お薬相談コーナー

よくあるご質問

エアータイプの吸入薬はどのようにつかえばいいですか?

以下を参考にしてください。

吸入薬の使い方

吸入薬とは

お薬を吸い込むことで,気管支や肺に直接作用させるお薬です。少量のお薬を気管支や肺に直接作用させるため,全身への副作用が少ない事が特徴です。
お薬によって使用目的が異なりますので,正しく使用してください。
吸入器の使い方については,お薬に付いている説明書をお読みください。

吸入薬の役割について

吸入薬には,症状がなくても毎日規則正しく使うお薬(長期管理薬,コントローラー)と,発作が起きた時だけ使うお薬(発作治療薬,リリーバー)があります。

長期管理薬
気道の炎症を抑えたり,気管支を長時間広げて,発作を予防するためのお薬です。
発作治療薬
発作が起こった時に速やかに症状を和らげるためのお薬です。

代表的な5種類のお薬について説明します。

(1)吸入ステロイド薬(キュバール®,フルタイド®,パルミコート®,オルベスコ®,アズマネックス®)
  • 気道の炎症を抑えたり,喘息の悪化を防ぐための長期管理薬です。
  • 発作がなくても,毎日規則正しく吸入することが大切です。効果が現れるまでに1~2週間かかります。発作時に吸入しても,発作を鎮められません。
  • 口の中などにお薬(ステロイド)が付着すると,副作用(しわがれ声,のどの痛み,口内炎など)が起こりやすくなるため,副作用予防として,吸入後必ずうがいを行ってください。
(2)長期間作用型β2刺激薬(セレベント®,オンブレス®)
  • 気管支を長時間広げ,発作を予防するための長期管理薬です。
  • 発作がなくても,毎日規則正しく吸入することが大切です。発作時に吸入しても,発作を鎮められません。
(3)吸入ステロイド薬と長期間作用型β2刺激薬の配合剤(アドエア®,シムビコート®)
  • 気道の炎症を抑えるお薬と気管支を長時間広げるお薬の2種類が混ざっている長期管理薬です。
  • 発作がなくても,毎日規則正しく吸入することが大切です。発作時に吸入しても,発作を鎮められません。
  • 1日2回吸入の場合は,12時間以上間隔をあけて吸入してください。
  • ステロイド薬の副作用予防のため,吸入後は必ずうがいをしてください。
(4)抗コリン薬(スピリーバ®)
  • 気管支を長時間広げ,発作を予防するための長期管理薬です。
  • 発作がなくても,毎日規則正しく吸入することが大切です。発作時に吸入しても,発作を鎮められません。
  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療で使用されることが多いお薬です。
(5)短期間作用型β2刺激薬(メプチン®)
  • 吸入後,速やかに気管支を広げ,発作を鎮めるための発作治療薬です。
  • 発作の始まり(咳が出る,のどがヒューヒュー鳴るなど)や,発作がひどくなる前に吸入すると効果的です。
  • 発作時の乱用は危険です。1回の吸入量を守りましょう。決められた回数を使用しても,発作が治まらない場合は,直ちに医師の診察を受けてください。

吸入器の種類について

吸入器の形状によって,エアゾール吸入薬ドライパウダー吸入薬に分けられます。吸入器の種類は,患者さんの状態や,使いやすさなど個々に合わせて選ばれます。

エアゾール吸入薬
霧状のお薬を噴霧させ,お薬が出るのと同時に吸い込みます。発作などで吸う力が低下している時でも使用しやすいという長所がありますが,お薬の噴霧と吸入のタイミングを合わせる必要があります。うまく吸えないときにはスペーサー(吸入補助具)があるので,医師や薬剤師にご相談ください。
ドライパウダー吸入薬
粉末のお薬を専用の吸入器で吸い込みます。お薬の噴霧と吸入のタイミングを合わせなくてよいという長所がありますが,吸う力が低下している場合には使用することが難しいという短所があります。

注意事項

喘息は発作を起こすことで,次の発作を起こしやすくするという悪循環があります。次の発作を起こさないために,積極的な予防を長期間続けることが大切です。自分の判断で使用をやめると,喘息の症状が悪くなることがありますので,必ず医師の指示に従ってください。