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〒480-1195 愛知県長久手市岩作雁又1番地1
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概要
講座終了のご案内
分子標的医薬寄附講座は,学内の研究室及び国内外の企業と共同研究を行い,炎症やがんの進展に重要なシグナル伝達因子を抑える新しい分子標的医薬のシードを探索・開発することを目的として平成24年4月1日に医学部に設置されました。
設置後,講座責任者である梅澤一夫教授は,精力的に研究・教育に取り組まれておりましたが,誠に遺憾ながら令和6年1月12日(金)に急逝されました。このことを受け,当講座は12年間の設置期間を経て令和6年3月31日をもって講座終了となりました。
梅澤教授は,疾患に有効な低分子シグナル伝達阻害剤を探索し,新しい化学療法剤の開発基礎研究,及び阻害剤を用いた病態解析の研究を中心に行い,この12年間で約150本の論文を発表されました。動物実験で毒性を示さずに,強力な抗炎症・抗癌活性を示すNF-kappa B 阻害剤 DHMEQを見出し,注目されました。また,臨床と新しい治療法の研究を密接にするため,DHMEQ軟膏(中国深圳万和製薬)や腹腔内投与抗がん療法(ロシア・PeritonTreat LLC)の企業導出を積極的に行いました。
一方教育面では,医学部1学年次「生体分子の化学」の授業を担当し,生体分子の構造と機能の関連の講義をされました。更に,医学部2学年次を対象にセミナーを開き,研究室で行っている培養細胞を用いたがん細胞の転移を抑える化合物の探索を紹介し,実践するなどの教育も行ってきました。また,積極的に留学生を受け入れ,若い世代の国際連携を進めるためにも尽力されました。
更に日本癌学会,日本生化学会,日本化学療法学会の評議員,日本ケミカルバイオロジー学会の顧問,日本放線菌学会の理事,Oncology Research(米国国際誌)の編集長として尽力され,日本のみならず世界における創薬研究や教育の向上・発展に多大な貢献をされました。
最後になりますが,梅澤教授のこれまでの貢献に感謝するとともに,先生の安らかなご永眠を心よりお祈り申し上げます。
活動・研究内容
スタッフ紹介
研究業績については,研究者データベースをご覧ください。
氏名 | 職名 | 専門分野 |
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梅澤 一夫 | 教授 | 生化学,創薬 |
小嶋 しおり | 研究員 | 細胞生物学 |
マー・ジュン | 研究員 | 合成有機化学 |
袴田 雅俊 | 大学院生 | 細胞生物学 |
研究テーマ
氏名 | 研究テーマ |
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梅澤 一夫 |
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小嶋 しおり |
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マー・ジュン |
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袴田 雅俊 |
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分子標的医薬探索研究と疾患の機構解析

左上:探索研究のプロセス
右上:細胞内シグナル伝達と今までに見つけた阻害剤の標的分子
左下:NF-kappa B阻害剤DHMEQの発見
右下:NF-kappa B活性化のシグナル伝達とDHMEQの阻害機構
DHMEQの作用機構・疾患抑制と抗線維化活性のある植物由来コノフィリン

左上:DHMEQによるNF-kappa B構成因子への結合と活性阻害
右上:DHMEQによる多くのin vivo疾患モデルの抑制
左下:「腹腔内細胞のNF-kappa Bを阻害すると多くの難治性疾患が改善する」提案
右下:植物由来コノフィリンは膵ベータ細胞を増やし,膵島線維化を抑制し,脂肪肝・NASHモデルを改善
論文
シンポジウム,セミナー,学会発表等
キーワード
分子標的医薬,炎症,癌,シグナル伝達,天然物,分子デザイン,伝統医薬
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