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脳血管内治療センター

「脳血管内治療センター」は,最新かつ最良の脳血管内治療の実施およびその普及と発展のために,2017年4月1日に開設されました脳血管内治療を専門に行う部門です。
脳血管内治療とは,頭の中の血管の病気を,開頭による外科手術でなく,カテーテルという細い管を用いて治療する方法です。同様の治療はあらゆる臓器の病気に対して行われており,特に心筋梗塞や肝臓癌などでは大変有用な治療方法の一つとなっています。近年は身体への侵襲の大きい従来の外科手術に比べ,体に優しい低侵襲治療として注目され,その需要が各領域で急増しています。当院ではすでにこれらの領域に対するセンターとして,「血管内治療センター」が付設されておりますが,今回新設されました「脳血管内治療センター」は,脳と頭頸部の血管病変に特化した専門施設です。
脳血管内治療センターでは,24時間体制で急性期脳梗塞治療を手がける他,関連診療科間および病診・病病連携を通じて,治療困難な症例の積極的な受け入れを行っております。現在日本脳神経血管内治療学会認定指導医1名,専門医2名が常勤しており,安全で質の高い治療を実施しております。今秋には新しい機器も導入され,スタッフもさらに充実する予定となっております。さらに,教育・研究機関としての大学の使命を果たすべく,新しい機器開発,臨床データに基づくリサーチ,専門医,指導医の育成にも力を入れております。

診療部門からのごあいさつ

部長 宮地 茂 

部長 宮地 茂

脳卒中は死因の第4位です。しかしながら脳卒中の患者さんが減っているわけではありません。医療の進歩により救命に成功するようになってきたのですが,逆に後遺症をもったまま余生を送るケースが増え,介護を含め重大な社会問題となっています。脳卒中治療の基本は,起こってしまったら迅速に処置を行い,脳に不可逆的な障害を残さない,またはできるだけ軽くなるようにすることと,脳卒中になるリスクの高い病変を「未病」のうちに治しておくことの二つです。
心臓などから大きな血栓が頭に飛んできて生じる脳塞栓症は,緊急の血栓回収療法により再開通に成功すると劇的に症状は改善します。また,致死率の極めて高いくも膜下出血に対して,その原因である破裂動脈瘤をコイルで塞栓する血管内治療が広く行われるようになり,当院では積極的に取り入れています。また最近は,破裂していない脳動脈瘤が脳ドックなどで見つかる機会が増えてきましたが,この未破裂脳動脈瘤に対しても破裂予防を目的に塞栓術が行われることが多くなってきました。当院では,大型動脈瘤に対してコイルを使わずに特殊な金属の筒(フローダイバーター)を用いて行う最新の治療も実施可能です(後述)。この他,脳梗塞の原因となる頚動脈狭窄頭蓋内の動脈狭窄の患者さんが増えており,これ対するステントを用いた血管拡張術の治療機会も増加してきています。
当院では,あらゆる脳血管障害に対応できるスタッフと,バランスよく適切な治療と術後管理ができる環境が揃っています。脳卒中に真摯に向き合い,「寝たきりにさせない」「脳卒中にさせない」をモットーに患者さんの生活の質とアクティビティーを保証できるような治療をめざして参ります。当センターが愛知県の脳血管内治療の中心となるべく,一丸となって邁進してまいる所存でございますので,何卒皆様の暖かいご支援をよろしくお願い申し上げます。

主な対象疾患

  • 脳動脈瘤(破裂・未破裂)
  • 頚動脈狭窄症
  • 脳塞栓症
  • 頭蓋内動脈狭窄症
  • 硬膜動静脈瘻
  • 脳動静脈奇形
  • 外傷性脳血管障害
  • 脳・頭頸部腫瘍(血管に富むもの)
  • 脳静脈疾患
  • 開頭手術前の脳機能検査(閉塞試験,誘発試験など)
  • 血管内サンプリング  など

高度な専門医療

先進医療

大型脳動脈瘤に対するフローダイバーターを用いた血管内治療

図1 フローダイバーターステントを用いた脳動脈瘤閉鎖術

図1 フローダイバーターステントを用いた脳動脈瘤閉鎖術

「フローダイバーター」とは大変細い金属のメッシュでできた筒で,血管狭窄病変に対して血管を拡張する目的で用いる「ステント」と形は似ていますが,網の目の細かさと柔らかさが全く異なります。これを血管の中から動脈瘤の入り口の部分(ネック)に渡すことにより,動脈瘤の中の血流が停滞して,次第に血栓化して固まってしまい,最後には瘤は自然にしぼんでしまいます(図1)。従来,瘤の中にコイルを入れていた塞栓術と全くコンセプトが異なる方法で,私たちのこれまでの30例ほどの経験では極めて良好な成績が得られています。「フローダイバーター」の留置にはかなり高度な技術が必要なため,全国でも限られた施設でしか実施が認められておりません。当院は実施可能施設となっておりますので,今後もどんどん適用を拡大していくつもりです。

脳塞栓症に対する超急性期血栓回収療法

図2 脳塞栓に対する血栓回収療法

図2 脳塞栓に対する血栓回収療法

脳塞栓症は,心臓や大動脈の中にできた血栓がはがれて飛んでいき,脳の主要な動脈に詰まってしまう病気です。特に近年高齢化に伴い急増している心房細動のある患者さんに多く起こります。血管が詰まったまま放置すれば,虚血によりその血管が灌流していた脳の領域は機能が停止し,広範な脳梗塞となります。しかし,詰まってもすぐに再開通すれば,脳梗塞になりかかったところを復活させることができます。この自然再開通を促すために,t-PAという血栓を溶かす薬が開発され,第一選択の治療として用いられてきました。しかしながら,t-PAの適用は基準が厳しい上に,その効果も確実なものではありませんでした。そこで,t-PAの適応にならない例,使用したが再開通が得られなかった例に対して,詰まっている血栓(塞栓子)を血管の中から取り除くのが「血栓回収療法」です。ステントのような金属の網でできた筒型の回収機器(ステントリトリーバー)を閉塞した部分に展開し,塞栓子を網の目に引っ掛けて引っ張り出します(図2)。この治療が開発されてから,再開通率は80%以上と飛躍的に改善しました。しかし,再開通まで時間がかかれば,その間に脳はどんどん壊れていってしまい,再開通しても後遺症が残ってしまします。脳の細胞は虚血にとても弱いので,脳の機能を少しでも多く復活させるには” Time is Brain”といわれるように,時間のロスをなるべく短くすることが大切です。一分でも早く搬送して,できるだけ早くこの治療を開始できるように,当院ではヘリ搬送も含めて万全の救急体制が敷かれています。当センターでさらに良い成果が上がられるように日々努力を続けています。

高度な医療

頸部頚動脈高度狭窄に対するステント留置術

図3 頚動脈狭窄に対するステントを用いた血管拡張術

図3 頚動脈狭窄に対するステントを用いた血管拡張術

頸部の頚動脈は,心臓の冠動脈,足の腸骨・大腿動脈と並んで,最も動脈硬化による粥腫(アテローム:コレステロールが血管壁に沈着したもの)がたまりやすい場所です。このプラークといわれるたまりが次第に大きくなってくると。血管が狭窄してきて,脳へ行く血流が減ってくる他,狭窄部で血栓が生じて脳に飛んでいき,脳梗塞を起こします。このような血流の障害が起こると,一時的に脳が停電状態(一過性脳虚血発作(TIA))となり,麻痺や痺れが生じたり,突然片目が見えなくなったりします。脳梗塞の予備軍であるこのような危険な状態から脱け出すには,狭くなった血管を元どおりにするしかありません。従来頸部を切開して頚動脈を露出し,血管壁のプラークを削りとる手術が主流でしたが,現在はステントを用いて血管の中から,プラークごと外へ拡げる治療が行えるようになりました(図3)。この治療では狭くなっているところにカテーテルを通すので,病変部を通過するときに血管を傷つけたり,プラークを剥がしたりしてしまう危険性があります。そのときに生じた破片(デブリ)が脳に飛んでいけばやはり脳梗塞になります。この合併症を防ぐために,バルーン付きのガイドカテーテルとバルーン付きガイドワイヤーを組み合わせて,病変部の前後での血流を一時的に完全遮断し,ステント留置を含む全部の手技が終わったら,堰き止められている血液の中に浮遊しているデブリを血液ごと吸引して取り除くダブルプロテクション方法(シートベルト&エアバッグ法)を用いて治療しています。この方法により,脳梗塞を生じる確率はゼロに近くなり,大変安全な治療が実現されています。
また 頸部だけでなく,頭蓋内の脳動脈にも狭窄が生じ,症状を呈することがあります。頭蓋内血管は壁が薄い上に,頸部に比べ半分ほどの径しかないため,専用のステントを用いて同様に治療を行っています。これらのステント留置術は,局所麻酔下に1時間程度で完了するため,現在大変需要が伸びています。

動静脈シャント疾患の液体塞栓物質を用いた治療

脳動静脈奇形,硬膜動静脈瘻などの,動脈と静脈が短絡(シャント)を形成している疾患では,血液の流れが速いため,血管に大きなストレスがかかります。それに伴う脳や神経の症状が現れたり,ときには出血を起こしたりします。この異常な短絡を止めるのに,塞栓術は有用です(図4)。脳動脈瘤治療に用いるコイルや,接着剤のような液体の塞栓物質を使用して短絡部を塞ぐことで,症状の改善や破裂のリスク軽減に役立っています。開頭手術や定位放射線治療の前処置としても有効とされています。稀な病気ではありますが,当院でも症状がある場合には,積極的に治療を行っています。
また,血管に富む脳腫瘍に対しても,摘出手術の前に液体塞栓物質を用いて栄養動脈を塞栓し,術中の出血量を減らすとともに,手術を容易にするようにしています(図5)。

図4 脳動静脈奇形(AVM)に対する塞栓術

図4 脳動静脈奇形(AVM)に対する塞栓術

図5 脳腫瘍(髄膜腫)に対する塞栓術

図5 脳腫瘍(髄膜腫)に対する塞栓術

外傷性脳血管障害に対する緊急治療

頭頸部外傷により,脳にいく血管が破れたり,ちぎれたりすることがあります。血管損傷による出血がひどい場合,特に顔面の外傷で,鼻出血が止まらない時などには,損傷血管を血管内から塞栓します。また血管周囲への強い衝撃や骨折に伴う直接的な圧迫によって,血管が詰まったり,血管壁が解離(外膜と内膜との間に亀裂が生じて裂ける)したりすることがあります。この場合には,上記のステントなどを用いた血管の再建を行い,内腔を確保する緊急血管内治療を行います。

専門外来

脳神経外科・脳卒中センター外来

担当者 宮地 茂,松尾 直樹
受診方法 直接受診していただくか,他院よりの紹介の方は医療連携を介して事前予約をお取りください。
診療日時 宮地 茂 : 毎週水曜日午前
松尾 直樹: 毎週木曜日午前

診療・治療実績

2016年血管内治療総数 54件

(1)動脈瘤塞栓術:破裂 11例
(1)動脈瘤塞栓術:未破裂 8例
(2)硬膜動静脈瘻 3例
(3)頚動脈ステント留置術 15例
(4)血栓回収療法 12例
(5)腫瘍血管塞栓術 4例
(6)その他 1例

これまでの個人的脳血管内治療経験症例数(他施設,指導症例も含む)

脳血管内治療経験症例数(指導症例を含む) (1996-2016)

脳血管内治療経験症例数(指導症例を含む) (1996-2016)

設備等

脳血管撮影装置の新設

脳血管内治療は血管撮影装置を用い,造影剤を血管の中に流して,病変をX線透視モニターで確認しながら手技を行います。頭の中の病変はせいぜい数ミリですから,150cmもある極めて細いカテーテルを用いて慎重に作業するためには,解像度の高いモニターが必要です。現在は3年前の新病院建設時に導入された血管内治療センター内の共用機器を用いて治療していますが,今秋には最新型で高精彩の脳血管内治療専用機器が新しく設置されます。これによりさらに安全で有効な脳血管内治療を提供できることになります。

周辺機器の充実

病変部の血管を閉塞したり,再開通させることで,脳内の血流は劇的に変化し,出血などの不具合が生じることがまれにあります。そのような異常事態を素早くキャッチするとともに未然に対処するため,脳の連続的な血流モニターや血管壁の状態を超音波で調べる機器(血管内超音波)を積極的に活用して治療を行っています。また,カテーテルを血管内で操作するときに血管壁に傷がついて血栓が生じることがあります。これを防ぐために,脳動脈瘤や動脈狭窄の血管内治療を行う時には,治療の1週間前から抗血小板剤という血液をサラサラにして血栓ができにくくする薬を服用してもらいます。しかし,この薬の効き方には個人差があるため,治療前にそれをチェックする機械も導入して,効きの悪い場合には薬剤の追加などの処置を行います。

研究について

大学病院としての使命は,日常の臨床活動だけでなく,その意義を評価する臨床データに基づくリサーチ研究や,将来を見据えた新しい診断・治療技術および次世代機器の開発にあると思われます。当センターとしては,常により良い治療を提供できるように提案,工夫を続けており,そのための基礎的な研究も,医工連携を通じて活発に行っております。また,脳血管内治療分野はこの10年間で急速に発達したフィールドであり,新しいデバイス(治療機材)や治療技術が毎年どんどん市場に出てまいります。これらを積極的に取り入れるともに,その評価も重要な仕事の一つとして取り組んでおります。
 現在取り組んでいる研究の一部をご紹介させていただきます。

臨床研究

脳動静脈奇形塞栓術の定位的放射線治療に及ぼす影響について(多施設共同研究)
脳動静脈奇形(AVM)の治療方法の一つであるガンマナイフなどの定位放射線治療の前に,サイズを小さくしたり血流量を減らすために,あらかじめ塞栓術をおこなっておくのは有用とされてきました。今回定位放射線治療の成績を左右する条件として,AVMの元のサイズ以外に塞栓術の「質」,特にシャントのある部位を確実に塞栓できたかがキーとなることが多施設共同研究により明らかになりました。現在成果を論文にまとめ,英文雑誌に投稿中です。
海綿静脈洞部大型内頸動脈瘤に対するフローダイバーターの有用性
海綿静脈洞部の内頸動脈瘤は直達手術が困難であるため,これまで母血管である内頚動脈ごと止めてしまうか,通常のコイル塞栓術で処理されてきました。現在フローダイバーターを用いれば,コイルを使わず,しかも親動脈の血流を温存することが可能になりました。これまで経験した症例について,これらの治療方法別の成績を比較し,特に症状の出ている例においてフローダイバーターの治療成績は大変優れていることを実証しました。結果は英文および和文論文としてすでに誌上発表されています。
硬膜動静脈瘻の新しい分類についての研究
硬膜動静脈瘻は中高年に発症する動静脈シャント疾患ですが,その原因ははっきりとわかっておりません。その成因について,これまでに放射線学的および臨床的類似性に基づく仮説を発表してまいりましたが,シャントのある部位の解剖学的な位置関係から新たな分類が必要ではないかと考え,現在過去の症例などからそれを明確にする作業を行っています。特に頭蓋底部の硬膜動静脈瘻と脊髄硬膜動静脈瘻には亜型が存在するため,新しい概念の構築が求められています。
頸部頚動脈ステント留置術における有用性とピットフォールの研究
頸部頚動脈ステント留置術は,現在極めて安全な手技として確立されておりますが,それぞれのステントには様々なピットフォールがあります。比較的稀な合併症をどう克服するかについて,現在過去の症例をレビューして検討しています。
特発性頭蓋内圧亢進症に対する静脈洞形成術の有用性
特発性頭蓋内圧亢症は「偽性脳腫瘍」ともいわれ,若年女性に稀に生じる難治疾患です。今まで,頭蓋内圧を下げるために髄液を腹腔へ流すシャント手術が主流でしたが,再発も問題となっていました。これまで原因が明らかでなかったのが,近年この疾患に頭蓋内の血流を心臓へ返す本幹である脳静脈洞に狭窄が高率に合併していることから,この静脈洞を拡張することが有効であるという発表が出てきました。これまで2例に静脈洞ステント留置術を行い,大変良好な結果を得ており,今後脳血管内治療が治療の柱になる可能性もあります。結果は英文雑誌に現在投稿中です。

基礎研究

脳血管内治療ロボットの開発(愛知工科大学との共同研究)
これまで名古屋工業大学と地元企業との共同研究により,コイル塞栓術におけるデバイスや機器開発を積極的に行ってまいりました。特に脳動脈瘤塞栓術においてコイルを挿入する時の指の抵抗を可視化,数値化する挿入力測定装置と,コイルを自動的に送り込んでいくコイル自動挿入装置を発明し,特許も取得いたしました。現在次のステップとして,センシングのフィードバック機能を備えた脳血管内治療ロボットの開発を,愛知工科大学の永野研究室と共同で行っております。未来の医療における人工知能やロボット制御などにリンクする重要な分野としてさらに発展させていくつもりです。
インテリジェントガイドワイヤーの開発
ガイドワイヤーはカテーテルを目的部位へ誘導するときに必須のデバイスですが,その作業は常にマニュアルであり,モニター上のワイヤー先端の位置を確認しながら,指先で押し引きとねじりを加えてコントロールしておりました。このとき指先に感じる抵抗感や重さは極めて感覚的であり,術者本人しか感じられないものであります。これをワイヤー先端にセンサーをつけることにより可視化するとともに,自動挿入にも応用するための研究を,神戸大学と東海メディカル株式会社と共同研究しております。

教育について

院内の教育体制

脳血管内治療は脳血管外科の重要な治療オプションであり,直達手術の大切なパートナーであります。「脳血管内治療センター」は総合病院の中には部門として存在するところもありますが,独立したセンターとして大学内に創設されたのは初めてと思われます。現在大変注目され,これから需要が増加すると見込まれるこの手技をさらに発展,普及するために,より多くの治療医を育成する機関としての役割をはたしていく必要があります。本学においては「血管内治療センター」がすでに存在,活動しておりますので,今後横断的かつ専門的なカリキュラムを共同で開発し,共有できる知識,技術の情報交換を行い,幅広い血管内治療の教育システムを構築してまいります。また,脳血管内治療の大部分は脳卒中に関係するものでありますので,「脳卒中センター」「救急救命センター」とも連携して,緊急時の対応やチームとしての共同作業を円滑化するための,連携をはかってまいります。
今後院内を中心に,勉強会やセミナーを随時企画し,各スタッフとの知識の共有と関連科間の連携も強化してまいります。

地域レベルの取り組み

脳塞栓症に対する血栓回収療法は,現在脳血管内治療専門医によって主に行われておりますが,愛知県全体としての需要に追いついていないのが現状であります。県の救急搬送協議会および医師会との連携により,効率的かつ迅速な搬送および血栓回収療法の実施が実現できるように脳卒中救急医療協力体制を確立するとともに,治療の担い手となる治療実施医の教育も合わせて行っていきたいと考えています。
特に愛知県は脳血管内治療のさきがけの地でもあるとともに,県内4大学はいずれも脳血管内治療に非常に積極的であり,連携が取りやすい土壌となっております。名古屋地区,愛知県の他学との連携で,地域全体として垣根を越えた脳血管内治療のボトムアップをはかるような企画もプランしております。

専門分野の教育

脳血管内治療兵法書

脳血管内治療兵法書

専門分野の教育としては,これまでテキストの監修(「脳血管内治療のDo’s & Don’ts」(2002年),韓国語版(2004年),第二版(2006年))のほか,昨年単著として「脳血管内治療兵法書」を出版いたしました。現在全国の脳血管内治療指導医50名以上に依頼した分担執筆による「脳血管内治療学」という,サイエンスから臨床に至る,基本的知識をまとめた教科書の編纂を進めており,本年度には出版できる見通しとなっております。
全国的には,2001年より毎年開催しました教育セミナー(名古屋脳血管内治療セミナー)を引き継いだ全国的教育セミナー(BSNET)(2010年より毎年)を年1回代表幹事として主催しております。BSNETの成果は「脳血管内治療の進歩」という年雑誌にまとめて毎年発行しております。さらに,現在Presidentを拝命しておりますSociety of AAFITN(アジア・オーストラリア介入的神経放射線治療学会:Asia-Australasian Federation of Interventional Therapeutic Neuroradiology)を軸とし,アジア地域を中心とする国際的学術活動と交流を発展させたいと思っております。

キーワード

脳血管内治療,塞栓術,ステント留置術,再開通療法,血栓回収療法,脳動脈瘤,頚動脈狭窄症,脳塞栓症,頭蓋内動脈狭窄症,硬膜動静脈瘻,脳動静脈奇形,外傷性脳血管障害,脳・頭頸部腫瘍,カテーテル,ガイドワイヤー,コイル,ステント,フローダイバーター,NBCA,Onyx

医療連携について

愛知県尾張東部,名古屋市東部,西三河地区の各病院と脳卒中緊急時の搬送体制の連携があります。脳卒中ホットラインはありませんので,緊急時には救命救急センターとの連絡システムのご利用をお願いします。

関連リンク

連絡先

TEL
外線 : 0561-62-3311(代表)