放射線科

大学病院

理念

放射線科の診療内容は,放射線診断(画像診断),放射線治療,インターベンショナルラジオロジー(IVR),核医学の 4分野に分けられます。主なスタッフは放射線科専門医の資格を持ち,全ての診療科と密接な連携をとりながら診療を行っています。

画像診断では病状に応じた適切な検査によって正確な診断が迅速に得られる効率的な診療を行っています。放射線治療とIVRはいずれも身体への負担が少ない治療で,新しい技術を積極的に取り入れています。

キーワード

インターベンショナル・ラジオロジー Interventional Radiology(IVR),放射線治療,CT,MRI,被ばく

 

スタッフ

診療時間・外来担当一覧

診療内容

放射線治療

放射線治療とは,放射線診断に使用する放射線よりも強力な放射線を利用して体の深部にある病巣を治療する方法です。しかし,手術とは異なり痛みはまったくありません。放射線は怖いものという観念がありますが,正しく使えば悪性腫瘍(がん)には大変有効な治療法となります。もちろんすべての疾患に対して有効というものではありません。 当科の放射線治療部門には放射線治療の専門医が常勤し,院内各診療科のみならず他病院からの放射線治療依頼に対応しています。放射線治療内容も幅広く,放射線を体外より照射するライナック照射装置を用いた通常照射のほか,子宮頚癌に対して小線源を使用した腔内照射を行っています。さらには脳内小病変に対してあたかも病変をメスで切り出す如く,放射線を集中的に照射して治療する定位的放射線治療も行っており,良好な治療効果が得られています。

院内症例検討会は定期的に耳鼻咽喉科,呼吸器内科・外科と行っており,加えて消化器内科・外科,婦人科などとも随時開催しています。

MRI(Magnetic Resonance Imaging)検査

※1.5T(テスラ)は15.000ガウスに相当する高い磁場です

 

磁気共鳴画像(Magnetic Resonance Imaging),略してMRIと呼んでいます。核磁気共鳴とは原子核の陽子数または中性子のいずれか一方,もしくは両者が奇数の場合に磁気双極子としての性質を持ち,陽電荷を持つ原子核が自転する時に磁場が形成されます。

この磁気モーメントを有する原子核を静磁場内におき,外部から電磁波(RFパルス)を与えると核種がこのエネルギーを吸収し励起します。これを共鳴といいます。電磁波を与えるのを中止しますと核種は吸収したエネルギーを放出して元の状態に戻ります。この現象を核磁気共鳴現象といいます。ここで放出された電磁波のエネルギーを検出器で測定し,コンピュータで解析させることにより磁気共鳴画像(MRI)を得ることができます。人体には水の成分である多くの水素原子核(プロトン,1H)がありますので,この水素原子核をMRIの対象核種として用いています。

この原理を応用して,磁気共鳴画像(MRI)の他に磁気共鳴血管画像(MRA,MR Angiography),磁気共鳴胆道膵管画像(MRCP)なども撮像することができます。

検査時間は?

  • MRI検査は検査部位によって多少時間が異なりますが,単純MRI検査では約15分~30分です。また,詳しく調べるために,造影MRI検査が行なわれる場合があります。この時には,その検査目的により陽性造影剤であるガドリニウム(Gd)製剤や陰性造影剤である超常磁性体酸化鉄(SPIO)製剤を静脈注射にて投与いたします。
  • MRA検査では,検査時間は約20分で,造影検査をする場合もあります。
  • MRI,MRA検査は共に,検査台で通常,検査台に仰向きに寝ている状態で検査が行なわれます。

MRIの利点は?

  • X線CTやX線単純撮影のような放射線被曝がない。
  • 多方向からの撮影が自由に選択できる。
  • X線CTにくらべ組織コントラスト分解能に優れている。
  • 血流状態を画像化することができる。


 

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CT(Computed Tomography)検査

(東芝社製2台,GE社製1台) 2007年設置。

 

コンピュータ断層撮影(Computed Tomography),略してCTと呼んでいます。CTは被検体(患者)に薄いX線ビームを多方向から順次投影し,その透過X線強度を計測し,断層面のX線吸収値分布像をコンピュータ処理にて画像化する方法です。

MSCTの出現により,高速で広い範囲を一度に撮影できるようになりました。そして高分解能ボリュームデータの収集が可能で,多断面再構成画像や三次元画像が極めて鮮明,高精細となり,診断能の向上に寄与しています。また必要とされるX線量を自動に最適化することで画質を損なわずに効率的に被曝を軽減する機能が搭載されており,以前よりも低被曝での撮影が可能となりました。
現在MSCTは日常診療において必要不可欠,かつ的確な診断法として多くの疾患に活用されています。

 

検査時間は?
64列MSCTでは,X線管球と検出器が被検体(患者)を1回転するのに最速0.35秒という高速スキャンが可能です。胸部の検査では2秒程度で全肺の撮影が可能で,呼吸困難を訴える患者でも無理なくCT撮影ができるようになりました。胸部腹部骨盤部で約60cmという広範囲撮影でも約10秒という短時間で撮影が可能です。心電図同期下で行われる冠状動脈撮影は8秒程度で撮影が可能です。
CT検査は通常,検査台に仰向きに寝ている状態で検査が行なわれます。

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アイソトープ(核医学)検査

放射線を出す,アイソトープを含んだくすり (放射性医薬品と言います) を少量静脈から注射し,検査用のベッドで横になっていただいている間に,ガンマカメラと呼ばれる装置で,身体の中の様子を画像にする方法です。生態の機能を見る検査といえます。

くすりによっては,カプセルを飲んでいただくものや,呼吸によって吸入していただく場合もあります。くすりが少量なこともあり,副作用はまず心配ありません。

心臓や脳のすみずみまで,充分に血液がながれているか,甲状腺のホルモンの代謝に異常がないか,また,通常のエックス線検査では発見されない早期の骨折がないか等の,身体が生きて活動している様子を,そのまま画像化する,すなわち,生体機能を画像化する検査方法です。

 

アイソトープ検査は安全なの?
核医学検査では,気分が悪くなる等の副作用はまずおこりません。
ごく少量の放射線を放出する医薬品を使いますが,くすりから出る放射線量は,時間とともにどんどん減少する性質を持っています。最も頻繁に利用するテクネチウム99mは,室内に置いてあっても,グラフのように減ります。人の体内では,もっと早く減少します。
一回の検査での患者様の放射線被ばく量は,胃のバリウム検査と同程度です。
もし万が一,検査を受けたあとで妊娠がわかっても,中絶などは考える必要のない被ばく量です。


費用は,検査を受ける方に合わせて,くすりは注文生産となるため,健康保険を利用しても2万円~3万円は必要です。検査時間は,検査の内容によって異なりますが30分から1時間くらいかかります。

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センチネルリンパ節シンチグラフィーとは
悪性腫瘍が一番最初に転移するリンパ節を,核医学検査でみつける手法です。全国でも限られた施設しか実施していませんが,当院では,乳がんや皮膚がんの患者様を対象として実施しています。転移の可能性があるリンパ節を,手術前見つけるため,小さな傷口で手術を終了できる場合があり,患者様の術後の日常生活への影響が少ない手術が可能として,執刀医や患者様本人から歓迎されている手法です。

インターベンショナル・ラジオロジー (IVR)

○血管形成術
対象疾患:胸部大動脈瘤,腹部大動脈瘤,大動脈解離

金属製のステントを人工血管でカバーした器具(ステントグラフト)を大動脈瘤の内部に挿入し,動脈瘤の破裂を防ぎます。大腿部に5-6cmの小切開を加えるだけで治療が可能で,従来の外科手術のリスクの高い方にも施行可能です。

 

対象疾患:骨盤・下肢,腎動脈などの動脈狭窄・閉塞症
動脈の狭窄部をバルーンのついたカテーテルで膨らませたり,ステント(金属製の筒)の留置を行い,狭窄部を広げます。また血栓による閉塞に対しては,カテーテルを用いて局所に薬剤を注入し,効果的に血栓溶解を行います。

 

○動脈塞栓術
対象疾患:肝癌などの悪性腫瘍,子宮筋腫,消化管出血や血・外傷による出血
肝癌に対する動脈塞栓術は手術が困難な患者さまにもくり返して行うことが可能です。さらに当院では消化器内科・外科と共同でラジオ波熱凝固,腹腔鏡下の手術などを組み合わせることで,再発率が低い集学的治療を行っています。子宮筋腫の治療は従来手術療法やホルモン療法が行われていましたが,近年子宮動脈塞栓術が注目されています。当施設でも2001年より婦人科と共同で子宮動脈塞栓術を開始しました。当施設では生殖腺への被ばくの少ない治療を行うため様々な工夫をしています。その他難治性の消化管出血や外傷性出血などに対しても止血目的に緊急の動脈塞栓術が行われることもあります。

対象疾患:胃癌や大腸癌などの転移性肝腫瘍,子宮癌,膀胱癌
カテーテルを目的部位まで進めて薬剤(抗癌剤など)を注入します。全身投与と比し,病巣に多量の薬剤が流れるため効果は高く,副作用の軽減が可能です。転移性肝腫瘍では薬剤注入のための装置(リザーバー)を皮下に埋め込むと,外来にて繰り返し薬剤注入が可能です。また子宮癌や膀胱癌では治療効果を高めるために放射線治療を併用することもあります。

 

○下大静脈フィルター留置
対象疾患:肺塞栓症,下肢の深部静脈血栓症や手術後の肺塞栓症の予防
下肢や骨盤内の静脈の血栓が肺に流れておこる肺塞栓症を予防するため,下大静脈内に血栓を受け止めるフィルターの留置を行います。

その他:
放射線治療とともに痛みのコントロールなどの緩和医療に対してもインターベンショナルラジオロジーが行われます。
 

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地域医療との関わり

地域医療連携(病診連携)予約枠を設定し,近隣のかかりつけ医や病院から検査の予約を受け,地域の皆様に安心できる医療を提供しています。

医療被ばくについて

X線(レントゲン)撮影やCT,アイソトープ検査など,放射線を使う検査では,ある程度の被ばくを受けることになります。その被ばく量は,検査の種類によって違いますが,私たち全員が宇宙線などによって1年間に自然界から受ける被ばく量の10分の1から10倍程度です。これらの被ばくによって,自分自身にがんが発生したり,子孫に遺伝的な異常が起こる心配は無視できるほど小さなものです。ただし,現実には何も起こらなくても,無駄な被ばくを避け,被ばくするならできるだけ少ない量ですますことを,私たちはいつも考えています。一方,X線検査やCTで病気をみつける(あるいは病気でないことがわかる)ことの利点は非常に大きいので,必要な検査は安心して受けてください。

画像診断,治療法についてのご相談

放射線科のスタッフは,放射線診断専門医,放射線治療専門医,日本核医学会専門医,日本インターベンショナルラジオロジー学会専門医,PET核医学認定医などの資格を持ち,画像診断,IVR,および放射線治療の専門医として,各科の先生方と密接な連携をとりながらEBM (Evidence based medicine) すなわち科学的な根拠にもとづいた医療を心がけています。

放射線科では,他の医療機関で行われた画像検査の結果に関する相談,および治療についてのセカンドオピニオンを含めた相談なども受け付けています。

ご希望の際は 放射線科外来を受診してください。

診療実績(2010年度実績)

放射線診断(画像診断)

内容 件数
CT(造影検査を含む) 14,257件
MRI(造影検査を含む) 6,507件

放射線治療実績(総新患患者数 393人)

内容 件数
脳・脊髄腫瘍 43例
頭頚部腫瘍 82例
食道癌 14例
肺・縦隔腫瘍 46例
乳癌 58例
肝・胆嚢・膵臓癌 3例
結腸・直腸癌 20例
婦人科癌 7例
膀胱・前立腺癌 26例
造血器・リンパ系腫瘍 29例
皮膚・骨・軟部腫瘍 51例
小児癌 2例
良性疾患 9例
全身照射 4例

アイソトープ検査実績

検査件数は約2,000件です。
3台のガンマカメラを用いています。2009年12月に、1台はCT-SPECT装置となりました。
骨,腫瘍,心臓,脳の血流検査が主です。
腎機能や,肝機能,甲状腺機能,肺血流を見る検査も実施しています
検査の種類は,20種類以上に上ります。

 

インターベンショナル・ラジオロジー診療実績

内容 件数
年間のインターベンショナル・ラジオロジーおよび血管撮影 438件
胸部および腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術 60件
肝動脈塞栓術(TACE) 141件
動注・リザーバー留置 22件
頭頚部領域 14件
気管支動脈塞栓術 11件
肺動静脈瘻塞栓術 7例
子宮動脈塞栓術 12件
透析シャントのバルーン拡張術 10件
四肢血管奇形に対する塞栓術,硬化療法 10件
IVCフィルター設置 5件
IVHリザーバー留置 41件
消化管出血に対する塞栓術 10件
胃静脈瘤に対するバルーン閉塞下硬化療法(B-RTO) 9件

連絡先

TEL: 0561-62-3311 
内線:2740、2741 平日(09:00 - 17:00),土曜(09:00 - 11:30)

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