歯科口腔外科

大学病院

理念

当科は歯・口腔および顎顔面領域の疾患に対して,最新の診断治療技術を駆使して「良質で安全な医療」を目指しています。外来は午前中の新患外来を随時受付けております。また,再来外来は全て予約制で対応しており,待ち時間の短縮を計っています。午後は小手術外来および専門外来として口唇口蓋裂外来,口腔腫瘍外来,顎関節外来,顎変形症外来,睡眠外来,顎顔面補綴外来を設けています。緊急疾患に対してはいつでも治療に対応できる体制を整えています。

キーワード

口唇口蓋裂,口腔腫瘍,顎関節症,顎変形症,睡眠時無呼吸症候群,顎顔面補綴,インプラント,免疫療法

スタッフ

診療時間・外来担当一覧

診療内容

(1)歯顎顔面外傷

(2)インプラント外来

最近,生体親和性の高い材料が各種開発され,臨床応用が報告されてきています。その中で,純度の高いタイタニュウムを用いた人工歯根は,骨結合(Osseointegration)により骨とインプラント体表面の形態的,機能的な直接結合が得られます。本法は,生体への侵襲を最小限とする細心の術式に基づき,30年前より臨床応用がなされ,高い成功率を収めてきました。1983年にわが国に導入されて以来,きわめて良好な結果を示しています。術式は歯牙欠損部位に粘膜骨膜弁を作成し,専用のハンドピースと各種切削器具により可及的に組織損傷を抑えた形成を行い,顎骨内に埋入し粘膜で被覆し外界からの刺激を遮断します。下顎で3ヶ月,上顎で6ヶ月程の治癒期間を得た後,再度粘膜を切開し,アバットメントを装着します。ついで印象採得,咬合採得を行い,ブリッジ形態などの上部構造を作成し,ネジにより固定します。

 a) 顎堤部の歯槽骨が高度に吸収し,義歯の安定が得られない症例
b) 口腔外科的疾患による顎骨欠損や歯槽骨欠損のため,義歯では十分な咬合機能が回復されない症例
c) 嘔吐反射により義歯の使用が困難な症例
d) 若年者の交通外傷で,ブリッジによる補綴が困難な症例

(3)口唇口蓋裂

この疾患は,チ-ムアプロ-チが必要である事は言うまでもありません。我々の施設は大学病院という良い環境の中にあります。この特色を生かし,患者さんの症状に応じて小児科,形成外科,耳鼻科と連携を行い患者さんの管理を行っています。言語治療については特殊な面もあり,愛知学院大学附属病院の言語治療室の協力を得ています。幸い現在までに構音障害からの再手術が必要例は極めて少ないのが現状です。当科の基本的手術は,口唇形成術は三角弁法を基本とし,手術時期は体重5kgを目安としています。再形成は変形が顕著で無い限り,出来るだけ学齢期まで待ち,可能な限り手術回数を減らしています。口蓋形成は体重10kgになった時にプッシュバック法で行っています。再形成は言語治療の結果から矯正治療の進展との兼ね合いで行っていますが言語を優先としています。再プッシュバックと咽頭弁移植術の同時併用を行っています。口唇形成の問題点は人中形成と鼻翼形成です。鼻翼形成では,オ-プンメソッド(西村法)を取り入れ形態修正の大きな進歩を見ています。また小児科,麻酔科の協力が得られる事から全身的疾患,他部奇形を有する患者さんの手術を依頼される点であり,医科大学の特徴を生かした点を生かして行きたいと考えています。

(4)顎関節外来

顎関節症は顎関節雑音,開口時痛,開口障害を主症状とする疾患で,その数は口腔外科を受診する方の2割ほどです。顎関節症の発生機序や病態は不明な部分が多く,治療法もスプリント(マウスピース)や理学療法,薬物療法などの療法に頼っていました。しかし,MRI,関節鏡の導入により,顎関節症の一部の型については,病態解明や治療方針の改善が進んでいます。愛知医科大学病院歯科口腔外科外来においても1992年より顎関節外来を開設しておりますので,当科においての顎関節症患者さんの治療概要を述べます。顎関節症の治療では顎関節学会のすべての型で,原則として薬物療法,スプリント(マウスピース)療法やマイオモニター療法(筋の電気的マッサージ)などの非観血的処置を行います。顎関節症のうち,当科での検討から導いた臨床診断で関節円板がずれて元に戻らないタイプ(Ⅲb型)が疑われる場合は必要に応じてMRI検査を行い,かつ痛みや開口障害を伴う場合ではマニュピレーション(徒手的円板整復術)や関節円板洗浄療法(改善率70~80%)を行っています。

(5)睡眠外来

睡眠・覚醒リズムは基本的な生命現象であり,睡眠時間の長短は生命予後に影響を及ぼすと言われています。現代のように人生80年の時代になると,この睡眠・覚醒リズムが鼾や気道閉塞のために障害され,不眠を訴え,精神障害や循環器系の障害などの合併症を引き起こしている人が多く見られるようになってきました。なかでも睡眠中に呼吸が止まるような病気は,睡眠時無呼吸症候群として1976年に発表されてから,その病態や治療方法が研究されてきました。当科においては,下顎の前方移動により気道を開放しようとする歯科装具(DA療法,PMA療法などの呼び方があります)による治療を行うと同時に,セファログラムを用いてその作用機序を研究しています。

対象
当科での治療は,当院睡眠医療センターの治療法の一つとして,睡眠時無呼吸症候群と診断された患者さんのうち,歯科装具による治療を勧められた患者さんを対象としています。この内,協力の得られた症例では,セファログラムによる治療効果を検索しています。

治療効果
睡眠ポリグラフィーを施行したところ,約70%の患者で症状の改善が認められています。特に,鼾に関しては,殆どの症例において著効しています。一方,顎関節症状や歯根膜炎症状をみた症例も若干みられましたが,装具の調整などで対応して,重篤な副作用は認めておりません。睡眠は生命予後に大きな影響を及ぼすと言われていますが,その重要性についてはこれまであまり述べられてきませんでした。今後,これまでのセファログラムによる検索だけではなく,歯列や舌などの軟組織を含めた口腔内状態や,口腔をとりまく諸筋群との関係をテーマに加えて,睡眠時無呼吸症候群の病体解明を続ける予定です。

(6)顎顔面補綴外来

顎顔面口腔領域に生じる諸疾患により,実質欠損を認めると日常生活に著しい支障を来たし精神的苦痛も計り知れません。マイクロサージャリーを初めとする再建法の進歩により,有茎皮弁に比べ自由度が向上して,口腔腫瘍の進行症例に対して広範囲切除が可能であり良好な成績が得られています。さらに,歯科用インプラントの応用によって術後の咬合機能再建が図られています。また,年齢や全身状態などの諸事情で再建術が選択できないときは,顎顔面補綴による機能的、 審美的回復が求められ,エピテーゼや矯正装具による回復を得ています。耳介奇形,眼窩欠損や義眼治療を手がけています。

(7)口腔腫瘍外来

口腔内にも様々な腫瘍性病変が生じます。特に悪性腫瘍に対しては手術療法を中心に放射線療法,化学療法を含めた集学的治療を行うことで,治療成績向上と機能温存が得られることを目指しています。その場合,重要となる即時再建術は,微小血管吻合による遊離皮弁・骨移植を行い機能的,形態的に良好な結果を得ています。

連絡先

TEL: 052-264-4811 愛知医科大学・代表
TEL: 0561-62-3311
内線:2724 外来受付(09:00 - 17:00)