先進糖尿病治療学寄附講座(令和5年度終了)

講座終了のご挨拶

糖尿病性合併症とりわけ神経障害の発症メカニズムの解明とその治療法の確立に関する基礎的および臨床的研究の推進を目的として令和3年4月1日に医学部に設置された先進糖尿病治療学寄附講座は,3年の設置期間を経て令和6年3月31日をもって講座終了となりました。
糖尿病性合併症とりわけ糖尿病性神経障害の発症メカニズムの詳細については未だ不明な点も多く,世界的に統一された診断基準も簡便な検査方法も確立されていないという現状を踏まえ,厚生労働科学研究費補助金(循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業)による「糖尿病神経障害・糖尿病足病変の診断ガイドラインならびに管理法の確立」に関する研究では,全国多施設において糖尿病症例を集積し,横断的研究と縦断的研究を実施しました。最終的には,集積したデータを元に解析を進め,日本の臨床の現状に即した新たな診断基準を策定することができました。加えて,網膜症・腎症・動脈硬化症といった糖尿病性合併症と神経障害との関連性などについて,臨床データも用いながら多面的縦断的研究を行ってきました。また,糖尿病性神経障害の成因と治療および糖尿病の病態に関する基礎研究として様々な課題に取り組み,着々と成果が得られていることから,糖尿病の先進的治療法の確立につながることが期待されます。
最後に,設立・運営にあたり本学関係者の皆様並びに企業様のご支援に心より御礼を申し上げますとともに,愛知医科大学の更なる発展を祈念いたします。

活動・研究内容

スタッフ紹介

研究業績については,研究者データベースをご覧ください。

氏名 職名 専門分野
中村 二郎 教授 糖尿病学,内科学
姫野 龍仁 講師(兼務) 糖尿病学,内科学

研究テーマ

氏名 研究テーマ
中村 二郎
  • 糖尿病および合併症の成因・治療に関する研究
  • 糖尿病神経障害の診断および重症度評価に関する研究
  • 糖尿病神経障害の病態における神経終末グリア細胞の役割の解明
  • 糖尿病神経障害の治療効果判定のための定量的検査法の確立
姫野 龍仁
  • 糖尿病および合併症の成因・治療に関する研究
  • 糖尿病神経障害の診断および重症度評価に関する研究
  • グルコース応答性Kチャネルの末梢神経機能における生理的役割の解明
  • インスリンシグナルの組織内幹細胞に及ぼす影響の検討

キーワード

糖尿病,糖尿病性合併症,糖尿病性神経障害,再生医療,角膜共焦点顕微鏡,DPNCheck™(簡易神経伝導検査)

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