中央臨床検査部

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中央棟2階 生理機能検査センター 
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中央臨床検査部は当院における臨床検査全般を担当しています。臨床検査は大きく二つに分かれ,一つは検体検査と言います。尿,便,血液などの材料を,一旦体外に取り出して検体として検査します。もう一つは生理機能検査と言います。患者さんの体に直接機器や器具を装着し検査を行います。心電図,脳波,神経伝導速度あるいは超音波検査などがあります。

これら日常検査は国家資格を持つ臨床検査技師約40名が担い,中にはより専門的な学会などの認定資格を持つ技師がいます。そして,栄養サポートチーム(NST)や糖尿病療養支援チームなどの横断的診療支援組織にも参加し,積極的にチーム医療を展開しています。さらに,日本臨床検査医学会認定の臨床検査専門医・管理医の専属医師も配属され,認定研修施設(第160号)でもあります。

ごあいさつ

部長 中山享之

当部は、その名前のとおり、種々の検査を施行しそこから得られた結果を迅速に担当医に報告するという業務を担っております。各診療科のように悪性腫瘍を切除したり、治療に直結する薬剤を投与したりする訳ではありません。それで地味な印象を持たれる方も多いと思われます。ですが、正確で客観的な検査結果がなければ、診断もできませんし治療効果の判定も不可能です。昨今の医療の進歩は,臨床検査のめざましい発展が寄与するところも大きいと思われます。その意味で、診療を支える縁の下の力持ちといっても過言ではないのでしょうか。職員全員が、そのような気概をもって検査業務に従事しております。
業務内容ですが、心臓の動き方や肺活量といった臓器機能を直接調べる生理機能検査(心電図検査や肺機能検査等)から、尿、血液、糞便、髄液などを用いてその内容や性状を調べる検体検査まで多岐にわたります。いずれも、資格を有し手技に精通した職員が担当いたしております。それに加えて最新の生理機能検査機器を導入し、より解像度の高い解析を可能とするとともに、大型で精度の高い自動分析検体装置により正確な検査結果を迅速に担当医に提出できるよう努力しています。
検査項目の中には、ちょっと不快に感ずる採血検査などもあります。ご不安に感じたり、ご要望がおありでしたら遠慮せずに担当職員にお伝えください。皆さまからのご意見をもとに、さらに正確で迅速、すべての人にやさしい検査室を目指していきたいと考えております。

業務案内

検体検査

当院では,大きく2つの専門分野(形態検査分野と化学免疫検査分野)に分かれて検体検査を行っています。また,緊急性の高い検査項目については24時間検査可能な体制を構築しており,診療時間外に受診された際にも検査を受けることができます。更に,ER(Emergency Room,救急救命室)で医師や看護師と共に救急搬送された患者さんの初療に携わっており,検査結果が迅速に診療へ反映されるよう努めています。また,検査結果の正確性を保証するために,様々な手法で検査結果の精度管理を実施しています。

形態検査分野(一般検査・血液検査)

一般検査は主に尿や糞便を対象とした検査で,古くから一般的に行われてきており「一般検査」という名称が付けられています。尿検査では尿中の蛋白,糖,潜血などの検出と尿中に含まれる有形成分(赤血球,白血球,細胞など)の分析,糞便を対象とした検査では,大腸癌スクリーニングを目的とした便潜血検査や寄生虫感染を検出する虫卵検査などを行っています。
血液検査は主として末梢血液一般検査と血液像検査からなる血液形態・機能検査と出血・凝固検査に分けられます。末梢血液一般検査とは,血液中に含まれる赤血球,白血球及び血小板の数を算定する検査で血液像検査は白血球の細分類や形態的異常の有無,さらには異常な細胞が出現していないかを調べる検査です。

形態検査分野

出血・凝固検査は止血機能を調べる検査でプロトロンビン時間(PT),活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT),フィブリノーゲン量など多くの種類の検査があります。

化学免疫検査分野(臨床化学検査・免疫血清検査)

臨床化学検査では,採取された血液や体液中の蛋白,酵素,脂質,糖などの成分濃度を測定しています。この結果をもとに肝臓や腎臓をはじめとした各臓器のはたらきや全身状態を評価します。免疫血清検査では,体の防御反応に関連する項目やウイルス等の感染に関連する項目,各種ホルモンあるいは腫瘍マーカーなどについて検査します。蛋白質に異常がある場合,免疫電気泳動という手法を用いて解析し,変動している蛋白成分を検出します。また酵素が高値の場合には,酵素活性の変動を調べることで損傷をおこした臓器を推定することが可能な場合が有ります。

化学免疫検査分野

生理機能検査(生理機能検査センター)

生理機能検査

心電図検査や超音波検査のように,患者さんに直接実施する検査を生理機能検査といいます。これらの検査には検査結果が診断に直結するものも多く,専門の知識や技術を習得した臨床検査技師が担当しています。患者さんと接する機会が最も多い部門であり,安心して検査を受けていただけるよう努めています。

心電図検査

心臓の電気的な活動の様子を記録し,心臓全体のはたらきを調べます。ベッド上で安静にして記録する安静心電図のほか,運動負荷後の心電図や24時間の心電図記録なども行っています。

呼吸機能検査

大きく呼吸をすることで肺活量や換気量を調べます。呼吸器の異常の有無について検査するほか,麻酔を使用する手術前にも行います。

超音波検査

超音波検査装置を用いて,体の内部にある様々な臓器の状態を調べます。対象となる臓器は,心臓・肝臓・腎臓・膵臓・脾臓・血管・乳腺・甲状腺などです。検査ではベッド上で安静にしている患者さんの皮膚上に,超音波を発する器具(プローブ)をあてるだけですので,痛みや苦痛はありません。また,検査に用いる超音波は生体に害がないとされています。

神経検査

電気生理学的に神経の状態を調べます。脳波検査は頭皮に電極を装着し脳の活動状態を調べます。また軽微な電気刺激により末梢神経の伝導状態を検査します。外科的手術における神経保護を目的とした術中神経モニタリングも実施しています。

チーム医療への参画

当院では様々な分野の専門スタッフが集まり,横断的な診療支援グループを組織しています。中央臨床検査部の臨床検査技師はこれらの組織に参加し,積極的にチーム医療を展開しています。

栄養サポートチーム(NST : Nutrition Support Team)

NSTは,医師,看護師,薬剤師,管理栄養士および臨床検査技師などのスタッフにより構成され,患者さんが適切な栄養管理を受けられるようにサポートする専門チームです。NSTに参加している臨床検査技師は,様々な臨床検査の結果から患者さんの栄養状態を把握し,効果的な栄養療法が実施されるように活動しています。

糖尿病療養支援チーム

糖尿病療養支援チームは,医師,看護師,薬剤師,管理栄養士および臨床検査技師などのスタッフにより構成され,糖尿病治療にもっとも大切な自己管理(療養)を患者さんに指導する専門チームです。糖尿病療養指導士の資格をもった臨床検査技師が,糖尿病関連の検査結果の説明や自己血糖測定器の使用方法の指導を行い,患者さんの糖尿病セルフケアを支援しています。

認証施設

中央臨床検査部は,検査の信頼性が十分保証されていると評価できる施設である「精度保証施設」として,日本臨床衛生検査技師会から認証されています(認証番号 第11-0177号)。

認定資格

臨床検査の専門化が進み,様々な検査を行う臨床検査技師には高度な技術と知識の習得が求められています。専門学会や関連団体では,高度で専門的な知識と技術を習得したと評価できる臨床検査技師に様々な資格を認定しています。当院の臨床検査技師も多くの認定資格を取得しており,専門的な検査を実施しています。

当院の臨床検査技師が取得している資格 ( )内は認定団体

細胞検査士(日本臨床細胞学会),認定血液検査技師(日本検査血液学会),認定骨髄検査技師(日本検査血液学会),International Academy of Cytology(cytotechnology registry and certification committee),超音波検査士:循環器・腹部・血管・消化器(日本超音波医学会),日本糖尿病療養指導士(日本糖尿病療養指導士認定機構),認定一般検査技師(日本臨床衛生検査技師会),血管診療技師(血管診療技師認定機構),二級甲類臨床検査士:循環生理学(日本臨床検査同学院),認定技術師:筋電図・神経伝導分野・脳波分野(日本臨床神経生理学会),NST専門療法士(日本静脈経腸栄養学),認定臨床化学・免疫化学精度保証管理検査技師(日本臨床化学会・日本臨床衛生検査技師会),救急検査認定技師(日本救急検査技師認定機構)

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関連リンク

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