重大な不適合の公表

臨床研究法における「重大な不適合」とは

「重大な不適合」とは、臨床研究の対象者の人権や安全性及び研究の進捗や結果の信頼性に影響を及ぼすものをいう。例えば、選択・除外基準や中止基準、併用禁止療法等の不遵守を指し、臨床研究の対象者の緊急の危険を回避するためその他医療上やむを得ない理由により研究計画書に従わなかったものについては含まない。
なお、実施医療機関の管理者は、当該「重大な不適合」に関する対応の状況等を公表すること。

(「臨床研究法施行規則の施行等について(令和7年5月15日改正、 医政産情企発0515第1号医政研発0515第6号)」より一部抜粋)

当院で発生した「重大な不適合」

臨床研究法関係

(2025年5月)

研究課題名 急性心不全患者を対象としたエンパグリフロジン製剤の有効性を検討する多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験
概要 併用禁止薬を2025年5月に1回服用した。
発生理由 カルテ掲示板(スタッフ伝言板)へ研究参加中及び併用禁止薬について掲示はされていたが、本対象者については他の掲示が多く記載箇所が下方となっていた(スクロールが必要)こと、研究担当医師ではないNP実習生が研究内容を把握しておらず処方を行い、また指導医による確認が口頭確認であったこと、指導医も併用禁止薬の認識が不確かであったことが重なったことが原因と考えられる。
再発防止策 研究医師以外の医師等にも再度試験内容及び掲示板の確認方法について周知を行うとともに、症例登録時に対象薬剤が併用禁止であることが院内スタッフに一目で分かるように掲示板へ記載する手順を徹底するため、ダブルチェック体制を整え、研究実施フローへチェック項目を追加することとした。
また、病棟薬剤師及び治験担当薬剤師によるダブルチェック体制を整えることとした。