看護管理学領域

看護管理とは,患者・家族に対して質の高い看護を提供することを目的として自身の所属する組織に求められる役割・課題を明確にし,よりよい組織運営を目指して組織に働きかける活動を指します。このような効率的な組織運営に向けて,看護管理学では組織論や動議づけ理論などの諸理論を基に,限りある資源を有効に活用して,質の高い看護を提供するための人材活用方法,目標管理,チーム医療における効果的なリーダーシップ,医療安全について学びます。これらの学習を通じて,役職の有無に関わらず臨床場面にて活用・実践できる力を養います。

教育方針

「学び」が「未来のキャリア」につながる


本コースでは看護管理の視点から,問題解決の一助となる基礎的能力を身に付けることに主眼を置いています。 そのため,皆さんが看護実践の中で抱いた問題意識を焦点化し研究課題を探索します。
修士論文の作成には,文献検索,計画書作成,倫理審査,研究実施,論文制作,発表と卒業までに長い時間が 必要です。本コースは,最短で2年,長くとも3年以内の卒業を目指して主体性に応じた指導を行います。

活動・研究内容

受講メリット


  • 最短2年間で成長し,専門性を深められる
  • 卒後は,日本看護協会の認定看護管理者への申請可能
    詳しくは日本看護協会「認定看護管理者」HPで確認下さい
  • 実践的な研究課題と卒業後の論文投稿までを含めた継続支援

修士課程があなたのキャリアを変える


  • 知識を体系的に深め,現場の課題解決に向けた思考法を身につける
  • 看護管理者としての専門性を強化し,リーダーとしての資質を磨く
  • 他施設の現状や仲間との議論を通じて日常業務を見直す
  • キャリア発展のチャンスが広がる

今もとめられる「看護管理の専門家」


  • 医療現場では,エビデンスに基づいた管理が求められています
    ↗ 修士課程でそのスキルを習得
  • 看護管理者の高度専門職化が進んでいる
    ↗ 学歴がキャリアアップの大きな要素に
  • 働き方改革に伴う看護師の役割拡大によって業務の複雑化
    ↗ 組織運営・組織管理の理解が必須

卒業生の声

2023年度修了生 森本さん(副看護部長)

在職かつ遠距離の通学でしたが,遠隔での授業やご指導もあり,看護管理や研究の知識を深めることができました。看護管理学専攻ゼミでは,先生方よりご指導をいただくとともに,学生間の意見交換の場にもなりました。仕事が終わってから,眠気と戦いながら,共に切磋琢磨し課題に取り組んだことは,継続の大きな力になりました。
さらに,在学中の学会発表は,研究成果の発表とともに,経過の振り返りと再考の機会になり,大変貴重な経験でした。先生方や同期,学習環境にも恵まれ,常に探究心を持つ素晴らしさを学び,研究で新たな知見を得たことは,何よりもかけがえのないものとなりました。
今後は,研究成果を臨床の看護管理に活かすよう,取り組んでいきます。

2024年度修了生 中井さん

自分の目標もあり,2年間で大学院の卒業を目指していました。
勤務を続けながら大学院での学びを両立するのは,とても大変でした。そんな中で,先輩方や仲間,先生方に支えられながら,何とか目標としていた2年間で大学院を卒業することができました。
領域の先生方は,研究への自分の思いを最大限尊重して,表現できるように,たくさん手を差し伸べて頂きました。まだまだ学ぶことはたくさんある自分自身の中で,卒業後も様々な相談に乗っていただけることや,ここでの人とのつながりは、これから進む道でもとても大切なものになっています。

2025年度在校生 土田さん

私は,臨床実践を重ねる中で,専門職としての看護とは何か,また,看護を仕事とする意味について深く考えるようになりました。日々の業務に追われる中で,より良い看護を実現するためにはどうすればよいかを明らかにしたいと思い,大学院へ進学しました。
大学院では,理論や概念に基づいた学びを深めることができ,先生方や院生とのディスカッションを通じて,新たな視点を得ることができました。しかし,研究を進める中で,仕事とプライベートの両立や研究テーマについて悩むことも多く,納得のいく形で学びを続けるために長期履修制度を利用することにしました。
今後も研究を通じて看護実践の向上に貢献していきたいと考えています。

スタッフ紹介

本領域では,看護基礎技術の可視化や看護職者の教育プログラムの開発,多職種連携,メンタルヘルスなど幅広い領域において2名の指導教員がそれぞれの得意分野に応じて学生と面談し研究を進めております。


氏名 職名 専門分野
山中 真 教授 医療安全管理学
山本 恵美子 教授 基礎看護学,看護管理学

研究テーマ

氏名 研究テーマ
山中 真
  • 医療事故予防に関する研究
  • 看護実践技術に関する研究
  • 組織マネジメントに関する研究

  • 本領域ではこれまでの経験は問いません。私が着任してからのメンバーは学歴も役職などもバラバラでほぼ研究初心者でした。そんな学生も,研究をまとめ学会発表や論文投稿を進めています。日常業務やキャリアなど新しいことに挑戦してみたい人は気軽に連絡してください。

山本 恵美子
  • 医療安全に関する研究
  • 職務満足度 / ストレスに関する研究
  • 人材育成に関する研究
  • 組織管理に関する研究

  • 臨床で感じる様々なクリニカル・クエスチョンを,研究として深めていくことでチームや組織に役立つ示唆を得ることができます。日々の看護実践や看護管理で感じている疑問を,大学院でリサーチ・クエスチョンとして研究してみたい方は,気軽に連絡してください。

修了生の研究テーマ

  • 2024年度修了生 : 中堅看護師が認識する職務特性とソーシャルキャピタルが看護実践能力に及ぼす影響
  • 2023年度修了生 : 看護管理者および看護師の情動知能と職場への感謝がモチベーションに与える影響
  • 2023年度修了生 : 看護ミドルマネージャーの行動特性が組織学習に与える影響
  • 2023年度修了生 : 看護師が認識する管理者のリーダシップとワークエンゲージメントの関係に影響を与える心理的安全性と自己成長意識についての調査
  • 2020年度修了生 : 育児中の男性看護師のワーク・ファミリー・コンフリクトの特徴 -育児中の女性看護師のワーク・ファミリー・コンフリクトとの比較-
  • 2020年度修了生 : 特定機能病院の病棟看護師に必要な退院支援の役割の認識に関する実態調査
  • 2019年度修了生 : 看護師が臨床で直面する倫理的問題と倫理的感受性に関する研究
  • 2019年度修了生 : 高度急性期病院から在宅療養に移行する患者・家族に対する看護師が行う退院支援に関する研究
  • 2019年度修了生 : 講習会前後の看護職者の放射線防護の知識の変化と放射線防護の知識に関係する因子の検討
  • 2018年度修了生 : 自己指向性と他者指向性の双方向からみた看護師の共感性の特徴
  • 2017年度修了生 : 看護管理者に求められるコンピテンシー -看護管理者とゆとり教育世代の比較から-
  • 2016年度修了生 : 救急病棟に勤務する熟達看護師がせん妄の発症を予防するためのケアの特徴
  • 2016年度修了生 : チーム医療における看護師の多職種のエラーを指摘する態度に影響を与える要因

修了生の成果報告

  • 2023年度修了生 認定看護管理者合格

よくある質問(FAQ)

Q1. 働きながらでも修士課程を修了できますか?
→はい! 多くの学生が仕事と学業を両立しています。授業は一部オンライン可能で,講義は夜間が多いです。

Q2. 研究経験がなくても大丈夫ですか?
→問題ありません! ほとんどの学生が研究初心者として入学します。指導教員が丁寧にサポートし,研究計画の作成から論文執筆までしっかりと指導します。

Q3. どのような支援体制がありますか?
→個別指導・少人数制サポートを提供。研究の進め方やキャリア相談など,きめ細かいサポートが受けられます。

Q4. 卒業後のキャリアは?
→病院の看護管理職,大学教員など,多岐にわたる道が開けます。



他に気になることがあれば,お気軽にお問い合わせください!

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  • 管理などマネジメントに興味のある人
  • 日常業務に疑問を感じる人
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