就任のごあいさつ
医学部後援会会長 加藤雅通
このたび、愛知医科大学医学部後援会の会長を拝命いたしました加藤雅通でございます。
医学部後援会という歴史ある組織の会長という重責を担うこととなり、身の引き締まる思いでいっぱいです。私は一保護者として、また一人の医師として、これまで本会の活動の一端に触れながらその重要性を感じてまいりましたが、このたび改めてその全体像に触れる中で、医学生たちの未来を支えることの大切さと責任の重さを痛感しております。
【学生たちの努力と教育機関としての力】本学医学部では、全国に誇る高い医師国家試験合格率を長年にわたり堅持してまいりました。これはまさしく、優秀な教授陣による情熱あふれる教育指導、大学職員のきめ細やかで献身的な支援体制、そして先進的かつ充実した教育・実習施設という学びの環境があってこその成果であり、ここに深く敬意と感謝の意を表したいと存じます。
とりわけ現在6学年次となっている学生諸君は、入学当初に新型コロナウイルス感染症の蔓延により対面授業や実習が十分に行えず、クラブ活動なども制限され、決して充実した学生生活とは言い難い状況下でスタートいたしました。講義の多くはオンライン形式で行われ、人とのふれあいやキャンパスでの学びの機会が制限される中、不安や孤独感を抱えながらも、粘り強く学業に向き合い続けてきました。
その後に入学した学年も同様に、感染対策による制約下での大学生活を送ることとなり、学生の皆さんは、社会全体が不安定な状況のなか、自律的に学び、仲間と協力し、粘り強く前進してきました。そしてようやく近年になって、対面授業や病院実習、課外活動といった本来の学生生活が戻りつつあり、明るい希望の兆しが見え始めています。
このような逆境の中でも、本学の学生たちは高いモチベーションを保ち続け、全国トップレベルの医師国家試験合格率を維持しているという事実は、まさしく誇るべき成果であり、ひたむきに学び続けた学生一人ひとりのたゆまぬ努力があることを、あらためて強調させていただきたいと思います。
【後援会の役割と新たな活動強化策】後援会の目的は、会員である皆さまの大切なご子息・ご息女が、医学生として豊かな学びを享受し、学生生活を充実させ、学友とともに誰一人欠けることなく医師としての道を歩めるよう、物心両面から支援することにあります。単なる経済的支援にとどまらず、心の支え、環境の整備、制度の充実など、多面的なサポートが求められる時代となっております。こうした背景を踏まえ、後援会では令和5年度より新たに3つの部会を設置し、より組織的かつ柔軟に活動を展開してまいりました。以下にその概要をご紹介いたします。
1 厚生協力部会学生生活の充実は、学びと成長の基盤です。クラブ活動費用、医大祭運営費用、卒業記念品費用、卒業アルバム作成費用、さらには卒業式後の謝恩会費用にいたるまで、学生が生き生きと大学生活を送り、仲間と絆を深めるための支援を行っております。学業だけでなく、豊かな人間性を育むための環境づくりも、後援会の重要な使命の一つであると考えております。
2 教育協力部会医学教育の中でも重要な位置を占めるのが、4学年次に実施される「CBT(Computer Based Testing)」です。これは臨床実習を開始する前に、医学生としての基礎的な知識・思考力・問題解決能力を評価する全国統一の試験であり、医師への第一関門とも呼ばれています。当部会では、そのCBT対策講座費用の助成を中心とした教育支援を行っております。
3 国試対策部会Webで行われる予備校講師による医師国家試験対策講義費用、模擬試験受験料等を助成し、学力向上のための経済的・環境的支援を行っております。医師国家試験は年々難化傾向にあり、学生の負担も大きくなるなか、質の高い準備を可能とする体制づくりが急務です。
【創立50周年と互助制度の見直しについて】愛知医科大学は2022年、創立50周年を迎えました。半世紀にわたる医育の歴史の中で、地域のみならず全国にわたり、数多くの有能な医師を輩出してまいりました。その成果と功績は、医療界はもとより社会全体にとって大きな貢献であり、今後もますますその期待は高まることでしょう。
後援会もまた開学と同時期に発足し、長い歩みの中で育まれてきた活動の一つに、「互助会」があります。当会は、学資負担者である保護者が不幸にも死亡または高度障害の状態になられた場合に、学納金を後援会が代替納入するほか、経済的理由で学費支払いが困難になったご家庭に対して、無利子での貸与制度も備えています。実際、この制度によって学生生活の継続が可能となり、立派に卒業・医師国家試験合格を果たした方もおります。
しかし近年、後援会という組織がこの互助制度を運営し続けていくうえでの限界が徐々に明らかになってまいりました。具体的には、煩雑かつ高度な事務処理に対する人的リソースの不足、透明性・監査性の担保の難しさ、時代に即した制度設計の必要性などが挙げられます。これらを背景に、現在、大学および専門家と連携し、制度の見直しと、新たな代替案の検討を進めているところです。会員の皆さまには、近くご案内を差し上げることになるかと存じますので、何卒ご理解とご協力のほどお願い申し上げます。
【むすびに】後援会は、大学と緊密に連携しながら、学生の皆さんの学びと生活を支える“縁の下の力持ち”として、今後も粘り強く活動してまいります。会員の皆さまにおかれましては、これまで同様、そしてこれまで以上に温かいご理解とお力添えを賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
末筆ながら、在学生の皆さま、保護者の皆さまのご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。