3つのポリシー

卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

本学部のコア・コンセプト及び教育理念に基づき, 所定の単位を修得し, 以下の能力を身につけた学生に学士(看護学)の学位を授与します。

  1. 人を全人的に捉え, 生命の尊厳を重んじる豊かな感性と倫理観を身につけている。
  2. 人々の暮らしを支え, 地域社会の健康増進に貢献できる能力を身につけている。
  3. 保健医療福祉のチームの一員として信頼関係を築き, 連携・協働する能力を身につけている。
  4. グローバル社会における看護の役割を理解し, 異なる言語・文化背景に配慮した看護を実践できる能力を身につけている。
  5. 看護専門職者として多様な状況に対応し, 科学的根拠に基づく看護を実践できる基礎的な能力を身につけている。
  6. 看護専門職者として専門性を自律的に探究し, 継続的に向上させていく姿勢を身につけている。

教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

本学のカリキュラムは,教育目標の実現を目指して以下の方針で編成・実施します。看護専門職として基礎的な内容から専門的・応用的な内容へと段階的に学修を積めるように配置するとともに,各段階で4 つのコア・コンセプトを軸にした看護の探求ができるカリキュラムとします。
授業では, それぞれの科目を対面・遠隔授業を併用した講義, 演習, 実習などの多様な学修形態を通じて展開するとともに, アクティブ・ラーニングを活用し, 対象となる人々への深い理解と汎用的・発展的な能力の育成を図る能動的学修を取り入れることで,卒業時到達目標として身につけるべき6 つの力を総合的に育成します。また,学生が大学での学びを通じて自律性や創造性を発揮でき, 生涯学習の基盤となる力を身につけることができる時間割編成とします。

  1. 教育課程の特徴- 4 つのコア・コンセプトを学ぶ科目構成-
    豊かな人間性H u m a n i t y を学ぶ:
        人に深い関心を寄せ, いのちの豊かなありようを尊重する看護を学ぶ。
    地域性C o m m u n i t y を学ぶ:
        日々変化する地域社会状況・生活環境への理解を深め, 社会の健康増進に貢献する看護を学ぶ。
    国際性I n t e r n a t i o n a l i t y を学ぶ:
        近隣の地域住民や専門機関及び大学病院という学際的学修環境を活かし, 多文化共生社会における看護を学ぶ。
    看護の専門性P r o f e s s i o n a l i s m を学ぶ:
        高度急性期医療に対応できる基礎的な看護実践と地域社会の多様な健康課題に対応できる地域ケア実践を学ぶ。
  2. 教育内容(カリキュラム編成)
    教育課程編成の概念は以下の図のとおりです。


    カリキュラムは,各学年次を前学期と後学期に分けた教育単位であり,「教養科目」,「専門基礎科目」, 「看護学専門科目」で構成します。また, 「学年縦断科目」と「領域横断科目」を配置します。
    「学年縦断科目」は, 学年次毎に固定された授業の壁をなくし, 1 学年次から4 学年次までの学修進度に応じた学修の集積を目指します。特に, 多職種連携・協働教育( I P E )に関する学修は, 学内外の保健医療福祉分野の学生参加によって学び合うことにより相互の理解や連携を深めることを目指します。
    「領域横断科目」は, 従来の縦割りの講義を行うのではなく, 看護の共通基盤となる教育を多領域が合同で担当することにより効果的・効率的な学修を目指します。
    「教養科目」は, 看護の基礎を育む科目群です。幅広い教養と現代社会の諸問題について理解し, 様々な人々に纏わる文化的・心理社会的な環境に触れるとともに,専門職者としての学問への導入を狙いとしています。教養科目群は,「人文科学」,「社会科学」, 「自然科学」, 「情報科学」で構成します。
    「専門基礎科目」は, 看護専門職者としての基礎的な知識や看護実践能力育成の基盤となる人間と健康, 人体の基本的構造と機能及び人間を取り巻く環境について理解を深めることを目指して, 「人間の理解」, 「健康の理解」, 「環境の理解」で構成します。
    「看護学専門科目」は, 4 つのコア・コンセプトを体系づけるとともに, 当事者性を重視し, 看護の対象となる人々からの学びを積極的に導入します。地域ケア及び高度急性期医療に対応可能な資質ある看護実践者を育成するために必要な知識・技術等を学ぶことを目的としています。
    地域在宅ケアを強化する科目としては, 「地域・在宅看護」として, 地域看護学と在宅看護学において, 講義・実習を低学年次から高学年次まで包括的に構成し, 医療ニーズが高い対象者の生活を支え, 多職種との連携協働のもとで, 適切なケアを提供するとともに, 必要な資源の開発が思考できる人材育成を目指します。
    また, 看護専門職者として生涯にわたり継続して学び続け, 教育・研究者としての資質が滋養されるP r o f e s s i o n a l i s m の基盤を固めることを目指します。
  3. 臨地実習
    臨地実習は,1 学年次から4 学年次まで一貫した臨地実習科目を段階的に配置し,教員や指導者, 学生間の討議を中心とした計画的・体系的な教育を実践します。
    地域在宅ケアの学びを強化するために, 地域における包括的なケアの推進, ヘルスプロモ― ションに関する保健活動も重視する地域ケア実践能力を育成するとともに, 高度急性期医療に対応しうる基礎的な実践能力が身につく実習内容としています。
    実習は1 学年次から4 学年次まで学修進度に応じて看護学実習を3 段階に分け,各段階にある各実習を完了することにより, 次の段階に進むことができることとしています。
    第Ⅰ 段階は, ① として人々の暮らしの拠点としての地域理解の促進と, ヒューマンケアの基本に関する実践能力を育む実習内容としています。② として, 根拠に基づく看護の実践能力, 成長発達に応じたヘルスプロモーションを促進する実習内容としています。
        ① 1 学年次前学期・後学期
            ア    ヘルスプロモーション実習: 「ヒューマニティ実習」
            イ     基礎看護実習: 「基礎看護学実習Ⅰ 」
        ② 2 学年次前学期・後学期
            ア    基礎看護実習: 「基礎看護学実習Ⅱ 」, 「形態機能学実習」
            イ     ヘルスプロモーション実習: 「母性看護学実習Ⅰ 」, 「小児看護学実習Ⅰ 」,「老年看護学実習」, 「コミュニティ実習」
    第Ⅱ 段階は, 特定の健康課題, 多様なケア環境でチーム体制をもつ実践能力を育む実習内容としています。
        ① 3 学年次後学期
            ア     健康レベル別実習: 「成人看護学実習Ⅰ ・Ⅱ 」, 「精神看護学実習」,「母性看護学実習Ⅱ 」, 「小児看護学実習Ⅱ 」
    第Ⅲ 段階は, ① として特定の健康課題に対応するアドバンスケア実習を配置しています。② として, 看護学士としての学びの統合を図り, 科学的根拠を探求し研究成果と看護実践へ活用する汎用能力を育み, 専門職者として研鑽し続ける基本能力を確認する実習内容としています。
        ① 4 学年次前学期
            ア    アドバンスケア実習: 「地域・在宅看護実習」, 「クリティカルケア実習」,「プライマリケア実習」
        ② 4 学年次後学期
            ア    統合実習: 「統合看護実習」
    保健師課程選択者は, 第Ⅱ 段階として3 学年次後学期に「公衆衛生看護学実習Ⅰ 」,第Ⅲ 段階として4 学年次前学期に「公衆衛生看護学実習Ⅱ 」を配置しています。
    (表1)

入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)

看護学部の教育理念である,人間尊重を基盤とした豊かな人間性(Humanity),社会と人々の暮らしや健康を支える地域性(Community),国内外の多様な文化と価値観を尊重する国際性(Internationality),
社会の変化や多様な状況・場に対応できる看護実践能力(Professionalism)の4つのコア・コンセプトに基づいて,人間を尊重し,多様化する社会に貢献できる人材を求めます。

  1. 看護学を学ぶ上で必要な基礎的学習能力を備えている人
  2. 物事を多面的・論理的に考察することができる人
  3. 自分の考えを適切に表現し,わかりやすく伝えることができる人
  4. 豊かな感性と探究心をもち未来を創造しようとする人
  5. 看護職になるために主体的に学習する意思をもっている人
  6. 人に関心をもち,多様な文化と価値観を尊重することができる人
  7. コミュニケーションを大切にし,他者と協調できる人

    本学看護学部が求める学生を受け入れるための入学者選抜は,次の方針により実施します。

    1) 看護学部の課程で学び,看護専門職者を目指すために必要な基礎学力の到達度を確認します。学校推薦型選抜(公募制)では,基礎学力試験として国語,数学,英語の筆記試験を実施します。
      一般選抜では,国語・数学(いずれかを選択),理科,英語の筆記試験を実施します。
    2) 国語及び英語の筆記試験では,看護学部で学ぶために必要な思考力と表現力を評価します。社会人等特別選抜では小論文を課し,多面的・論理的な思考力と表現力を評価します。
    3) 看護学を学ぶ意欲や自ら積極的に学ぶ学習姿勢,自分の考えを言語化し適切に表現できることを確認するために,一般選抜の出願では「志願理由書」の内容を評価します。学校推薦型選抜及び
      社会人等特別選抜の面接では看護学を学ぶ意欲や自ら積極的に学ぶ学習姿勢や多様な文化と価値観の尊重,コミュニケーション能力を重視します。