精神看護学

精神看護学は、「精神障害」をもつ人への援助だけではなく、看護のあらゆる領域におけるこころの健康維持・増進にかかわる看護学です。
人は、生きていくなかでさまざまな出来事に遭遇し「生きにくさ」と直面します。しかし、何らかの方法で危機を乗り越えられれば、それは単なる脅威ではなく成長のチャンスにもなります。人には自分らしく生きていく権利があり、すべての人が変化と成長の可能性を持っています。それは「精神障害」をもつ当事者・家族だけでなく、すべての人に(もちろん看護師自身にも)あてはまります。
精神看護学領域では、こころの健康維持・増進を目指し、人がさまざまな人とつながり自己実現へと向かうプロセスを支えるための精神的・身体的・社会的な援助を様々な角度から学び、実践し、探究します。

教育方針

視覚的な看護過程教材の作成の様子

人の抱える「生きにくさ」や,その人にとって何が回復であり支援となりうるのかは個別性が高くなかなか数字や文字には表れません。そこで,具体的な事例から受講者それぞれが自分の言葉で考え,表現し,他者と意見を交わらせることを通じて,「精神『科』看護」だけでなくより幅広い「精神看護」の視点や考え方,援助方法を探究するプロセスを大切にします。
そして,「人」と「人」として援助対象と向き合うなかで自分が大切にしたいことは何かを自分の言葉で表現できるよう,学びを支援します。学内演習では,少しでも”現場のリアル”を体感できるよう,視覚的な教材や電子カルテ教材などさまざまな工夫をこらしています。

活動・研究内容

左から松井,心光,小久保

精神看護実践の質を高めるには,対象理解や援助方法の探求だけでは不十分で,看護師の視点やありよう,援助の意味を捉え直すことや,看護師側のメンタルヘルスや治療の場のダイナミクスなどを考えていくことも非常に重要です。また,人の抱える「生きにくさ」は家族や集団,地域社会の問題でもあるため,周辺の人々や環境についての理解を深め示唆を得ることも,精神看護と深くかかわってきます。
このため,実践や研究を進めるにあたって多種多様なアプローチ・視点が特に大切なのが精神看護学領域です。実践者・研究者としての領域メンバー自身のもつ個性や強み,背景をお互いに活かして日々切磋琢磨しています。

スタッフ紹介

氏名 職名 専門分野
心光 世津子 教授 精神看護学
小久保 知由起 助教 精神看護学
松井 陽子 助教 精神看護学

研究テーマ

氏名 研究テーマ
心光 世津子
  • 精神科看護における自己決定支援に関する研究
  • 精神障害からの回復・リカバリーに関する研究
  • セルフヘルプ・グループやピアサポートに関する研究
  • 精神看護学教育に関する研究
小久保 知由起
  • 精神看護実践に関する研究
  • 精神看護学教育に関する研究
  • 治療環境に関する研究
松井 陽子
  • 精神科看護管理者のリカバリー志向に関する研究

キーワード

リカバリー,自己決定,セルフヘルプ・グループ,メンタルヘルス

関連リンク

連絡先

直接研究室にお問い合わせください。

TEL
外線:0561-62-3311(代表)