お薬相談コーナー

薬を水なしで飲んだり，横になったまま飲んだりすると，薬が食道にひっかかって食道炎や潰瘍を引き起こすことがあります。特にカプセル剤は外側がゼラチンでできておりひっかかりやすいので，できるだけ身体を起こし，十分な水と一緒に飲むようにしましょう。最近では水なしで飲める薬もありますが，特に胃の弱い方はぬるま湯で飲むと，刺激が少なく飲みやすいでしょう。
錠剤やカプセルは必ず包装から取り出して飲みましょう。硬い包装が食道に突き刺さることがありますので，包装のまま飲んではいけません。

水以外の飲料に含まれる成分（お茶：タンニン酸，ジュース：酸，牛乳：カルシウム，など）は，薬の成分と結合したり分解させたりして，薬の吸収や効き目を悪くさせることがあります。基本的には水以外の飲料と一緒に飲むのは避けましょう。また，アルコールは薬の作用を強め，副作用が現れやすくなりますので，薬をお酒と一緒に飲まないでください。同じくアルコールを含むドリンク剤や健康酒にも注意しましょう。

以前は，鉄剤の中の鉄分がお茶に含まれるタンニン酸と結合して，吸収されにくい形になってしまうので「鉄剤とお茶を一緒に飲んではいけない」と言われていました。しかし今では，鉄分の不足している人は鉄分を吸収する力が高まっているので，お茶と一緒に飲んでもタンニン酸の影響はあまりないとされています。鉄剤をお茶と一緒に飲んでもかまいませんが，基本的には薬は水で飲むようにしましょう。