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分子医科学研究所

分子医科学研究所・第一部門は一貫して細胞外マトリックス構成分子,特にプロテオグリカンとグリコサミノグリカンの構造と機能,病態への関与に関して研究しています。本研究室は当該分野において世界を牽引する研究成果を蓄積しています。

教育方針

分子医科学研究所は大学院教育を主体的に行っています。実験技術の基礎,基礎知識の習得,研究計画の作成,結果の解釈,論文の執筆等を指導し,一流英文雑誌掲載,大学院生の学位取得を目指しています。医学部学生に対しては自然科学・生化学・分子病態学の糖鎖並びに細胞外マトリックス分野を担当しています。

活動・研究内容

分子医科学研究所が手掛けている研究のキーワードは,細胞外マトリックス,プロテオグリカン,グリコサミノグリカンです。
多細胞生物には細胞外に細胞外マトリックスと呼ばれる構造があり,細胞よりはるかに大きな体積を占めています。細胞外マトリックスは,コラーゲン線維,弾性線維等の線維成分とその間隙を埋めるヒアルロン酸,プロテオグリカン等の分子群から構成され,細胞を支持し栄養を与えるのみならず,生理活性分子を貯留したり濃度勾配を形成するなどして細胞の増殖・分化を制御しています。私達は,細胞外マトリックスの構造と機能に関して,特に巨大なコンドロイチン硫酸/デルマタン硫酸プロテオグリカンの代表的分子,アグリカンとバーシカンに焦点を当て研究しています。
プロテオグリカンは,コアタンパク質と呼ばれるタンパク質に1本以上のグリコサミノグリカン鎖と呼ばれる糖鎖が共有結合した分子群と定義されます。プロテオグリカンは細胞外マトリックスのみならず細胞膜上にも存在し,コレセプターとして細胞へのシグナル伝達を調節制御しており,この機能は主としてグリコサミノグリカンと呼ばれる糖鎖が担っています。私達はコンドロイチン硫酸,ヘパラン硫酸の微細な糖鎖の構築機構と糖鎖構造によって発揮される特異的機能に関して研究しています。
細胞外マトリックスは炎症やがんの浸潤の場であり,様々な病態の形成と進展に直結します。私達は,細胞外マトリックスの豊富な軟骨,皮膚等の組織の機能と病態への関与について,整形外科学,形成外科,皮膚科学等の臨床系講座と積極的に連携し,共同研究を推進しています。
具体的な研究テーマは以下のとおりです。

  1. 細胞外マトリックスの代表的巨大プロテオグリカン,バーシカンの生体内機能と病態の形成・進展への関与
  2. 軟骨機能の中心的役割を果たす巨大プロテオグリカン,アグリカンの機能と代謝
  3. コンドロイチン硫酸の生合成機構の解明
  4. コンドロイチン硫酸のバイオエンジニアリング
  5. コンドロイチン硫酸の糖鎖構造に基づく特異的機能の探索
  6. ヘパラン硫酸の硫酸化機構の解明,同糖鎖の微細構造と特異的機能の解明ならびに病態の形成・進展への関与

スタッフ紹介

氏名 職名 専門分野
渡辺 秀人 教授 分子病理学
杉浦 信夫 准教授 糖鎖生化学,分子生物学
永井(佐藤) 尚子 助教 細胞生物学,分子生物学
幡野 その子 助教 分子生物学,栄養学
土本 純 助教 分子生物学,発生生物学

研究テーマ

氏名 研究テーマ
渡辺 秀人
  • 細胞外マトリックスの巨大プロテオグリカン,アグリカンとバーシカンの生体内機能と病態における役割
杉浦 信夫
  • コンドロイチン硫酸などグリコサミノグリカン糖鎖の生理機能の解明と生合成機構の解析
永井(佐藤) 尚子
  • ヘパラン硫酸微細構造形成機構の解明/へパラン硫酸が関与する病態の形成・進展機序の解明
幡野 その子
  • コンドロイチン硫酸プロテオグリカンとコンドロイチン硫酸合成酵素の生体内機能
土本 純
  • プロテオグリカンの構造と機能の生化学的・分子生物学的解析

渡辺教授の研究歴と研究内容

私渡辺は,25年以上にわたって細胞外マトリックス,結合組織の研究に携わってきました。大学院では病理学専攻でしたが,内地留学先の東京医科歯科大学難治疾患研究所異常代謝部門(永井裕教授)では,コラーゲンの代謝と細胞外マトリックス分解酵素の精製と性状解析を行い,留学先の米国国立歯科学顎顔面研究所・国立衛生研究所(National Institute of Dental and Craniofacial Research, National Institutes of Health)では軟骨の主要成分であるプロテオグリカン会合体を形成するアグリカンとリンクタンパク質の遺伝子クローニング,転写調節,遺伝子欠損マウスの解析を行ってきました。
現在は,引き続きアグリカンの構造,機能,代謝に関して研究を続けています。アグリカンは強力な保水作用を有し軟骨に硝子様形態と弾力性を与えています。変形性関節症等の軟骨破壊性疾患においては予防の鍵となる軟骨マトリックス分子であり,本研究の成果がこれらの疾患の病態進展阻止に繋がるものと期待しています。
アグリカンに関しては全部で五つの遺伝子ファミリーが同定されています。これらのうち,間葉系組織に幅広く発現するバーシカンは同ファミリーのプロトタイプと考えられています。同分子は心臓や毛包の発生,炎症やがん浸潤に関与することがわかってきました。私達は種々の遺伝子改変マウスを用いてバーシカンの生体内機能を解析しています。
今世紀に入ってコンドロイチン硫酸合成酵素が次々に見つかり,現在,6種類の酵素が同定されています。私達は,主として遺伝子改変マウスの解析を通じてこれらの酵素の各々の生体内機能の解明を目指しています。

研究紹介(杉浦)

図.プロテオグリカンの生理機能

私は,プロテオグリカン(PG)の生理機能に興味を持ち研究しています(右図参照)。
特に,PGの糖鎖グリコサミノグリカン(GAG)の複雑な構造と多様な生理機能を解明することを目標にしています。GAGの中でもコンドロイチン硫酸(CS)とヘパラン硫酸(HS)について,糖鎖の生合成や代謝に必要な酵素の同定と酵素機能について解析し,生理機構との関連性を研究しています(1)。具体的には,主に以下の3項目が現在の研究課題です。

  1. GAG関連酵素の同定と酵素機能解析
    大腸菌由来のコンドロイチン合成酵素(K4CP)を同定し(2),この酵素を利用することで,数糖から二十糖程度のオリゴ糖から平均分子量30万(1500糖)以上の多糖体まで,任意な鎖長をもつコンドロイチン糖鎖の合成が可能となりました(3,4)。
    ペパラン硫酸(HS)骨格(ペパロサン)を合成する2つの大腸菌酵素(KfiA,KfiC)は共存して糖鎖合成を行うことを見出し,ペパラン骨格の酵素合成方法を確立しました(5)。
  2. 酵素合成CSライブラリーの構築と糖鎖機能解析及び構造解析
    コンドロイチン合成酵素K4CPや各種硫酸基転移酵素の遺伝子組換えタンパク質を用いて,多様な構造のCSライブラリーを構築しています。それらCS糖鎖と生理活性分子(サイトカインや特異抗体)との親和性解析を行い,特異的な親和性を示すCS糖鎖構造を解析しました(6)。この研究から新たな医薬品開発の基盤となり得る研究成果が出ることを期待しています。
    更に,CSの詳細な構造活性相関と生合成機構を解明するために,糖鎖配列解析を目指した分析方法の開発を行っています。
  3. バキュロスウイルス由来のCS分解酵素と宿主昆虫のCS
    昆虫に感染するバキュロスウイルスから新奇なコンドロイチン分解酵素を同定しました(7)。そして,宿主昆虫(カイコなど)のCSの生化学的分析や組織分布を解析して,ウイルスの昆虫への感染機構との関連性と昆虫CSの生理機能を考察しています(投稿中)。

参考文献
(1) 杉浦信夫,木全弘治.臨床糖鎖バイオマーカーの開発,メディカルドゥ,p120-127 (2008)
(2) Ninomiya T. et al. J. biol. Chem. 277, 21567-21575 (2002)
(3) Sugiura N. et al. Anal. Biochem. 365, 62-73 (2007)
(4) Sugiura N, et al. Glycoconj. J. 25, 521-530 (2008) (5) Sugiura N, et al. J. Biol. Chem. 285, 1597-1606 (2010)
(6) Sugiura N, et al. J Biol Chem. 287, 43390-43400 (2012)
(7) Sugiura N, et al. J Biol Chem. 286, 29026-29034 (2011)

研究紹介(永井)

ヘパラン硫酸は,プロテオグリカンと呼ばれるタンパク質と結合して細胞表面や細胞外に存在しています。名前の通り硫酸基が数多く結合している分子です。ヘパラン硫酸は細胞の増殖を促す種々の増殖因子や血管新生に関わるタンパク質,体の形づくりに関与するタンパク質など様々なタンパク質と相互作用する性質を持っています。このため,ヘパラン硫酸は,細胞増殖,細胞分化,細胞移動,器官形成,細胞内への分子の取り込みなどの色々な生命現象を修飾する働きをしています。このヘパラン硫酸について現在次のような研究を進めています。

  1. 私はヘパラン硫酸に硫酸基を付加する酵素のノックアウトマウスを用い,ヘパラン硫酸がメタボリックシンドロームの発症に関与することを発見しました(1)。現在はヘパラン硫酸がどのようなタンパク質のはたらきを修飾してマウスの代謝を制御するのかについて調べています。
  2. ヘパラン硫酸に硫酸基を付加する酵素Hs6st2はN末端側が細胞質にあり,C末端側がゴルジ体にある,1回膜貫通タンパク質です。この細胞質ドメインの機能を調べるために,リン酸化されるアミノ酸の同定と,相互作用するタンパク質の同定を,質量分析装置を用いて行っています。

(1)Nagai et al., Glycobiology, accepted. 
http://glycob.oxfordjournals.org/cgi/reprint/cwt037??ijkey=gz64zEVxfWbQIMj&keytype=ref

研究概要(幡野)

  1. 図1. バーシカン

    図1. バーシカン

    コンドロイチン硫酸プロテオグリカンのひとつである「バーシカン」の遺伝子改変マウスの解析
    バーシカンは分子量約550kDaで,N末端にヒアルロン酸と結合するG1ドメイン,C末端にフィブリン,インテグリン,ファイブロネクチン等と結合するG3ドメインを有し,その間にコンドロイチン硫酸鎖が結合する。通常は様々な分子と結合して細胞外マトリックスを構成し,細胞を支える役目を果たしている。個体発生や炎症時には一過性に高い発現がみられ,周辺細胞の挙動を制御していると考えられている。実際バーシカンノックアウトマウスは心形成不全により胎生初期で死亡することがわかっている(Mjaatvedt, CH. et al., Dev Biol, 1998)ため,生体にとって重要な分子である。
  2. 図2. 変異バーシカン

    図2. 変異バーシカン

    ヒアルロン酸結合部位の一部を欠失した変異バーシカンを発現するマウスの解析
    このマウスはノックアウトマウスと同様に胎生初期でほとんどのものが死亡する。しかし雑種系統の一部が出生直後まで生き残るが,心室中隔欠損を呈して死亡することがわかった(Hatano, S et al., Glycobiology, 2012)。

キーワード

細胞外マトリックス,プロテオグリカン,グリコサミノグリカン,ヒアルロン酸,コンドロイチン硫酸,ヘパラン硫酸,コラーゲン,遺伝子改変マウス,糖鎖科学

関連リンク

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