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歯科口腔外科

当科は,専門的な治療を要する口腔および顎顔面領域の疾患に対して,最新の診断治療技術を駆使して「良質で安全な医療」を目指しています。外来は午前中の新患外来および専門外来の初診の受付を随時しています。
午後は,再診を行っています。外来での処置(抜歯などの小手術)は,全て予約制で対応しており,待ち時間の短縮を計っています。専門外来は,再診として口唇口蓋裂外来,口腔腫瘍外来,顎関節外来,顎変形症外来,睡眠外来,顎顔面補綴外来、インプラント外来、再生医療外来を設けています。
また,緊急疾患に対してはいつでも治療に対応できる体制を整えています。
※原則として通院可能な方の一般歯科治療(入れ歯やむし歯,歯の神経の治療,被せ物の治療など)は,近医かかりつけ歯科へ紹介させていただく場合がありますのでご了承ください。

診療部門からのごあいさつ

部長 風岡 宜暁 

部長 風岡 宜暁

愛知医科大学 歯科口腔外科の特徴としましては,年間約1,350症例近くの外来小手術(親知らずの抜歯など)を行っております。外来小手術は平日の午後より毎日行っております。また,毎週木曜日は全身麻酔を用いた比較的大きな手術を行っております。
医局構成としては,主任教授1名,准教授1名,講師1名,助教9名です。(平成27年1月1日現在) 医局カンファレンスは,1回/週です。
新病院の開院に伴い歯科口腔外科の外来診察室も一新されました。歯科口腔外科では,より一層の臨床の充実を図るつもりです。 研究面においては,口腔腫瘍に対しての免疫療法や睡眠時無呼吸症候群についての基礎などの研究をすすめております。 医局は多忙ではありますが,親しみやすい雰囲気です。臨床研修医を経たのち,共に臨床や研究を行いたい意志のある方はご連絡ください。また,大学院に進み学位論文の取得も目指す方も大歓迎です。

主な対象疾患

  • 外傷(歯の脱臼,顎骨の骨折など)
  • 口唇口蓋裂
  • 口腔腫瘍(良性腫瘍・悪性腫瘍)
  • 嚢胞
  • 顎関節症
  • 顎変形症
  • 睡眠時無呼吸症候群
  • 顎顔面補綴
  • インプラント
  • 再生医療
  • 免疫療法など

専門外来

インプラント外来

CTによるシミュレーション 

CTによるシミュレーション

治療前

治療前

インプラントによる治療例(矢印部) 

インプラントによる治療例(矢印部)


虫歯,歯周病などにより歯を失ってしまった場合,うまく食べられなくなり,咀嚼効率が低下すると言われています。回復する手段として現在,ブリッジなどの歯冠補綴や入れ歯(義歯),人工歯根(インプラント)による治療が行われています。インプラントは,生体親和性の高い材料であるチタンを用いて土台を作り,その上に歯を作るものです。土台はご自身の骨と骨結合(Osseointegration)により直接結合が得られます。この治療は,入れ歯と比較して違和感が少ない,他の歯を傷つけずに治療できる,自分の歯と同等の咀嚼能力に回復できる,といった利点があります。本法はおよそ40年前より臨床応用がなされ,高い成功率を収めてきました。一方で,外科処置が必要なため,適切な診断,治療が重要です。当科では,安全性を高める面からもcomputer tomography (CT)を用いて,手術前に骨の量,解剖学的形態などを調べ,手術の計画を立案し,患者さんに説明しています。実際の術式は,まず歯が無くなってしまった部位に麻酔を行い,専用のハンドピースと各種切削器具により可及的に組織侵襲を抑えた形成を行い,インプラントを顎骨内に埋入し,治癒期間を待ちます。通常下顎で3ヶ月,上顎で6ヶ月程の待機期間後,粘膜を切開し,アバットメントを連結、型、噛み合わせなどを採得することにより,上部構造である歯を装着します。また,インプラントを埋入するには支える骨が必要となります。高度な骨の吸収,外傷などにより骨が欠損してしまった患者さんに対しても,骨移植や再生医療などを応用することにより,治療を行っております。

適応症例
  1. 歯周病やう蝕により歯を失った症例
  2. 顎の歯槽骨が高度に吸収し、義歯の安定が得られない症例
  3. 顎骨欠損や歯槽骨欠損により、義歯では十分な咬合機能が回復されない症例
  4. 交通外傷などによりブリッジによる補綴が困難な症例
  5. 顎裂部骨欠損や先天的に歯を欠損している症例

などさまざまな症例に適応しております。

担当者 山田陽一
受診方法 一般外来受診後に専門外来(再診)となりますので,一度,一般外来にご紹介ください。
診療日時 歯科口腔外科外来担当医表はこちら
※医師の担当日時(週・曜日)についてはこちらでご確認ください。

口唇口蓋裂外来

右側口唇裂の患児

右側口唇裂の患児

この疾患は,チ-ムアプロ-チが必要である事は言うまでもありません。われわれの施設は大学病院という良い環境の中にあります。この特色を生かし,患者さんの症状に応じて小児科,形成外科,耳鼻咽喉科と連携を行い患者さんの管理を行っています。言語治療については特殊な面もあり,愛知学院大学附属病院の言語治療室の協力を得ています。幸い現在までに構音障害からの再手術が必要例は極めて少ないのが現状です。当科の基本的手術は,口唇形成術は三角弁法を基本とし,手術時期は体重5kgを目安としています。再形成は変形が顕著で無い限り,出来るだけ学齢期まで待ち,可能な限り手術回数を減らしています。口蓋形成は体重10kgになった時にプッシュバック法で行っています。再形成は言語治療の結果から矯正治療の進展との兼ね合いで行っていますが言語を優先としています。再プッシュバックと咽頭弁移植術の同時併用を行っています。口唇形成の問題点は人中形成と鼻翼形成です。鼻翼形成では,オ-プンメソッド(西村法)を取り入れ形態修正の大きな進歩を見ています。また小児科,麻酔科の協力が得られる事から全身的疾患,他部奇形を有する患者さんの手術を依頼される点であり,医科大学病院の特徴を生かしていきたいと考えています。

担当者 風岡宜暁
受診方法 一般外来受診後に専門外来(再診)となりますので,一度,一般外来にご紹介ください。
診療日時 歯科口腔外科外来担当医表はこちら
※医師の担当日時(週・曜日)についてはこちらでご確認ください。

顎関節外来

関節円板洗浄療法

関節円板洗浄療法

顎関節症は顎関節雑音,開口時痛,開口障害を主症状とする疾患で,その数は口腔外科を受診する方の2割ほどです。顎関節症の発生機序や病態は不明な部分が多く,治療法もスプリント(マウスピース)や理学療法,薬物療法などの療法に頼っていました。しかし,MRI,関節鏡の導入により,顎関節症の一部の型については,病態解明や治療方針の改善が進んでいます。愛知医科大学病院歯科口腔外科外来においても1992年より顎関節外来を開設しています。当科での治療は顎関節学会のすべての型で,原則として薬物療法,スプリント(マウスピース)療法やマイオモニター療法(筋の電気的マッサージ)などの非観血的処置を行います。顎関節症のうち,当科での検討から導いた臨床診断で関節円板がずれて元に戻らないタイプ(III b型)が疑われる場合は必要に応じてMRI検査を行い,かつ痛みや開口障害を伴う場合ではマニュピレーション(徒手的円板整復術)や関節円板洗浄療法(改善率70~80%)を行っています。

担当者 大村元伸
受診方法 一般外来受診後に専門外来(再診)となりますので,一度,一般外来にご紹介ください。
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睡眠時無呼吸症候群外来

口腔内装置の一例

口腔内装置の一例

睡眠・覚醒リズムは基本的な生命現象であり,睡眠時間の長短は生命予後に影響を及ぼすと言われています。現代のように人生80年の時代になると,この睡眠・覚醒リズムが,鼾(いびき)や気道閉塞のために障害され,不眠を訴え,精神障害や循環器系の障害などの合併症を引き起こしている人が多く見られるようになってきました。なかでも睡眠中に呼吸が止まるような病気は,睡眠時無呼吸症候群として1976年に発表されてから,その病態や治療方法が研究されてきました。当科においては,下顎の前方移動により気道を開放しようとする口腔内装置(OA;Oral Appliance)による治療を行うと同時に,セファログラムやCTなどを用いてその作用機序を研究しています。

治療の対象となる患者さん

当科での治療は,当院,睡眠科の治療法の一つとして,閉塞性睡眠時無呼吸症候群と診断された患者さんのうち,口腔内装置による治療を勧められた患者さんを対象としています。この内,協力の得られた症例では,セファログラムやCTにより治療効果を確認します。

治療効果

睡眠ポリグラフ検査(PSG)を施行したところ,約70%の患者で症状の改善が認められています。特に,いびきに関しては,ほとんどの症例において著効しています。一方,顎関節症状や歯根膜炎症状をみた症例も若干みられましたが,装置の調整などで対応して,重篤な副作用は認めておりません。

睡眠は,生命予後に大きな影響を及ぼすと言われていますが,その重要性については,これまであまり述べられてきませんでした。今後,これまでのセファログラムによる検索だけではなく,歯列や舌などの軟組織を含めた口腔内状態や,口腔をとりまく諸筋群との関係をテーマに加えて,睡眠時無呼吸症候群の病体解明を続ける予定です。

担当者 古橋明文
受診方法 一般外来受診後に専門外来(再診)となりますので,一度,一般外来にご紹介ください。
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※医師の担当日時(週・曜日)についてはこちらでご確認ください。

顎顔面補綴外来

エピテーゼによる術後の審美的回復

エピテーゼによる術後の審美的回復

顎顔面口腔領域に生じる諸疾患により,実質欠損を認めると日常生活に著しい支障を来たし,精神的苦痛も計り知れません。マイクロサージャリーを初めとする再建法の進歩により,有茎皮弁に比べ自由度が向上して,口腔腫瘍の進行症例に対して広範囲切除が可能であり良好な成績が得られています。さらに,歯科用インプラントの応用によって,術後の咬合機能再建が図られています。また,年齢や全身状態などの諸事情で再建術が選択できないときは,顎顔面補綴による機能的, 審美的回復が求められ,エピテーゼや矯正装具による回復を得ています。耳介奇形,眼窩欠損や義眼治療を手がけています。

担当者 風岡宜暁
受診方法 一般外来受診後に専門外来(再診)となりますので,一度,一般外来にご紹介ください。
診療日時 歯科口腔外科外来担当医表はこちら
※医師の担当日時(週・曜日)についてはこちらでご確認ください。

口腔腫瘍外来

口腔内にも様々な腫瘍性病変が生じます。特に悪性腫瘍に対しては動注放射線化学療法を中心に手術療法や免疫療法を含めた集学的治療を行うことで,治療成績向上と機能温存が得られることを目指しています。その場合,重要となる即時再建術は,当院形成外科の協力の下,微小血管吻合による遊離皮弁・骨移植を行い,機能的,形態的に良好な結果を得ています。

担当者 風岡宜暁
受診方法 一般外来受診後に専門外来(再診)となりますので,一度,一般外来にご紹介ください。
診療日時 歯科口腔外科外来担当医表はこちら
※医師の担当日時(週・曜日)についてはこちらでご確認ください。

診療・治療実績

診療・治療実績(平成27年度)

外来患者数(1日平均) 99.5人
入院患者数(1日平均) 11.0人
外来小手術(平成26年度) 1,350例/年
患者紹介率(平成26年度) 58.7%
患者紹介数(平成26年度) 162.7人/月

設備等

内容
入院病床数 8床

キーワード

口唇口蓋裂,口腔腫瘍,顎関節症,顎変形症,睡眠時無呼吸症候群,顎顔面補綴,インプラント,骨移植、骨再生、再生医療,免疫療法

連絡先

TEL
外線 : 0561-62-3311(代表)
内線 : 37100 46歯科口腔外科外来(9:00~17:15)