〒480-1195 愛知県長久手市岩作雁又1番地1
概要
当センターでは、高度肥満症(Body Mass Index※ 30以上)の全人的治療を目指し、患者さんを診療しています。
高度肥満症患者さんは、一人の力では減量困難であることが多く、身体面以外にも様々な問題を抱えており、その結果として過食をやめられない、十分な運動を実践できないという生活習慣の悪循環に陥っています。愛知医科大学病院では、肥満症に関連する多くのエキスパート(高度な専門性を持つ人)が終結し、患者さんの気持ちに寄り添いながら、最適で安全な治療(手術またはそれ以外の治療)を提案しています。また、手術を受けられた患者さんには、術後も身体面だけでなく、心理面、社会面からもサポートが受けられるように体制を整えております。診療内容は、主に食事・運動療法、GLP-1受容体作動薬やGIP/GLP-1受容体作動薬など新規の薬剤も取り入れた内科的治療と、スリーブ状胃切除術やスリーブバイパス術などのより高度な術式の外科治療も行っています。同時に患者さんの心理面に寄り添うウェルネス・リスタート教室(患者会等)を開催しています。
これまで東海地区においてトップクラスの骨盤・寛骨臼骨折手術症例数(年間70例、計300例以上)を執刀してきた経験を活かし,愛知医大病院に搬送されてこられた整形外傷患者様に最適な整形外傷治療を提供すべく努力していきたいと考えております。
※Body Mass Index:体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)で算出できる肥満指標の1つ
診療部門からのごあいさつ

部長 神谷英紀
現在、我が国においても肥満症を持つ人が増加の一途をたどっております。肥満症は様々な健康障害に関連します。そのため肥満症に対し適切な治療を提供し、肥満症を持つ人の生活の質を改善することが強く求められています。
当院では、2018年から消化器外科によるスリーブ状胃切除術の開始に伴い、各専門科からメンバーを招聘して肥満症治療に関するカンファレンスを定期的に開催し、精力的に肥満症患者の治療に取り組んできました。そして2024年3月に、肥満症治療センターが開設されました。この肥満症治療センターでは、消化器外科・糖尿病内科を中心として、精神神経科・睡眠科・麻酔科、リハビリテーション科、消化管内科、肝胆膵内科、循環器内科等の専門医と看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床心理士、理学療法士などがそれぞれの役割を果たし、肥満症患者の治療をチームでサポートしています。
今までの肥満症治療は、食事・運動・行動療法を中心とした内科治療を基本とし、内科的治療が不十分であった場合、一定の条件を満たせば保険診療下でスリーブ状胃切除術などの外科的治療を行ってきました。当院においても、外科的治療より減量・代謝改善が得られ、生活の質が改善している方が数多くおられます。それに加え、今わが国においても新たな肥満症治療薬を保険適用下で使用可能になり、肥満症治療は新たな局面を迎えております。この新しい肥満症治療薬であるGLP-1受容体作動薬やGIP/GLP-1受容体作動薬は今まで経験したこのない治療効果を示しており、今後この薬物療法が肥満症治療の中心を果たすと考えております。
しかしながら、強力な体重減少促進効果を持つ上記薬剤を用いても、従来のチーム医療を併せて行わなければ、十分な減量効果や合併疾患の改善を望むことはできません。糖尿病治療センターでは、チームで肥満症を持つ人に対して食事・運動・行動療法を基本に、必要に応じて薬物療法さらには外科的治療を提供し、生活の質の改善に貢献できるように努めていきます。
主な対象疾患
肥満症,高度肥満症
高度な専門医療
高度な医療
腹腔鏡下スリーブ状胃切除術および十二指腸空腸バイパス術(スリーブバイパス術)
腹腔鏡下スリーブ状胃切除術
専門外来
肥満症治療センター外来
担当者 | 近藤正樹 |
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診療日時 | 毎週金曜日9~11時受付(中央棟3階 31外来) |
診療・治療実績
肥満症外科治療診療実績(手術件数)
2018年 | 2例 |
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2019年 | 12例 |
2020年 | 21例 |
2021年 | 24例 |
2022年 | 11例 |
2023年 | 8例 |
2024年 | 11例 |
※2024年 うち1例は腹腔鏡下スリーブ・バイパス術
キーワード
肥満症,減量・代謝改善手術,GIP,GLP-1