看護学研究科長あいさつ

研究科長  坂本 真理子

少子高齢社会の進展,グローバル化,経済格差の拡大,IT化の促進など,社会が大きく変化する中で,保健・医療・福祉のしくみも変わろうとしています。こうした変化の中で,自ずと看護職の役割や活動場所も地域社会で拡大し,多様化してきています。多くの看護職が今まさに今日的な課題を実感しながら,悩み,実践に取り組んでおられることと思います。

近年,看護教育の高等化が急速に進み,実践家である看護職が大学院で学べる機会が増えてきました。本研究科では,実践家である皆さんが日常の看護実践で気になっている現象を紐解くことから始めます。自らの体験を語り,自分自身の考えを整理し,議論しあうプロセスを通じて,自分の研究テーマを精錬させ,新しい知を創造し,発信できるように研究を進めていきます。このプロセスは,経験知であった看護を可視化し,共有の財産である理論知としていくプロセスでもあります。

また,本研究科では高度実践看護師(CNS・NP)コースを持ち,高度実践看護のパイオニアとして臨床で活躍できる人材を育成しております。すでに一定の実践経験を持つ看護職が更に質の高い看護実践をめざすためのキャリアパスの機会として活用していただきたいです。

仕事や家庭と学業を両立させていく大学院生にとっては,本研究科での学修は大きな挑戦となるかもしれません。しかし研究科での学修は大学院生が自らの力で学び取るプロセスでもあります。困難を乗り超えたとき,必ずや新しい世界が見えてくることに気づくことでしょう。

本研究科での学修によって,皆様が力を蓄え,臨床や臨地の看護スペシャリストとして,看護学の研究者・教育者として,看護の力でよりよい社会を創っていけるような第一歩を踏み出してくださることを期待しています。

プロフィール

専門
地域看護学
研究テーマ
多文化に対応する子どもと親のための健康ハンドブックの開発
地域で活動する保健師の異文化間看護能力育成プログラムの開発
保健師の歴史に関する研究

略歴

昭和56年3月 岡山県立短期大学看護科卒業
昭和57年3月 愛知県立総合看護専門学校保健科卒業
昭和57年4月~昭和62年3月 名古屋市衛生局北保健所保健師
昭和62年4月~平成元年10月 国際協力事業団(JICA)・青年海外協力隊(マレーシア国・サバ州、村落開発公衆衛生部門)
平成5年9月 玉川大学文学部教育学部社会教育専攻(通信教育)卒業
平成8年3月 日本福祉大学大学院社会福祉学研究科社会福祉学専攻修了(社会福祉学修士)
平成8年4月~平成11年3月 愛知県立看護大学公衆衛生看護学助手
平成12年6月~平成16年3月 愛知医科大学看護学部地域看護学講師
平成12年5月 ASEAN Institute for Health Development Mahidol University.Thailand修了(Master of Primary Health Care Management)
平成16年4月~平成19年3月 愛知医科大学看護学部地域看護学助教授
平成19年4月~平成23年3月 愛知医科大学看護学部地域看護学准教授
平成23年3月 兵庫県立大学大学院看護学研究科看護学専攻博士後期課程修了(看護学博士)
平成23年4月~現在 愛知医科大学地域看護学教授
平成30年4月~現在 愛知医科大学副学長 兼 看護学部長 兼 看護学研究科長