乳腺撮影を受けることになりました。 どのような検査ですか?

乳腺撮影を受けることになりました。 どのような検査ですか?

マンモグラフィ撮影装置

マンモグラフィ撮影装置

乳房専用の装置を使ったX線撮影検査で,マンモグラフィと呼ばれます。早期の腫瘤や微細な石灰化などを写し出すことができますので,乳がん検診や精密検査の一環として用いられています。
乳房を板で直接挟み圧迫を加えて撮影します。これは,乳房をより薄く押し広げた状態にする事で乳腺内に隠れた微細な病変を見つけるためです。また,撮影に伴う放射線の被ばく線量低減にもつながります。乳房の厚みを薄くすることで,被ばく線量をより少なくすることができます。
当院で使用している装置は,日本医学放射線学会が定めた基準を満たしているものです。また,日本乳がん検診精度管理中央機構の「マンモグラフィ検診施設・画像認定」を取得しています。さらに,マンモグラフィ撮影認定資格を持つ女性の診療放射線技師が担当していますので,安心して検査を受けることができます。

どれくらい時間がかかるの?

検査室へ入室してから退室まで15分程度です。
撮影の前に検査内容のご説明をさせていただきます。検査は,両側の乳房をそれぞれ2方向撮影するのが標準です。

 

マンモグラフィ(CC)

 

マンモグラフィ(MLO)

どうして圧迫するの?

装置の圧迫板で圧迫する理由は,乳腺との重なりをなくし,より病変をはっきりと写すためです。圧迫が不十分だと,乳腺が重なってしまい,乳腺内に存在する小さな腫瘤や微細な石灰化病変を発見することができません。
また,圧迫することで乳房全体が薄くなるため,被ばく線量を減らすことにもつながります。

2方向撮影するのはなぜ?

検診のマンモグラフィ検査では乳房全体を写す内外斜位方向(MLO)を撮影しますが,30~40歳代の乳腺は,50歳以上の乳腺と比較すると乳腺密度が高いため,より正確にがんを発見するために内外斜位方向では写りにくい乳房内側を写す頭尾方向(CC)を追加撮影します。
当院では検診を除き,全症例において2方向撮影と通常のマンモグラフィ撮影に加えてトモシンセシス撮影も行っています。
トモシンセシスとは角度を変えて多方向から撮影し,その画像を再構成して乳房の断層画像を表示できる機能です。この断層画像は,収集した画像データを1 mm毎のスライスで再構成しているため,従来のマンモグラフィでは乳腺との重なりで見つけにくかった病変をトモシンセシスによって容易に発見することが可能になります。トモシンセシスは1回の圧迫で通常のマンモグラフィと同時に撮影できるため,乳房の圧迫による負担が増えることなく,より正確な診断が可能です。

いつから検診を受ければいいの?

市区町村で実施される乳がん検診は40歳以上を対象としており,2年に1回の受診が推奨されています。
しかし,30歳代でも乳がんになる可能性は十分にあります。乳房の異常に早く気がつけば乳がんは治りやすい病気です。早期発見であれば,約90%以上が治癒するので,早めに検診を受けましょう。

検査を受けるときの注意

  • 装置の圧迫板で乳房を挟み込んで撮影させていただきます。圧迫する時に多少の痛みが伴いますが,より正確な診断の為に,ご理解とご協力をお願いします。
  • 検査時,担当する診療放射線技師が患者さんの了解をいただいた上で乳房に触れさせていただきます。
  • 着衣が画像に写り込み,撮り直しになる可能性があるため,脱衣していただきます。また,頭髪が写る可能性があるため,一つに束ねて頂くことがあります。
  • ペースメーカーが入っている方や,豊胸手術をされている方は事前にお知らせください。
  • 撮影はマンモグラフィ撮影認定資格を有した女性技師が丁寧に対応いたします。何かご不明な点がありましたら,遠慮なくご質問,ご相談ください。

マンモグラフィ検診施設・画像認定

マンモグラフィ検診施設画像認定証

日本乳がん検診精度管理中央機構から「マンモグラフィ検診施設認定」を取得しております。