〒480-1195 愛知県長久手市岩作雁又1番地1
人にとって大切な機能の治療に最善・全力を尽くします
藤本 保志 (フジモト ヤスシ)
耳鼻咽喉科部長 令和2年4月1日就任
外来担当日 | 火・金 |
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専門領域 |
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認定医・専門医 |
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診療についての抱負
患者さんへの負担が軽い治療の拡充に注力
耳鼻咽喉科では,嗅覚,視覚,聴覚,味覚,そして呼吸,嚥下,発声などの生存に欠かせない機能を担当する部位の疾患と正面から向き合っています。その中でも私は,頭頸部癌の治療と嚥下障害の治療,この二つを専門領域としています。頭頸部癌全体では3200例以上の手術に携わってきました。 頭頸部癌の治療については,形成外科と組んで,進行・拡大してしまった腫瘍を確実に除去する拡大手術と,飲み込んだり,話をしたりすることができるように喉頭機能をできるだけ残す機能温存手術法を開発してきました。 さらには消化管内科と協力して内視鏡下の低侵襲手術にも取り組んできました。頭蓋底悪性腫瘍の治療では,脳神経外科,形成外科とのチームが基本です。 各専門領域の知識と技術を駆使し協力して手術を行うことで,かつては切除不可能であった非常に難易度の高い部位の腫瘍を完全に取り除くことができるようになり,これまでに150例以上取り組んできました。 そこから対応領域をさらに広げ,食べ物を上手に飲み込めない嚥下障害の治療にも取り組むようになりました。 嚥下障害の訓練法や評価法を開発してきましたが,外科治療についても咽頭癌の内視鏡手術を応用して,非常に低侵襲な内視鏡的輪状咽頭筋切断術という術式により,安全に治療を行うことができています。 そういった,患者さんへの負担が軽い治療に今後も力を入れていきます。耳鼻咽喉科は,見る,聞く,話す,食べるなどの人にとって大切な機能を扱う診療科ですから,そういった機能に悩みを持っている方に寄り添える専門医の育成に努めていきたいと思っています。
頭頸部外科はやりがいが大きい
私は父が耳鼻咽頭科医だったのでその分野に進むことを自然に意識していました。耳鼻咽頭科医を志す気持ちが強くなったきっかけは,学生の時に,癌によって顔の半分が欠損してしまった上顎癌患者さんと出会い,大きな衝撃を受けたことです。 当時はなす術なしと言われていたのです。小牧市民病院の研修医になってから,頭頸部の癌を治そうと尽力している先輩医師と出会い,その後,愛知県がんセンターのレジデントになり,頭頸部外科の領域にのめり込んでいくことになりました。 嚥下障害の研究については,そのレジデント時代に舌癌・咽頭癌術後嚥下障害の研究を担当したことがきっかけですが,ライフワークになるとは思ってもいませんでした。私は外科系で一番興味深いのは頭頸部外科だと思っています。
学歴・職歴等
1990年 | 名古屋大学医学部医学科卒業 医師免許取得 小牧市民病院 研修医 |
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1991年 | 小牧市民病院耳鼻咽喉科 |
1992年 | 名古屋大学医学部附属病院 医員(耳鼻咽喉科) |
1993年 | 愛知県がんセンター病院 レジデント(頭頸部外科) |
1995年 | 愛知県がんセンター病院 医長(頭頸部外科) |
2001年 | 愛知県がんセンター研究所 疫学・予防部兼務 |
2002年 | 名古屋大学医学部附属病院 助手(耳鼻咽喉科) |
2005年 | 名古屋大学医学部附属病院 講師(耳鼻咽喉科) |
2007年 | 博士(医学)取得 |
2011年 | 米国 University of Pennsylvania,Otorhinolaryngology Head and NeckSurgery 長期出張(Prof. G. Weinstein) |
2016年 | 名古屋大学大学院医学系研究科 准教授(頭頸部感覚器外科学講座言語認知医学・耳鼻咽喉科) |
2018年 | 名古屋大学医学部附属病院 診療教授(耳鼻咽喉科) |
2020年 | 愛知医科大学耳鼻咽喉科学講座 教授 |
フォトアルバム
インタビュー
座右の銘は?
「教科書を疑え」この言葉を講演や講義でスライドの最後に好んで使ってきました。愛知県がんセンター勤務時代に,進行した癌なら患部の機能は残せないと常識的に言われていたことが,次々と変わっていったのです。新しい医療技術が教科書を塗り替えていくその様を目の当たりにしてきた経験が私のモチベーションになっています。
患者さんへのメッセージをお願いします
食べる,飲む,香りを嗅ぐ,味わう,話をする,歌う,聞く,呼吸する。人が生きていくうえで欠かせない基本的な機能に関わる治療が耳鼻咽喉科の担当領域です。 もしも聴力や音声,嚥下(飲み込み)などの機能に何か違和感を覚えたら,そのままにしておくのではなく,どうぞ愛知医科大学病院に来て診察を受けてください。 例えば癌については,飲み込む時に喉が痛むとか,声が擦れる,あるいはお顔や首のしこりが気になるといったことがあったら,それは病気の初期症状の可能性があります。 疾患の早期発見は早期解決につながりますので,お気軽に相談していただけたらと思います。