研究活動

抗エストロゲン薬・タモキシフェンが卵巣内の原始卵胞発育を活性化させることを発見

2022.03.04

発表者

小松紘司(生理学講座・講師)

発表のポイント・概要

卵巣内では休眠状態の原始卵胞が数多く存在し,月経周期毎の排卵活動を支えている。小松らは名古屋大学大学院医学系研究科産婦人科学の研究グループと共同で研究を行い,抗エストロゲン薬であるタモキシフェンの腹腔投与によって休眠状態の原始卵胞を発育状態にする事が可能であることを発見した。

発表内容

小松らの研究グループでは過去の研究によって,エストロゲンが一定以上の濃度の場合,原始卵胞の発育が抑制される事を確認している。本研究はこの成果をもとに,抗エストロゲン薬であるタモキシフェンをマウス腹腔内に投与する事によって,卵巣内に休眠状態で存在する原始卵胞を発育状態に移行させることが可能であることを実験的に証明した。生体内における原始卵胞の発育制御機構の全容は不明であるが,本研究はその一端を解明したものである。

成果の意義

本研究成果は既存薬を用いたドラッグリポジショニングによって原始卵胞の発育を人為的に促進することができる可能性を示唆するものである。今後,さらに研究を進め,薬剤投与によって原始卵胞の発育をコントロールし,排卵まで誘導できる新しい不妊治療法を確立することを目指している。

発表雑誌

雑誌名
Reproductive Sciences
論文タイトル
Tamoxifen activates dormant primordial follicles in mouse ovaries
著者
Wei Wei, Kouji Komatsu, Satoko Osuka, Tomohiko Murase, Bayasula Bayasula, Natsuki Nakanishi, Tomoko Nakamura, Maki Goto, Akira, Iwase, Satoru Masubuchi, Hiroaki Kajiyama
研究成果の概要図

研究成果の概要図

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