高血圧性腎硬化症

高血圧性腎硬化症

概要

高血圧性腎硬化症は,高血圧状態が長期間続くことにより,腎臓の血管に動脈硬化が生じ,腎不全が進行する状態です。同時に全身の動脈硬化が進行していることも多くみられます。尿検査異常はあまりみられず,尿蛋白がわずかに出る程度ですので,高血圧に長年罹患されている患者さんは,血液検査で腎臓のクレアチニン値を確認する必要があります。腎機能の悪化するスピードは比較的緩やかですが,高齢になってから透析が必要となることも少なくなくありません。

治療

食事療法(塩分制限食,蛋白制限食)と降圧療法が主な治療法となります。腎機能の悪化を防ぐため,血圧コントロールの管理目標としては,血圧130/80mmHg未満,75歳以上では血圧140/90mmHg未満とされています。血圧の下げすぎにも注意が必要ですので,外来ではご家庭での血圧測定記録を担当医師に提出してもらうことで,より安全に管理していくことができます。