看護管理学領域

看護管理とは，患者・家族に対して質の高い看護を提供することを目的として自身の所属する組織に求められる役割・課題を明確にし，よりよい組織運営を目指して組織に働きかける活動を指します。このような効率的な組織運営に向けて，看護管理学では組織論や動議づけ理論などの諸理論を基に，限りある資源を有効に活用して，質の高い看護を提供するための人材活用方法，目標管理，チーム医療における効果的なリーダーシップ，医療安全について学びます。これらの学習を通じて，役職の有無に関わらず臨床場面にて活用・実践できる力を養います。

自身が持つ明確な研究テーマに対して，大学院生として主体的な学習が中心となります。看護管理を構成する諸理論については，海外・国内の文献検討を通じて理解を深めます。看護管理に関する諸理論を学ぶことで，看護実践者として所属組織における課題を追求します。
自身の研究課題に対して，グループワークやディスカッション，プレゼンテーションを定期的に実施することで，課題解決に向けた効果的な研究手法を模索します。

医療分野において，効率的な看護管理の実現には「ヒト」「モノ」「カネ」の三側面からの検討が重要です。本領域では，「ヒト」の側面から個々の看護実践技術の一つである聴診技術に着目し，聴診技術の可視化についての研究を行っています。「ヒト」の持つ力を正確に把握することは効率的な人材配置と医療事故予防に向けた効果的な教育に繋がります。
この他にも，看護職者・ケア従事者の教育プログラム開発，多職種連携教育，看護職者のメンタルヘルス，シミュレーション教育など，心理学の知識を応用した研究が行われております。
本領域では，量的・質的研究手法を用いた研究デザイン等，大学院生自身の興味のある課題を研究テーマとすることが可能です。

• 2020年度修了生 ： 育児中の男性看護師のワーク・ファミリー・コンフリクトの特徴 －育児中の女性看護師のワーク・ファミリー・コンフリクトとの比較－
• 2020年度修了生 ： 特定機能病院の病棟看護師に必要な退院支援の役割の認識に関する実態調査
• 2019年度修了生 ： 看護師が臨床で直面する倫理的問題と倫理的感受性に関する研究
• 2019年度修了生 ： 高度急性期病院から在宅療養に移行する患者・家族に対する看護師が行う退院支援に関する研究
• 2019年度修了生 ： 講習会前後の看護職者の放射線防護の知識の変化と放射線防護の知識に関係する因子の検討
• 2018年度修了生 ： 自己指向性と他者指向性の双方向からみた看護師の共感性の特徴
• 2017年度修了生 ： 看護管理者に求められるコンピテンシー　－看護管理者とゆとり教育世代の比較から－
• 2016年度修了生 ： 救急病棟に勤務する熟達看護師がせん妄の発症を予防するためのケアの特徴
• 2016年度修了生 ： チーム医療における看護師の多職種のエラーを指摘する態度に影響を与える要因