医学部長あいさつ

医学部長 若槻明彦

医学部長 笠井謙次

2019年からの新型コロナウイルス感染症により,多くの人々が身体,精神,社会活動を傷つけられ,未だにその苦悩の中にいます。今後果たして世界はコロナ以前に戻るのでしょうか?あるいは,もはや時代は変わってしまったのでしょうか?

本学は「新時代の医学知識,技術を身につけた教養豊かな臨床医,特に時代の要請に応えて地域社会に奉仕できる医師を養成し,あわせて医療をよりよく発展向上させるための医学指導者を養成すること」を目的として1972年に建学されました。以来、時代に即した最新の医療環境の中で,最良の学生教育を行ってきました。例えば、超高齢者社会の到来を見越して1983年には加齢医学研究所を開設し,これまでに各種神経疾患の病態に関する先端的成果を多く挙げてきました。1996年,愛知医科大学病院は愛知県下第一の高度救命救急センターの指定を受け,ドクターヘリ基地病院としても稼働を始めると共に,南海トラフ地震を含めた大規模災害に対応するため,学内に災害医療研究センターを開設しました。加えて本学は新型コロナウイルス感染症を契機に策定された感染症人材育成事業(文部科学省)に選定され,感染症に関する高度な知識を身につけ人材育成機関としても期待されています。本学学生はこうした他には無いユニークな医療環境の中,医学教育分野別評価(日本医学教育評価機構)で認定された教育カリキュラムに基づいて「時代の要請に応える医師」となるべく日々学修を続けています。

一方本学は学是「具眼考究」で表すように,現在の様な困難な時代にこそ,医学生物学的,精神心理学的,社会経済的視点に立ち,包括的,全人的に患者を把握する感性が重要だと考えています。医療人は,人や社会が今日よりも明日,明日よりも明後日には少しでも良くなりたいとの思いに寄り添い,その実現の為に自らの持てる全能力を駆使し続けなければなりません。そのため本学では特にプロフェッショナリズム教育を重視し,ヒューマニズムに徹し,医学・医療の社会的使命を進んで果たす医療人の育成を目指しています。

本学は2022年,開学50周年を迎えます。すでに4,400名を超える「愛知医大ism」を供えた卒業生が日々診療,研究,教育に当たっています。
是非一人でも多くの若者が熱い志を以って本学に参集し,知識,技術,教養,感性を身に付け,時代を切り開き社会の付託に応える力となることを願っています。

以上を医療を志す若者へのメッセージとして贈ると共に,本学医学部に対する皆様のご理解,ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

プロフィール

略歴

1987年3月 名古屋大学医学部医学科 卒業
1995年3月 名古屋大学大学院医学研究科 博士(医学)取得
2004年6月~2007年3月 愛知医科大学医学部病理学講座 助教授
2007年4月~2017年5月 同 准教授(職階名変更に伴い)
2017年6月~現在 同 教授
2017年6月~現在 愛知医科大学大学院医学研究科 教授
2018年7月~2022年3月 愛知医科大学医学教育センター 副センター長
2021年4月~現在 愛知医科大学 副学長
2022年4月~現在 愛知医科大学医学部長・大学院医学研究科長

2022年4月~現在

学校法人愛知医科大学 理事・評議員


所属学会

日本病理学会
日本癌学会
日本分子生物学会
日本乳癌学会
日本医学教育学会