消化管内科

消化器内科の診療で大部分を占める消化管内視鏡診療(検査・治療)の件数は年々増加の一途を辿っており,現在,年間約7,000件以上の内視鏡を用いた診断・治療を行っています。当院では最新型の内視鏡(NBI拡大内視鏡)や超音波内視鏡,細径経鼻内視鏡を備えており,正確で精密な診断を行うとともに安全で苦痛のない内視鏡検査を目指しています。また,小腸は長さが数メートルある上,口からも肛門からも遠いため従来の方法では小腸の全域を検査することが困難でしたが,カプセル内視鏡やダブルバルーン小腸内視鏡を用いることにより検査を行うことが可能となりました。一方,内視鏡的治療においては,早期消化管癌に対する内視鏡的治療を積極的に行っております。これまでに早期食道癌,早期胃癌(腺腫を含む),早期大腸癌に対する内視鏡的粘膜下層切開剥離術(ESD)を多数実施しており,安全かつ良好な治療成績を積み上げてきています。さらには,このような実績をもとに,より低侵襲な消化管癌治療の実践と開発を目指して,消化器外科・臨床腫瘍センター・中央放射線部との集学的診療体制を構築しています。 胃・十二指腸潰瘍や胃がんの原因といわれるヘリコバクター・ピロリ菌に対しては,積極的に除菌治療を行っています。また,炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)診療に対しても,厚労省難治性疾患克服研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する研究班」に属し,診療ガイドラインの策定,新たな治療法の開発,病因・病態解明に取り組むとともに,臨床治験を積極的に受け入れて実施しています。治療に関しても,既存の治療法に加えて,生物学的製剤等を含め,様々な治療法を積極的に導入し,患者さんの生活の質(QOL)を飛躍的に向上させています。 近年,機能性消化管障害という内視鏡検査などでは異常は認められないにも関わらず腹部症状を呈する疾患群が注目されております。「機能性胸やけ」,「機能性ディスペプシア」,「過敏性腸症候群」などがこれらに当てはまります。われわれは早くからこれらの疾患に注目し研究をかさね,さまざまな治療法を行ってきました。現在,病院では3つの専門外来を設けて,ご紹介頂いた多くの患者さんに対し症状や病態に応じた適切な治療法を提案しております。

診療部門からのごあいさつ

部長(消化管内科)
副院長・内視鏡センター部長
春日井邦夫

消化管内科

私の専門とする消化管は食道から胃,十二指腸,小腸,大腸に至る大変長い臓器で,食べ物を消化・吸収する機能を持ったヒトが生きていく上でとても重要な臓器です。当然,そこには数多くの疾患が存在します。当科ではそのすべてに対応可能な医療機器とスタッフを揃えております。一般病院では対応不能な先進的で高度な検査・治療を積極的に取り入れ,多くの臨床治験を行うとともに当大学の倫理委員会に承認された先進的医療を推進し良好な成績を上げています。当科は消化器領域の指導医・専門医による特定機能病院にふさわしい高度な医療を実践するのみならず,プライマリケアーや緊急対応を含めた消化器疾患全般にわたる診断・治療にも24時間365日対応可能な体制をとっております。さらに,肝胆膵内科,消化器外科,放射線科,救命救急科などの他診療科とも密接な連携をとり,ナースやコメディカルスタッフを含めた最善のチーム医療を構築しています。また,医療連携センターを通じて紹介患者さんや内視鏡検査のダイレクト予約を数多く受け入れており,地域と密着した医療連携も積極的に推進しています。

私どものモットーは,患者さんに優しく,安全・安心な医療を最高のスタッフで提供する事です。そのため,日夜患者さんや病気と謙虚に向き合い,真摯に努力する事を怠らないように心がけています。胃や腸をはじめ消化器全般の病気について御心配なことがありましたら,お気軽にかかりつけ医にご相談のうえ当科を紹介受診してください。

主な対象疾患

  • 食道疾患(逆流性食道炎,食道癌,食道潰瘍,アカラシア等)
  • 胃・十二指腸・小腸疾患(胃炎,潰瘍,各種癌,粘膜下腫瘍等)
  • 大腸・肛門の疾患(炎症性腸疾患,腸炎,急性虫垂炎,腸閉塞,各種癌,大腸ポリープ,過敏性腸症候群,蛋白漏出性胃腸症,虚血性腸炎,痔瘻,痔核等)

高度な専門医療

高度な医療

ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)

主に消化管早期癌に対して,内視鏡下で安全に切除できる手術

胃粘膜下腫瘍に対するハイブリッド手術

内視鏡と腹腔鏡を使用した低侵襲性手術

カプセル内視鏡・バルーン小腸内視鏡

小腸疾患(原因不明の消化管出血を含む)に対する診断と治療

拡大内視鏡やNBIシステム

早期がんの発見率の向上と精度の高い診断

食道内圧検査

食道内pH・インピーダンスモニタリング検査による食道機能解析

ステント留置術

消化管閉塞時の低侵襲性治療

専門外来

胸やけ

胸やけや呑酸,喉の違和感など食道が原因と思われる疾患の診断と治療を専門的に行う外来です。いろいろな検査で異常がないと診断されても,つらい自覚症状が続いている患者さんに対して,当科が得意とする食道機能検査や心理検査などを組み合わせて行い,患者さんそれぞれに最も適した治療法をオーダーメイドで作り上げております。

担当者 春日井邦夫(第1,3,5週),舟木康(第2,4週)
受診方法 再診患者,地域連携のみ(注)
診療日時 ※医師の担当日時(週・曜日)についてはこちらでご確認ください。

注:再診患者:再診患者のみの受付の為,一度,一般外来を受診して下さい。
地域連携:かかりつけ医から地域医療連携室を通してご予約下さい。

炎症性腸疾患

炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)は原因不明の難治性疾患で、長期にわたり治療を継続する方や治療が困難な方も少なくありません。そのため、この病気は厚生労働省の特定疾患(いわゆる難病)の指定を受け、公費負担の対象となっています。当院は厚生労働省難治性疾患克服研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する研究班」の活動を通して、病因・病態の解明、治療のガイドライン改定、新たな診断・治療の確立、臨床研究などに携わっています。当院では専門のスタッフが治療指針やガイドラインに基づいた標準治療から、治療に抵抗する難治例や治療困難例など患者個々に対する最適な治療に心がけています。また、新規治療薬の開発(治験)に取り組んでいます。常に最新情報を取り入れ、免疫調節薬、血球成分除去療法、抗サイトカイン療法、栄養療法や内視鏡的治療を組み合わせることにより個々に対する専門治療を行っています。外来は平日の午前中の診療ならびに水曜日と金曜日の午後に炎症性腸疾患専門外来を設け、患者さんのニーズに合わせた診療に心がけています。

担当者 佐々木誠人,水野真理
受診方法 再診患者,地域連携のみ(注)
診療日時 ※医師の担当日時(週・曜日)についてはこちらでご確認ください。

注:再診患者:再診患者のみの受付の為,一度,一般外来を受診して下さい。
地域連携:かかりつけ医から地域医療連携室を通してご予約下さい。

機能性消化管障害

おなかの検査を受けられても特に異常がない,内服されても症状改善に満足がいかない患者さんを中心に診る外来です。当外来では,消化管運動検査を行い,症状出現の病態解明を明らかにして,それに応じた治療を行っております。

担当者 舟木康(第1,3,5週)
受診方法 再診患者,地域連携のみ(注)
診療日時 消化管内科外来担当医表はこちら
※医師の担当日時(週・曜日)についてはこちらでご確認ください。

注 : 再診患者:再診患者のみの受付の為,一度,一般外来を受診して下さい。
地域連携:かかりつけ医から地域医療連携室を通してご予約下さい。

ピロリ外来

ピロリ菌は胃粘膜に生息する細菌で,慢性胃炎や消化性潰瘍,胃癌の原因として注目されております。内視鏡検査により慢性胃炎と診断され,ピロリ菌が陽性であれば保険による除菌治療が受けられます。現在,1次除菌,2次除菌が保険適応となっており,除菌成功率は約90%程度と言われています。当院ピロリ外来ではペニシリンアレルギーのため通常の除菌療法が困難な方や,2次除菌療法まで行うも失敗された方(3次除菌治療)の対応をしております。(注1)

担当者 足立和規(第1週),郷治滋希(第3週),吉峰崇(第5週)
受診方法 再診,地域連携のみ(注2)
診療日時 ※医師の担当日時(週・曜日)についてはこちらでご確認ください。

注1:当外来は自費診療となります。また、通常の消化管内科の外来では3次除菌療法については対応しておりません。
 一次、二次除菌については消化管内科外来での対応となります。

注2:再診患者:再診患者のみの受付の為,一般外来を受診してピロリ外来の予約となります。
 地域連携:かかりつけ医から地域医療連携室を通してご予約下さい。。

診療・治療実績

外来患者数(1日平均)

平成23年度 125.5人
平成24年度 131.5人
平成25年度 137.2人
平成26年度 94.3人
平成27年度 104.2人

※平成23年度~平成25年度は、消化管内科および肝胆膵内科の合算

主な治療実績

内視鏡検査・治療症例数

上部消化管内視鏡検査 3,658例
下部消化管内視鏡検査 2,417例
小腸カプセル内視鏡検査 42例
ダブルバルーン小腸内視鏡検査 28例
内視鏡的粘膜下層切開剥離術(ESD)(上部・下部) 120例
内視鏡的ポリープ切除術(EMR)(上部・下部) 533例

臨床試験・治験のご案内

設備等

内視鏡的粘膜下層切開剥離術(ESD)動画

ハイブリッド手術動画

その他機器

食道内圧測定器

インピーダンス・pHモニタリング装置

キーワード

胸やけ,内視鏡治療,早期胃癌,早期大腸癌,炎症性腸疾患,クローン病,潰瘍性大腸炎,GERD,機能性胃腸症,機能性消化管障害,超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診

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連絡先

TEL
外線:0561-62-3311(代表)
内線:23480

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