教授のご紹介 加納 秀記

加納 秀記

病院前医療と災害医療に献身し,地域に貢献していきます

加納 秀記 (カノウ ヒデキ)

救急診療部部長 令和2年1月1日就任

専門領域
  • 救急・集中治療
認定医・専門医
  • 日本救急医学会 救急科専門医
  • 愛知県災害医療コーディネーター
  • 日本病院前救急診療医学会 評議委員
  • 社会医学系専門医 指導医
  • 病院前救護統括指示医師

診療についての抱負

患者さんにとって一番必要なことを見極める

愛知医科大学病院は,ドクターヘリを有する高度救命救急センターとして病院前医療・災害医療から集中医療までを担い,地域のみならず愛知県の救急・災害医療を牽引しています。救急診療部では,ドクターヘリや救急車による病院前医療と災害医療,および研修医や救急隊の教育も兼ねて担当しています。病院前医療については,救急車で患者さんが年間約7000回運ばれてきます。その患者さんの容態を見て,私たちにできる治療を行い,専門の科へとつないでいくのが役割です。私が日頃から心掛けているのは,目の前の患者さんにとって何をしてあげることが一番必要なのかを見極めることです。これだけ高齢社会が進んでくると,患者さんの治療が済んだらそれで終わりということにはなりません。地域の病院とも連携し,術後の経過観察やリハビリをお願いするといったことまで含めて対応していきます。災害医療については,これまでに東日本大震災や熊本地震,北海道胆振東部地震の被災地や,最近ではコロナ禍のダイヤモンド・プリンセス号でも医療支援活動を行ってきました。私たちのチームが被災地などの現場に入り,各地から応援に駆けつけた他のメンバーと連携して混乱している医療を立ち直らせ,その地域の医療につなげていくことに力を尽くしています。こうした災害医療に注力しているのは,現場で必要なことがわかるからこそ,私たちにできることをやらなければいけないという使命感かもしれません。

心臓外科医の経験が救命救急に生きている

私が本格的に医師になろうと思ったのは学生時代です。アメリカンフットボール部の後輩が両足をつった時に,その対処をしたものの治らなくて悔しい思いをしました。今なら熱中症で脱水状態だったとわかりますが,人を助けるにはしっかりとした知識を身につけていなければいけないと痛感しました。その経験があって医者を目指そうと思いました。私はもともと心臓呼吸器外科医でしたが,藤田保健衛生大学の救急科の立ち上げに参加したことがきっかけで救急医療がライフワークになりました。心臓外科医から救命救急へと大きく方向転換をしたわけですが,心臓外科医は緊急手術や手術中に患者さんの容態が急変するということがあり,そうした生死の境の現場に幾度も立ち会ってきた経験が救命救急において非常に生きていますし,私の強みになっています。心臓外科医時代の恩師から「患者さんにとって最も良い選択をしなさい」と指導していただいたことが医療従事者としての私のベースになっています。

学歴・職歴等

1990年 藤田学園保健衛生大学医学部 卒業
医師免許取得
藤田保健衛生大学病院 研修医(胸部外科)
1996年 藤田保健衛生大学大学院医学研究科 修了
藤田保健衛生大学医学部 研究員(胸部外科)
1997年 博士学位(医学)取得
豊橋市民病院 心臓血管呼吸器外科(医員)
1999年 藤田保健衛生大学 胸部外科(定員外講師)
2000年 藤田保健衛生大学 救急部/救急総合診療部(講師)
2010年 藤田保健衛生大学 救命救急医学講座(講師)
2011年 藤田保健衛生大学 地域救急医療学(寄付講座)(准教授)
2016年 愛知医科大学病院 救命救急科 特任教授
2017年 愛知医科大学病院 救急診療部 部長
2018年 愛知医科大学 災害医療研究センター センター長
2020年 愛知医科大学病院 救急診療部 教授

フォトアルバム

インタビュー

座右の銘は?

「今頑張らずにいつ頑張る」これが私の中で大事にしている言葉です。日々仕事をしていくなかで,しっかりやっているかどうかを自分に問いただし,気持ちを引き締め直す戒めの言葉になっています。 患者さんへの対応はもちろん,研修医の教育などを含め,今の私にできることを常に全力でやらなければいけないと思っています。

患者さんへのメッセージをお願いします

救急車やドクターヘリによる病院前医療は,地域貢献としても非常に重要な役割を担っています。当大学病院内の各診療科との連携はもちろんこと,地域の救急隊や消防署,医療機関とも連携し,より安全でより良い医療を提供していきます。 何か心配なことがあった時には,まずはかかりつけの医療機関にご相談いただくのが安心だと思いますが,そこで対応できない時や緊急時には救急診療部が対応いたしますのでぜひご相談ください。