研究目的

 急性の臓器障害は死に至る重篤な病態で、その制御・治療法の確立は医療上きわめて重要な課題となっています。致死的な臓器障害は、炎症、変性などによる急激で大量かつ多様な細胞の死(細胞死)によって引き起こされます。この急激な細胞死の制御が可能になれば、重篤で致死的な臓器障害を阻止することができ、移植、再生医療に及ぼす負担を軽減することができるのです。
 本プロジェクトは、多様な細胞の急激で大量の細胞死のメカニズムを細胞死(アポトーシス)と細胞不死化(癌化)の両面から解析し、それを制御する分子群を明らかにし、それらを標的とした創薬を行い、致死的な臓器障害を阻止する新規分子標的治療法を確立することを目的としています。特に本プロジェクトでは、遺伝子スクリーニングという独創的な手法を用いて、多様な細胞の急激で大量の細胞死の制御を目指します。