結節性多発動脈炎

結節性多発動脈炎

概要

全身の小型〜中型の筋性動脈に壊死性血管炎を生じる疾患です。平均発症年齢は40〜60歳で男性に多く発症します(女性の約1.5倍)。多くの場合,発熱や体重減少,倦怠感,頭痛などの全身症状と動脈炎を生じた臓器の出血(消化管出血,脳出血,皮下出血)および梗塞(腎梗塞,心筋梗塞,脳梗塞,皮膚潰瘍,指趾壊疽),臓器の急性炎症として関節痛,筋肉痛,多発神経炎などの症状が出現します。約半数の症例では神経の栄養血管の障害により多発性単神経炎をきたし,手足の知覚障害や筋力低下が出現します。消化管の虚血は腹痛および急性腹症の症状が出現します。腎血管に炎症を起こすと高度の高血圧となり,腎不全に至る場合もあります。血液検査では白血球増加やCRP陽性,赤沈亢進などの急性炎症反応がみられますが,この疾患に特異的な血液検査項目はないため,経過や症状より結節性多発動脈炎が疑われる場合には,障害臓器の生検を行い壊死性血管炎を証明することで確定診断となります。また生検困難な場合には造影CT・MRI,血管造影検査などを行います。

治療法

高用量ステロイドで寛解導入を行います。障害されている臓器や障害の重症度に応じてシクロホスファミド(エンドキサン®)やアザチオプリン(イムラン®)などの免疫抑制剤を併用します。