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愛知医科大学と中国・深せん大学の共同研究で深海微生物から新規抗炎症物質発見

2021.03.06

愛知医科大学医学部・分子標的医薬寄附講座では微生物や植物から新しい細胞シグナル伝達阻害剤の探索を行っています。
最近は通常の微生物や植物から新規構造の化合物を見出すことが難しくなってきました。一方,まだ十分に開拓されていない深海生物がつくる低分子化合物が探索の対象として期待されています。
そこで2年前に中国深せん大学生命・海洋科学院と共同研究を開始しました。

このたび,深せん大学との共同研究で約2000m深海で採取されたカビを培養し,培養液から4つの新規化合物を発見しました。そのうち2つの化合物1S-myrothecolと1R-myrothecolはマクロファージにおいてLPSで活性化される炎症性物質NOの産生を阻害し,抗酸化活性も示しました。
この成果は海洋由来生理活性物質の分野で高く評価されている米国誌Marine Drugsに掲載されました(X. Lu, J. He, Y. Wu(本学大学院生), N. Du, X. Li, J. Ju, Z. Hu, K. Umezawa, L. Wang: Isolation and characterization of anti-inflammatory and antioxidant components from deep marine-derived fungus Myrothecium sp. Bzo-1062. Mar. Drugs 2020, 18(12), 597; https://doi.org/10.3390/md18120597(学外))。
また,令和3年2月11日号の中国のネットニュースWeixinに「深せん大学与日本愛知医科大学合作――来自深海真菌的新活性化合物的分離与表征」として報道されました。

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