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脳波や脳磁図を用いた顔認知に関する研究をReviewとして国際雑誌に発表
2022.03.12
発表者
三木研作(本学看護学部・教授) 竹島康行 渡辺昌子 柿木隆介
発表のポイント・概要
今まで,時間分解能に優れ認知情報処理過程をミリ秒単位で検討するのに有用な脳波や脳磁図を用いてヒトの顔認知メカニズムに関する研究を行ってきた。今回掲載されたReviewでは,顔認知メカニズムを反映する脳活動とその特徴,ならびに,発達による変化に関する研究を紹介した。
発表内容
ヒトにとって,顔の持つ情報はコミュニケーションの際に重要となる。ヒトを対象とした非侵襲的脳機能計測法の発達により,時間分解能に優れた脳波や脳磁図を用いた顔認知研究が行われてきた。我々が行ってきた研究から以下のヒトの顔認知過程の特性が明らかになった。(1)顔画像提示後約180ミリ秒後にみられる下側頭部の活動は,顔を検出する,つまり「顔である」と認知する過程を反映していて,顔を検出する際には,輪郭の有無が重要であった,(2)視線がそれることに対して,側頭部にある上側頭溝の活動がみられた,(3)顔認知は正立顔に特化して,顔認知の際には,右半球では内部が正立かどうか,左半球では輪郭と内部の方向が一致しているかが重要であった,(4)動いているドットの一部が途中止まることで,被験者に形態が知覚できるランダムドットブリンキング(RDB)という輝度差が生じない特殊な視覚刺激を用いて,顔認知に関連する下側頭部の活動を特異的に検出できた。
成果の意義
ヒトの顔認知メカニズムの特性を検討していくことで,ヒトのコミュニケーションや共感性に関する詳細を紐解く鍵となり,医学ならびに看護分野への応用が期待出来うる。
発表雑誌
- 雑誌名
- Frontiers in Physiology
- 論文タイトル
- Human face perception using electroencepharography and magnetoencepharography
- 著者
- Kensaku Miki, Yasuyuki Takeshima, Shoko Watanabe, Ryusuke Kakigi
- 掲載先(予定)
- https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fphys.2022.803274/abstract(学外)