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眼形成・眼窩・涙道外科

手術風景

手術風景

院内所在マップ

中央棟4階  クリックすると拡大します

眼形成・眼窩・涙道外科では,眼球付属器(眼周囲の組織)を対象とした診療を行っています。良好な視機能を保持するためには,眼瞼,眼窩,涙道の状態が正常に保たれていることが不可欠です。これらの病的状態に対し,外科的治療あるいはその他の方法で改善をはかります。

眼瞼下垂や内反症などの一般的な疾患から,高度な再建を要する難症例まで幅広く対応しています。中でも甲状腺眼症の合併症(眼球突出,眼瞼後退,内反症,斜視)に対する手術は国内随一の症例数を誇り,全国各地から患者が訪れます。視機能のない義眼症の形成は,特殊な目的となりますが,これも眼形成外科領域に含まれます。甲状腺眼症や眼窩炎症性疾患では消炎を目的としたステロイド治療などの内科的治療も行っています。

眼窩壁骨折,眼窩出血,涙小管断裂等の外傷性緊急疾患に対してもすぐに対応できるよう態勢を整えています。

診療部門からのごあいさつ

部長 柿崎裕彦

部長 柿崎裕彦

疾患概念や手術術式は日々進化しています。我々は積極的に臨床研究を行い,世界に情報発信することによって,視機能面や整容面に配慮した再発の少ない『最善の医療』を提供できるよう,日々努力しています。

主な対象疾患

眼形成外科疾患全般に満遍なく対応しております。

眼瞼下垂(退行性,先天性,他),上眼瞼内反症,下眼瞼内反症,睫毛乱生,上眼瞼皮膚弛緩,下眼瞼形成,眉毛下垂,外反症,眼瞼後退・兎眼症,多発眼瞼裂傷,眼瞼けいれん

甲状腺眼症,眼窩壁骨折,眼瞼腫瘍,眼瞼悪性腫瘍,眼窩良性腫瘍,眼窩悪性腫瘍,眼窩炎症性疾患,眼腫瘍,結膜腫瘍,無眼球症

涙小管閉塞,鼻涙管閉塞,慢性涙嚢炎,先天鼻涙管閉塞

霰粒腫,翼状片,結膜弛緩症

専門外来

眼形成・眼窩・涙道外来

曜日 月曜日,木曜日
診療時間 月 9:00~16:00 木 9:00~12:00
担当者 柿崎裕彦,高橋靖弘,北口善之
受診方法 眼形成・眼窩・涙道外来担当医表はこちら
※医師の担当日時(週・曜日)についてはこちらでご確認ください。
手術日
月曜日午後(局所麻酔),水曜日全日(局所麻酔),金曜日全日(全身麻酔)

注 :当院は特定機能病院であるため,紹介状をお持ちでない患者さんは,初診時に別途実費がかかります。

診療・治療実績

手術実績

2012年:総数824件

眼瞼手術 眼窩手術 涙道手術 結膜手術 斜視手術 その他
494件 204件 62件 22件 31件 11件

2013年:総数947件

眼瞼手術 眼窩手術 涙道手術 結膜手術 斜視手術 その他
608件 202件 69件 39件 25件 4件

2014年:総数988件

眼瞼手術 眼窩手術 涙道手術 結膜手術 斜視手術 その他
628件 212件 62件 31件 52件 3件

2015年:総数1,020件

2016年:総数1,202件

設備等

  • ソノペット(超音波手術器)
  • 鼻内視鏡
  • 涙道内視鏡

治療方針

甲状腺眼症
炎症のある場合には,ステロイドパルス治療や放射線治療を行い,消炎後に,合併症に対する手術治療を行っています。ステロイドパルス治療は,原則として入院して行います。
放射線治療はステロイドパルス治療での入院中に,同時に行うことがほとんどです。
眼球突出に対しては眼窩減圧術を,兎眼に対しては病態に応じて眼窩減圧術ないしは上眼瞼延長術,複視に対しては斜視手術を行います。
甲状腺眼症における眼窩減圧術では,術後の眼球運動障害の発生が少ない『外側深部減圧』を第一選択として行っています。また,甲状腺眼症で頻繁に遭遇する上下の眼瞼後退に対する手術では,独自の改良を加えた術式を採用し,美容外科的にも配慮した手術を行っています。

外側深部減圧(術前)

外側深部減圧(術前)

(術後)

(術後)

甲状腺眼症に対する外側深部眼窩減圧術の術前・術後のCT画像です。術後は眼窩内のスペースが広くなっており,効果的に減圧されています。

涙道疾患,新生児・乳児の流涙
涙道閉塞に対する手術では,皮膚に傷が残らず,内視鏡を使って鼻の中から行う涙嚢鼻腔吻合術・鼻内法をほぼ全症例に行っています。再発率はかなり少なく,2~3%です。軽度の涙道閉塞や狭窄に対しては,涙道内視鏡を用いた再建術を行っています。
先天鼻涙管閉塞は,生後1年以内にほとんどが治癒するため,経過観察を第一選択としております。経過中,めやにが出ることがありますが,その原因は涙道の閉塞であり,また,小児は耐性菌を生じやすいため,抗生物質点眼は極力控え,使用する場合も1週間を限度としています。稀な状態に涙嚢ヘルニアがありますが,この場合には手術が必要となります。

涙道手術では,涙道内視鏡・鼻内視鏡を用いることによって,涙道内部をモニター上で直視下に観察することができ,手術を安全,確実に施行することができます。

眼瞼下垂や下眼瞼内反症等の眼瞼疾患
当グループから多数の論文を報告しており,また,解剖学的エビデンスや発症病理に基づいた手術を行っているため,良好な手術成績をあげております。
眼瞼下垂手術においては,生理的な上眼瞼のカーブの作成等,美容外科的に配慮した手術を心がけ,また,眼に優しい手術を行っております。
下眼瞼内反症手術に関しては,独自の改良によって低い再発率を誇っています。
外傷や先天性の醜形の修正も行っております。レックリングハウゼン病による顔の醜形も手術的に修正が可能です。
義眼床形成
眼球内容除去術後の義眼床形成では,眼球後極の切開を併用するため,可及的に大きな義眼台の挿入が可能です。この眼球後極切開法を併用した義眼床形成術は,本邦では当グループだけが行っています。Pegを用いた可動性義眼は義眼台脱出の可能性が大きいので行っておりません。
小児の眼球摘出後には,眼窩の発育を促すために,徐々に大きな義眼を装着する必要があります。また,適切な義眼床を形成しなければなりません。当グループでは発育に応じた義眼床形成,義眼作成を行っています。
眼瞼腫瘍摘出再建
悪性腫瘍は命にかかわるため,確実に全摘出を行う必要があります。当科では眼瞼悪性腫瘍に対して切除と再建を同時手術中には行わず,病理検査の結果次第で追加切除を行えるようにしているため,再発のリスクが小さくなっております。
そのため数回の手術を必要とすることがありますが,通常,局所麻酔下で行うことが可能であるため,ほとんどの場合で日帰り手術が可能です(遠方の方は入院治療も可能です)。
眼瞼組織を大きく切除した場合は,対側の瞼板や皮膚,鎖骨下の皮膚,口唇粘膜,硬口蓋粘膜,耳介軟骨などを用いた再建を行っています。再建には,整容面,視機能面で最良の結果が得られるよう,元の組織になるべく性状の近い組織を用いることを第一選択としています。
眼窩腫瘍
手術では,切開線を目尻におくswinging eyelidアプローチや経重瞼線アプローチ,経涙丘アプローチなどを用いるため,術後の傷は最小限に抑えられ,また,広い術野を確保できるため,より安全,確実な手術が可能となっております。
Swinging eyelidアプローチや経涙丘アプローチによる眼窩腫瘍摘出術は本邦では当グループだけで行われている術式です。
特発性眼窩炎症やIgG4関連眼疾患などの炎症性疾患に対しては,CTやMRI,採血等の検査を行い,ステロイド治療等の消炎治療を行います。
眼窩壁骨折
エビデンスに基づいた手術適応基準に照らして,手術または経過観察を決定しおります。手術は,診察後,迅速に対応しています。

注 :眼の周囲は美容的に重要な部位であるため,美容外科的に配慮した手術を行っておりますが,健康保険で治療を行うため,美容外科は扱っておりません。

キーワード

眼窩減圧術,甲状腺眼症,涙嚢鼻腔吻合術,眼窩腫瘍,眼瞼腫瘍,義眼床再建,眼瞼下垂,内反症,外反症,兎眼,眼瞼けいれん

連絡先

TEL
外線 : 0561-62-3311(代表)