検査相談コーナー(血液・尿検査)

よくあるご質問

全身の栄養状態がわかる検査は何ですか?

わたしたちの体は糖質(炭水化物),タンパク質(アミノ酸),脂質の三大栄養素とビタミン,ミネラル(電解質,微量元素)などの栄養素を摂取して生命活動を維持しています。そのため,低栄養状態が持続するとこれら栄養素の不足から筋蛋白の崩壊,内臓蛋白の喪失・不足,免疫能の低下,創傷治癒力の低下などを起こし健康が維持できなくなります。

糖質

生体の主要なエネルギー源としてあらゆる組織で利用されています。特にブドウ糖は血糖の維持に必要とされ,脳や赤血球では唯一のエネルギー源となります。

脂質

脂質はとても効率の良いエネルギー源で,必須脂肪酸の供給源としても重要な物質です。必須脂肪酸は各種ホルモンの合成や細胞膜の構成成分に利用されます。

タンパク質

タンパク質はそれを構成するアミノ酸に分解され,臓器蛋白,酵素,ホルモンなどの合成に利用されます。アミノ酸の中でロイシン,イソロイシン,バリンは特に分岐鎖アミノ酸と呼ばれ,スポーツ選手などにおける栄養学的効果が注目されています。

ビタミン

ビタミンは微量の存在でその効果をもたらしますが,体内ではほとんど合成されないため食物から摂取する必要があります。代表的な欠乏症には夜盲症(ビタミンA),脚気(ビタミンB1),壊血病(ビタミンC),クル病(ビタミンD)などがあります

ミネラル

ミネラルには,カルシウム,鉄,ナトリウムなどがあります。必要な量は少ないのですが,人の体の中では作ることができないので,食べ物からとる必要があります。ミネラルは,骨などの体の組織を構成したり,体の調子を整えたりする働きがあります。

栄養に関連した検査項目です。

総タンパク(TP)

血液中の総タンパク濃度です。

基準値
6.7~8.3(g/dl)
アルブミン(ALB)

肝臓で合成される水溶性蛋白です。膠質浸透圧の保持,血中の様々な物質の運搬などに関与しており栄養状態の良い指標となります。

基準値
4.0~5.0(g/dl)
トランスサイレチン(TTR)

プレアルブミンとも呼ばれ,栄養状態を最も反映するタンパク質です。

基準値
22.0~40.0(mg/dl)
総リンパ球数(TLC)

栄養状態と相関して増減します。800/μl未満で高度栄養障害とされます。

基準値
男性 1500~3200
女性 1600~3400 (/μl)
トランスフェリン(Tf)

鉄の輸送蛋白で半減期が短いため,栄養状態を感度よく早期に表します。

基準値
男性 190~300
女性 200~340(mg/dl)
コリンエステラーゼ(CH-E)

栄養低下や肝細胞障害で低値を示します。

基準値
214~466(U/l)
総コレステロール(TC)

吸収不良,栄養失調,肝実質障害で低値を示します。

基準値
128~219(mg/dl)