形成外科学講座

形成外科学講座では、広範囲熱傷の初期治療~熱傷後瘢痕拘縮に対する再建、血管腫・血管奇形の集学的治療、悪性腫瘍切除後の再建といった高い技術と経験を要する種々の疾患から、顔面骨骨折の整復固定、皮膚腫瘍の摘出といった一般的な疾患の診療を行うとともに、各種臨床および基礎研究を行い、臨床と研究の両面から次世代を担う若い形成外科医の育成を目指しています。振り返れば、青山 久初代教授により開設された形成外科の伝統(熱傷、血管腫)を引継ぎ、横尾和久二代目教授による、悪性腫瘍(頭頸部癌、乳癌)切除後の再建手術を発展させるべく努力し、全国トップレベルの医療と研究、そして地域医療の両立を目指してきました。形成外科の目指すところは、病変の形態的修復と、障害された機能を回復させる両者です。この理念に沿った治療と研究を心がけております。

教育方針

教室全体で若い医師の育成、 専門医・指導医の取得に向けて取り組んでいます。自由闊達に意見交換を行えるカンファランスが、症例の治療方針決定と、教室員のスキルアップに大事と考えています。当教室のカンファランスは、産休育休中や連携施設出向中の教室員のために、新型コロナ感染拡大前より、リモートで参加できるカンファランスとして開催しています。また、広範囲熱傷患者が入院した際は、当教室のカンファランスに救命救急科の先生方に参加していただき、活発な意見交換と治療方針決定を行っております。月に一回の「長久手サミット」では、スタッフによるレクチャーのほか、連携施設の症例報告や、学会発表予定者や専門医試験受験者の提出症例やスライドのチェックを行っております。

経験ができる疾患では、漏斗胸、多合指(趾)、耳介変形、血管奇形、リンパ管奇形、脂腺母斑、表皮母斑などの先天性疾患、良性から悪性の皮膚腫瘍全般、様々な重症度の熱傷、新鮮もしくは陳旧性の顔面骨骨折、瘢痕拘縮、ケロイド、そして、頭頸部癌や乳癌など他診療科の癌切除後の再建手術、眼瞼下垂や顔面神経麻痺、褥瘡などにわたります。ICUと密接な協力関係を築いており、高度救命救急センターでは、広範囲熱傷に対する同種移植と自家培養表皮移植の実施など、先端的な診療を行うとともに臨床研究を活発に行い、内外に情報発信することを目指します。血管腫・血管奇形では、小児科、放射線科、血管外科、脳神経外科などと連携してベストの治療を選択し、実施いたします。頭頸部再建や乳房再建でも、主科のカンファランスに参加し、チーム医療を行っております。

実施している手技は、皮膚潰瘍や外傷、熱傷に対する外用薬の使用方法に始まり、陰圧閉鎖療法、各種デブリードマン、真皮縫合、植皮術、皮弁移植術、組織拡張器(エキスパンダー)、自家培養表皮移植や、同種皮膚移植、炭酸ガスレーザー・色素レーザー・Qスイッチ付きルビーレーザーなどのレーザー照射、マイクロサージャリーを用いた血管吻合を必要とする遊離組織移植・リンパ管静脈吻合・神経縫合、内視鏡や外視鏡を用いた顔面骨骨折手術・漏斗胸手術、エコーガイド下の硬化療法などです。先天性の耳介変形などに対する矯正治療・腫瘍や外傷治療後の変形の補綴治療を行うために、歯科技工士1名を擁しながら「体表面(皮膚)の補綴」を実施しております。

さて、当教室では専攻医の最短での学会専門医の取得と、専門医は指導医の取得を目標としています。教育を受けた者が、制度上の教育可能なポジションに立って一人でも次世代を育てることが、継続可能な講座の発展をもたらすと考えております。国民の臨床への期待に組織として応えることで、臨床研究、基礎研究を有機的に実施して参ります。専門医養成期間中に大学院へ進学し、学位取得を目指すことも可能です。

活動・研究内容

形成外科学講座では、遊離皮弁による乳房再建術後のモニタリング(近赤外線分光法)、乳房インプラント関連未分化大細胞リンパ腫関連遺伝子の発見と解析、顔面の骨・軟部組織に対する手術、乳房再建手術、仮想現実・拡張現実の手術への応用、リンパ節移植によるリンパ流の再建方法の開発などを行っています。なお、大学院で研究を頑張った教室員3名が、分子医科学研究所や動物実験部門等の協力を得て、令和2年度、令和3年度、令和6年度に学位を取得しました。

教員紹介

研究業績については、研究者データベースをご覧ください。

氏名 職名 専門分野
古川 洋志 教授 血管腫・血管奇形・リンパ管腫、皮膚腫瘍、漏斗胸、リンパ浮腫
梅本 泰孝 講師 乳房再建、美容外科、顔面外傷、外鼻形成手術
田中 真美 助教 形成外科一般、乳房再建、眼瞼下垂、リンパ浮腫
坪井 憲司 助教 頭頸部再建、眼瞼下垂、形成外科一般
山本 健登 助教 熱傷・外傷、頭頸部再建、眼瞼下垂
渡邉 亮典 助教(救命救急科兼務) 頭蓋・顎顔面外科、小児形成外科、手外科、美容外科
森 隆裕 助教 形成外科一般、手外科、瘢痕
森 麗佳 助教 形成外科一般

研究テーマ

氏名 研究テーマ
古川 洋志
  • 血管腫・血管奇形・リンパ管腫の集学的治療
  • 皮膚良性腫瘍・皮膚悪性腫瘍
  • 手足の外傷・先天異常
  • マイクロサージャリーを用いた顔面神経麻痺とリンパ浮腫の外科治療
梅本 泰孝
  • マイクロサージャリー
  • 顔面の骨・軟部組織に対する手術
  • 乳房再建手術
  • 仮想現実・拡張現実の手術への応用
田中 真美
  • 乳房再建、リンパ浮腫、眼瞼下垂
  • 遊離皮弁による乳房再建術後のモニタリング(近赤外線分光法でのモニタリング)
  • 乳房インプラント関連未分化大細胞リンパ腫関連遺伝子の発見と解析
  • 乳房エキスパンダー周囲被膜の病理学的検討とBIA-ALCLの発症リスク低減手術方法の構築
坪井 憲司
  • 遊離皮弁による頭頸部再建
  • 眼瞼下垂
  • 熱傷
山本 健登
  • 毛細血管スコープを用いた体表面の血流の評価と熱傷や血管腫などの疾患における治療効果の検討
  • 培養表皮を用いた熱傷治療とより良く治すための最前線の治療法
渡邉 亮典
  • 小児形成における術後治療効果
  • 眼瞼下垂手術の術中手技の検討
  • 熱傷における自家細胞採取・非培養細胞懸濁液での治療
森 隆裕
  • 熱傷・外傷
  • ディープラーニングの臨床および研究への応用
森 麗佳
  • 新しいリンパ節移植術の開発

キーワード

形成外科、再建外科、広範囲熱傷、乳房再建、頭頸部再建、血管腫、顔面骨骨折、皮膚腫瘍、体表面の先天異常、マイクロサージャリー、体表面補綴

関連リンク

連絡先

TEL
外線:0561-62-3311(代表)
内線:22236(形成外科学講座)
FAX
0561-63-4799(直通)
E-mail
keisei@aichi-med-u.ac.jp

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