講師  西村 直記  (Naoki NISHIMURA, PhD)

研究内容

  1. 高濃度炭酸泉繰返し入浴の体温、皮膚血流、温熱感覚に対する効果
    • 欧州では炭酸泉浴が種々の疾患に対する治療法として用いられている。その基礎的機序を明らかにする目的で、高濃度炭酸泉浴の効果を健常人で検討した。34℃の高濃度(1000ppm)人工炭酸泉に横隔膜下まで20分間の全身浴を連続5日間行なった。同温度の真水浴に比べ、炭酸泉浴中には核心温の低下、皮膚温の上昇、温感の出現が見られた。連浴により核心温、皮膚温の変化には影響が見られなかったが、温感は次第に減弱した。繰返し炭酸泉浴は皮膚温度受容器の活動を修飾する可能性が示唆された。(Eur J Appl Physiol, 87, 337-342, 2002 )
  2. 軸索反射性発汗に伴う皮膚血管拡張反応に関する研究
    • 温熱性発汗に伴い能動的皮膚血管拡張反応が見られ、その機序として発汗神経活動時にアセチルコリンと伴に分泌されるVIP、CGRP、ANPなどの血管拡張性ペプチドの関与が想定されている。前腕皮膚へニコチン(10-4g/ml、0.1ml)を投与を投与すると軸索反射性発汗が生じると伴に皮膚血流量増加が見られ、発汗量と血流量の変化は時間的によく平行推移した。また、レーザードップラー血流イメージ装置で見た皮膚血管拡張の範囲と呈色反応にて可視化した軸索反射性発汗発現範囲とはほぼ一致した。局所へのアトロピン(10-7g/ml、0.2ml)の前投与によって、軸索反射性発汗は阻止されたが、皮膚血流増加反応は影響を受けなかった。軸索反射性発汗においても、発汗に伴い皮膚血管拡張反応が見られ、この反応はアトロピンでムスカリン受容体をブロックしても見られる事より交感神経節後線維から分泌されるアセチルコリンそのものではなく、アセチルコリンと共分泌される考えられている血管拡張性ペプチドによるものであろうことが示唆された。(発汗学、8(1), 26-29, 2001)
  3. 短期暑熱順化過程における乏血部位での汗腺の適応変化に関する研究
    • 暑熱順化過程での皮膚血流量の差異が、暑熱順化後の発汗能の変化にどのような 影響を及ぼすかについて、その中枢性および末梢性機序を明らかにするため、 iontophoresis等を用いて実験を行っている。
  4. 運動時の体温・発汗調節機序に関する研究
  5. 高濃度人工炭酸浴による汗腺トレーニング効果に関する研究
    • 末梢血管拡張作用作用があるとされている高濃度炭酸水に一側上肢を浸漬させた状態で汗腺トレーニングを行なった時の発汗能の変化について検討している。

  6. 2015ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ~KAKENHI
    2014ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ~KAKENHI

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