〒480-1195 愛知県長久手市岩作雁又1番地1
概要
令和6年10月1日、愛知医科大学病院整形外科 骨粗鬆症・ロコモ・関節疾患センターが開設されました。
当センターでは、骨や軟骨で構成される“関節”の観点から、全国各分野の専門領域のスタッフと提携して、健康寿命延伸実現!という高い理想をもって骨関節疾患の診療と研究に取り組みます。
診療部門からのごあいさつ
【部長 中村幸男】
この度、本邦では数少ない、骨粗鬆症・ロコモ・関節疾患センターを設立いたしました。
当センターでは、骨粗鬆症およびロコモにお悩みの方々を中心に、変形性膝関節症や股関節症、関節リウマチ、乾癬性関節炎や強直性脊椎炎の診療および手術を積極的に行い、安全性と質の高い医療を提供いたします。ご希望の方はぜひ御来院ください。
骨粗鬆症を中心としたロコモは年々増え続けており、国民病の1つです。健康寿命を損なう主要な原因ですが、その予防と対策は十分ではありません。長野県民の健康寿命を日本一に導いたこれまでの実績と経験を生かして、愛知県の皆様の健康寿命の延伸に向けた様々な取り組みを展開してまいります。具体的には、自覚症状が少ないため気づかれにくい骨粗鬆症・ロコモの予防・対策を行います。患者さんごとに最新かつベストな栄養(最新のミネラルおよびビタミンデータの提供)、体操(私の考案したかかと落とし、おへそひっこみ体操:商標登録済)、薬物療法(世界初の様々なデータを発信)を実施し、全国の中でも唯一無二の診療をご提供します。 骨は何歳からでも若返ります。もう歳だから、と諦めずに御一緒に骨関節について取り組んでまいりましょう。寝たきりを防ぎ、最後のその瞬間まで“ぴんぴんキラリ”を実現しましょう!
主な対象疾患
主な対象疾患
- 骨粗鬆症
- 変形性膝関節症
対象疾患
- 変形性股関節症
- 大腿骨頭壊死
- 変形性膝関節症
- 膝関節骨壊死
- 関節リウマチ
- 脊椎関節炎(乾癬性関節炎 強直性脊椎炎 掌蹠膿疱症ほか)
主な専門
- 変形性股関節症
- 骨粗鬆症
- ロコモティブシンドローム
- 関節リウマチ
- 膝関節外科・股関節外科(特に人工関節)
当センターの特徴
骨粗鬆症を含めたロコモティブシンドローム(ロコモ)、運動器障害は要支援疾患のおよそ4分の1を占めています。骨粗鬆症が引き起こす大腿骨近位部骨折と脊椎椎体骨折は、寝たきりの大きな原因となりますが、愛知県内においてその予防と対策は十分とはいえません。図1は全国の医療施設における骨粗鬆症の薬物治療率の低さを示したデータです。

図1
骨粗鬆症および骨折を予防するには、お一人お一人に適切な薬物療法、運動指導、食事指導を行うことが重要です。骨折予防にとって最も重要なことは、骨密度検査を受けることです。一般的な目安ですが、骨密度検査でYAM値(若年成人平均値)が70%以下の方は薬物治療が必要になります。また過去に圧迫骨折や大腿骨骨折の既往のある方は骨密度の値に関わらず薬物治療が必要になります。適切な薬物治療を行うことにより治療一年間で骨密度はしっかり上昇します(図2 緑実線)。当センターでは骨粗鬆症を予防することにより、骨折発生件数の減少を目指します。これまで10,000名以上の骨粗鬆症および骨折患者(図3)を診療してきた経験を活かし、愛知県民の皆様のために尽力いたします。閉経後骨粗鬆症をはじめ、人工関節周囲骨折、小児の多発骨折、妊娠骨粗鬆症、透析に伴う骨粗鬆症、90歳以上の超高齢者骨粗鬆症など、多くの医療施設で治療困難な重症例や難治例の診療も積極的に行っております。

図2

図3 大腿骨頸部骨折術後(自験例)
また、変形性膝関節症(図4)、変形性股関節症、関節リウマチ(図5)などの関節疾患も予防対策が重要であり、最適な食事や体操指導、薬物治療を行う必要となります。これらの保存的治療がうまくいかない場合は、最終的に手術となります。当センターではこれらの疾患の予防対策に向けた保存的治療や手術にも積極的に取り組みます。

図4 変形性膝関節症に対し人工膝関節置換術術後(自験例)

図5 関節リウマチに伴うリウマチ股に対し人工股関節全置換術術後(自験例)
さらに、愛知県内の各市町村と連携し多くの媒体を介して情報発信を続けるとともに、市民公開講座や医療従事者への講演会など、教育啓発活動を実施してまいります。
愛知県内はもちろんですが、全国各地からの患者様の御来院をお待ちしております。
学会及び社会における活動等
- 日本整形外科学会 専門医
- 日本骨粗鬆症学会 評議員
- ロコモアドバイスドクター・サポートドクター
- 日本人工関節学会 評議員
- 日本リウマチ学会 専門医・指導医・評議員
- 日本リウマチの外科学会 評議員
- 日本抗加齢学会 評議員
- 日本骨代謝学会 認定医・評議員
- 日本軟骨代謝学会 評議員
- 日本小児整形外科学会 評議員
- 信州骨を守る会 代表
主要著書

『本当に必要なゆるスクワットとかかと落とし』 小学館 2017

『70歳からは転んでも折れない骨をつくりなさい』 青春出版社 2024
キーワード
骨粗鬆症,ロコモティブシンドローム,関節リウマチ