臨床工学部

公益社団法人日本臨床工学技士会<br>オリジナルマスコット 『シープリン』

公益社団法人日本臨床工学技士会
オリジナルマスコット 『シープリン』

当院では平成4 年4 月1 日に臨床工学部が設置されました。
当初,循環器・代謝・呼吸器・医療機器管理の4部門にわけ,専門の知識や技術を患者さんの治療に生かせるようにしてきました。現在は,呼吸器と医療機器管理を統合し,医療機器管理部門としています。
医療機器の取り扱いには専門的な知識が必要であり,医師・看護師だけでは扱いにくい装置があります。特に,臨床工学技士が操作する生命維持管理装置は,より安全な治療のために様々な安全装置が付属され複雑化してきています。こういった装置の操作及び保守管理していくのが私たちの仕事となっています。
病院で日常的に使用される輸液ポンプやシリンジポンプなど各種医療機器を,日常・定期点検を行い,安心して使用できる医療環境を作ることも我々の仕事です。さらに医療機器の使用法や注意事項などの講習会を医師や看護師へ開催するなど,そのお手伝いさせていただいています。
このように安全に使用できる医療機器を提供することや直接的に操作することで高度医療に貢献しています。

ごあいさつ

部長 福井高幸

部長 福井高幸

臨床工学は,現代医療の進歩・最新治療の実行において不可欠な役割を果たしています。
私たち臨床工学部は,医療機器の管理,保守,改善に精通し,患者さんが安全に診療を受けることができることよう目を配り,患者さんの快適さを確保するようにしています。また,最新の技術を駆使し,高品質かつ効率的な医療サービスを提供するために日夜努力しております。
さらに,私たちの使命に共感いただき,私たちと協力し,医療の未来を共に築いていただける仲間を歓迎します。質問やご要望もお気軽にお知らせください。
このホームページでは以下,臨床工学部の役割や活動,最新のプロジェクトについて詳しくご紹介しています。どうかご覧下さい。

業務案内

臨床工学技士とは、厚生労働大臣の免許を受けて「医師の指示の下に,生命維持管理装置の操作および保守点検を行うことを業とする者」をいいます。生命維持管理装置とは,人の呼吸,循環又は代謝の機能の一部を代替し,又は補助することが目的とされている装置をいいます。具体例としては,人工呼吸器,人工心肺装置,血液浄化装置,体外式ペースメーカ,補助循環装置などがあります。(臨床工学技士法条文より抜粋)

心臓カテーテル業務

【概要】
CAG での外回り業務,冠血流予備量比(FFR)や,右心カテーテル検査では測定,及び記録を行っています。
PCI では血管内エコー(IVUS)や光干渉断層法(OCT)などの操作をはじめ,ロータブレーター,大動脈内バルーンパンピング(IABP),体外式膜型人工肺(ECMO)の操作も行っています。

  2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年
CAG 789件 550件 608件 581件 631件 677件
PCI 298件 241件 283件 260件 306件 349件
緊急PCI 125件 96件 96件 130件 131件 142件
Rota 10件 1件 15件 11件 6件 7件
OAS - 10件 11件 7件 3件 10件
IVL - - - - 41 22件
IABP 41件 19件 37件 26件 25件 34件
V-A ECMO 20件 21件 14件 17件 18件 18件
V-V ECMO 2件 4件 8件 2件 2件 2件
Impella 7件 5件 6件 13件 16件 18件

人工心肺業務

【概要】
人工心肺とは,心臓や大血管に対しての手術において(生体の)心臓と肺の機能を人工的に代行し血液循環を維持する生命維持管理装置です。
臨床工学技士はこの装置を用いて(心臓)手術中の操作・管理を行っています。
また,患者さんの負担を軽減することを目的にとした低侵襲心臓手術(MICS)や,2017年より経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI),2023 年より経皮的僧帽弁クリップ術(MitraClip)にも対応しています。

  2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年
症例数 147例 154例 150例 141例 179例 196例
On pump症例 106例 126例 119例 114例 119例 128例
Off pump症例 22例 12例 3例 8例 12例 9例
TAVI 19例 16例 28例 19例 42例 50例
Mitra Clip - - - - 6例 9例


腎代替療法業務(総合腎臓病センター業務)

【概要】
総合腎臓病センターでは、血液透析業務や腹膜透析業務などの腎代替療法業務、血漿交換や血漿吸着などのアフェレシス治療業務を行っています。
また、透析関連機器の保守点検・シャントエコー・体水分量測定も行っています。

  2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年
PE(膜分離) 30回 42回 43回 23回 40回 45回
PE(遠心分離) 9回 13回 42回 32回 34回 18回
SePE 0回 0回 0回 3回 13回 19回
DFPP 84回 116回 78回 44回 16回 34回
DFPP(クライオ) 35回 5回 0回 0回 4回 0回
IAPP 12回 29回 29回 35回 19回 41回
CART 52回 43回 57回 32回 43回 24回
GCAP 80回 142回 85回 79回 91回 131回
LDL-A 0回 3回 0回 13回 23回 0回
レオカーナ - - - - 46回 62回
合計 302回 393回 334回 261回 329回 374回


集中治療業務

【概要】
当院は高度救命救急センターとドクターヘリを有しております。当院臨床工学部の関わりとして,集中治療領域では重症患者を管理するにあたり,人工呼吸器をはじめ,持続的血液濾過透析療法や血漿交換療法,エンドトキシン吸着+血液透析濾過療法,補助循環装置(ECMO・IABP)などの対応を行い,当部では緊急時に対応するため当直体制を設けています。

【業務内容】
診療支援業務:生命維持管理装置(血液浄化,補助循環,呼吸器管理,人工膵島など)の操作および保守点検業務を通じ,診療の支援を行っています。
機器管理業務:ICU で活用するME 機器の保守管理業務を行い,安全で質の高い医療サービスを提供し,また,医師や看護師など他医療スタッフや学生へのME 機器教育を通じて医療事故発生の防止に努めています。


医療機器管理部門

【概要】
医療の発展,機器の高度化により『質』のみならず医療の安全が強く求められる中,院内にある数千台にも及ぶ医療機器が適正かつ効率的に使われるよう,管理・点検を行っています。
近年医療機器の専門家として,臨床現場への技術提供を目的としています。

【業務内容】
・ME機器の使用後点検,定期点検,修理
・院内医療機器のトラブル対応
・ME機器の操作方法とその指導
・臨床現場における医療機器操作
医療安全活動を通じて医療事故防止に努めています。

  2021年 2022年 2023年 2024年
輸液ポンプ 9592件 11452件 10810件 9678件
シリンジポンプ 7153件 8475件 8680件 9020件
人工呼吸器 2389件 2162件 2493件 3944件
除細動器(AED含む) 729件 752件 722件 709件
ECMO 25件 27件 23件 18件
IABP 36件 24件 30件 22件
Impella 0件 13件 17件 18件


手術室

【概要】
中央手術部チームの一員として,当院理念である社会の信頼に応えうる医療機関の考えに貢献できるよう努めています。また,医療機器・設備の専門家として,全ての診療科,メディカルスタッフの皆様に安全な手術室を提供することが,患者さんへの安全・安心につながるものと考えています。

2024年(手術対応数)
呼吸器外科 消化器外科 整形外科 泌尿器科 産科・婦人科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 腎移植外科 眼形成・眼窩・涙道外科 脳神経外科 心臓外科 血管外科 その他診療科
264件 949件 170件 604件 254件 286件 25件 192件 178件 199件 59件 23件


植込みデバイス関連業務

【概要】
植込みデバイス手術での臨床業務。ペースメーカを植込みされた方の外来での定期的なフォローアップ。自宅での遠隔モニタリングの運用を実施しています。
また,MRI や手術時などの設定変更が必要な際の介助も行っています。

  2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年
新規埋込 68件 59件 60件 44件 78件 88件
電池交換 44件 28件 45件 21件 36件 31件
合計 112件 87件 105件 65件 114件 119件


EPS・ABL

【概要】
電気生理検査(EPS)におけるLab Systemの操作や3D Mapping装置の操作,清潔操作を主として行っています。
また,クライオアブレーションやパルスフィールドアブレーションなど様々な装置の操作も行っています。

  2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年
症例数 225件 249件 192件 225件 223件 241件

取得資格・学会実績

取得資格

資格名(認定団体)
透析技術認定士(透析療法合同委員会)
透析液水質管理責任者(日本透析医学会・日本臨床工学技士会)
腎代替療法専門指導士(日本腎代替療法医療専門職推進協会)
認定血液浄化関連専門臨床工学技士(日本臨床工学技士会)
日本アフェレシス学会認定技士(日本アフェレシス学会)
不整脈専門臨床工学士(臨床工学技士会)
3学会合同呼吸療法認定士(日本胸部外科学会・日本呼吸療法医学会・日本麻酔科学会)
認定集中治療関連臨床工学技士(日本臨床工学技士会)
臨床実習指導者(日本臨床工学技士会)
体外循環技術認定士(日本体外循環技術医学会)
心血管インターベンション技士(日本心血管インターベンション治療学会)
植込み型心臓不整脈デバイス認定士(日本不整脈心電学会)
人工心臓管理認定士(日本心臓血管外科学会・日本胸部外科学会・日本臨床工学技士会)
心電図検定1級・2級・3級・4級(日本不整脈心電学会)
臨床ME専門認定士(日本生体医工学会)
第1種・第2種ME技術実力検定(日本生体医工学会)
臨床検査技師(厚生労働省:国家資格)
高圧ガス取り扱い主任者(経済産業省:国家資格)


学会実績

当部門では,安全で質の高い医療の提供を目指し,学会発表や研究活動にも積極的に取り組んでいます。今後も臨床と学術の両面から,より良い医療環境の構築に努めてまいります。

演題名 学会・研究会名 年度
潰瘍性大腸炎の重症化症例においてイムノピュアによるGMAとステロイドの併用療法による治療効果 第68回透析医学会 2023
当院におけるPD+OHDF併用療法患者に対しての比較検討 第103回東海透析研究会 2023
透析時の運動指導における身体組成分析装置を用いた有用性の検討 第103回東海透析研究会 2023
心房substrate map作成時に使用するICPMの指摘設定の検討 日本不整脈心電学会 2023
VT mappingにおけるNear Field Detectionの有用性 カテーテルアブレーション関連秋季大会 2023
当院における医療機器中央管理システムの運用 第42回日本体外循環技術医学会 2016
心房細動アブレーションにおけるイリゲーション灌流水量の検討 第33回日本臨床工学会 2023
当院における体外式循環式心肺蘇生法(ECPR)プロトコールの評価 第51回日本集中治療医学会学術集会 2023
バストバンドを用いたリファレンスセンサ安定性の検証 日本EPアブレーション技術研究会 2023
Tacti Flex SE ablation catheterにおける焼灼層の比較検討(最優秀演題賞) EPアブレーション技術研究会 中部地方会 2023
atrial pacing preference(APP)の不適切作動により心室頻拍ペーシングが持続した1例 第69回日本不整脈心電学会学術大会 2023
OCTARAY Mapping catheter及びPentaray Mapping catheterによるカテーテルノイズの比較検討 カテーテルアブレーション関連秋季大会2023 2023
当院におけるAEDの作動状況についての調査 愛知県臨床工学技士会第18回学術大会 2023
透析時の運動指導における身体組成分析装置を用いた有用性の検討 東海透析研究会 2023
Shockwave症例における治療効果の比較と検討 日本心血管インターベンション治療学会 2023
CTO症例においてflapにより側枝のワイヤリングに難渋した1例 日本心血管インターベンション治療学会 2024
振動メッシュネブライザ(vibrating mesh nebuliser:VMN)による C6 への影響 第19回愛知県臨床工学技士会学術大会 2024
Monitor Alarm Control Team(MACT) 介入によるアラーム管理の有用性 第19回愛知県臨床工学技士会学術大会 2024
MACT(モニターアラームコントロールチーム)の取り組み〜患者安全と看護師のアラーム披露軽減を目指して〜 第28回日本看護管理学会学術集会 2024
当院チーム医療におけるタスクシェアの試み 第69回日本透析医学会学術集会 2024
当院におけるIMPELLA導入の現状と展望 日本心血管インターベンション治療学会 2024
パドル型多極マッピングカテーテルの接触荷重による変形特性の差異の検討 第70回日本不整脈心電学会学術大会 2024
Bipolar High-pass filterの設定によるvoltageの変化特性及び心房Referenceの有用性 (優秀演題賞) カテーテルアブレーション関連秋季大会2024 2024
カテーテルアブレーション関連秋季大会2024 EPアブレーション技術研究会 中部地方会 2025
縫合式止血デバイス使用における合併症発生機序の再現実験とリスク低減策の考察 カテーテルアブレーション関連秋季大会2025 2025
誤嚥性肺炎による重症敗血症治療に対して腹臥位でSHEDD-fAを施行した一例 第35回日本臨床工学会 2025

2023年以前の発表につきましては割愛しています。


出身養成校

養成校名
中部大学(中部大学技術医療専門学校)
東海医療科学専門学校(東海医療工学専門学校)
藤田医科大学(藤田保健衛生大学)
鈴鹿医療科学大学
名古屋医専
京都保健衛生専門学校
杏林大学
東海大学
藍野大学
北陸大学

キーワード

人工心肺装置,IABP,PCPS,ペースメーカ,中央管理,人工呼吸器,NPPV,血液透析療法,,血漿交換療法,持続的血液濾過療法,腹水濾過濃縮静注法,白血球除去療法,臨床工学,ME

関連リンク

連絡先

臨床工学部 ME室

TEL
外線 : 0561-62-3311(代表)
内線 : 34011