)1996-2017

フォトアルバム

インタビュー

ご専門分野,ご研究内容について教えてください。

本職は脳神経外科医ですが,その中で脳血管内治療という,カテーテルを使って脳の血管の病気を治療する手術法を専門としています。脳動脈瘤に対する塞栓術や脳血管の狭窄に対するステント留置術などがメインですが,脳動静脈奇形,硬膜動静脈瘻などの動静脈シャント疾患や急性期の脳虚血性疾患についても積極的に治療しており,幅広いレパートリーがあります。

医学研究の魅力とは何ですか?

最も大きいのは,新しい治療法の開発によって,治療の幅が広がり,質が向上し,その恩恵を受けられる患者さんが増えることです。また,病気の原因や有害事象が起きる原因を追求することで,より安全で有用な治療ができるように貢献できることも大きな喜びだと思います。

今の専門分野を志すことになったきっかけなどありましたら教えてください。

卒業してローテーションで最初に回った科が脳神経外科であり,鮮烈な印象があったことだけで決めました。もともと人の生命に直接関わるような重いspecialtyは敬遠気味でしたが,「お前にはそれが合っている」という先輩の先生の強い後押し(企み?)に乗せられてその気になってしまいました。でも今は全く後悔していませんし,むしろ助言に感謝しています。

今までで嬉しかった研究や治療の成果,エピソードなどがありましたら教えてください。

最初に研究で嬉しかったのは,自分の学位論文が神経放射線のYear Book に掲載されたことです。海外との距離が近くなったような気がしました。その後指導的立場になってから,脳血管内治療学会で教え子が10年連続で優秀論文や優秀発表賞を受賞しました。彼らの努力の賜物ですが,我々のチームの方向性を評価してもらえたのは大変な喜びです。一方,外科系の医師であれば誰しも経験するでしょうが,手術によって苦痛の日々から解放され,がらりと生活が変わった人から,本当に心のこもった感謝をいただいた時にはこちらも一緒に感動しますし,医者冥利に尽きると感じます。

何か患者さんにアドバイスをお願いいたします。

脳の血管の病気は突然やってきます。やってこないように日頃から節制して,気をつけておくことが予防には最も大切です。でも,もう予備軍を持っていたり,症状が出始めていたりしたらどうしましょう。「すぐ手術」という前に,あなたにとって一番良い方法は何かを一緒に考えましょう。時には本当に緊急を要することもあります。でも治療リスクを考えると,何も手をつけないほうがむしろいい場合もあります。
私は,大局的(グローバル)な視点とバランス感覚を持って診療,治療にあたることが最も大切と考えています。「年の功」により培われた知識,技術(スキル),センスをフルに動員して,それを一人でも多くの人に役立てられるように努力します。
病気になってお越しいただくことを願っては不謹慎ですが,心配な方はいつでもお越しください。