学長あいさつ

学長 佐藤 啓二

学長 佐藤 啓二

愛知医科大学は,ドクターヘリを有する私立医科大学として広く知られています。昭和46年に設置認可を受け,医学部のみの単科大学として創設されましたが,平成12年に看護学部が設置され,2学部を有する医科系大学として発展してきました。現在までの医学部卒業生は3,699名,看護学部卒業生は1,148名(旧看護専門学校卒業生は1,485名)であり,社会を支える有能な人材育成は高く評価されているところです。

大学のある長久手市は,歴史上,小牧・長久手の戦いの地としてその名を記憶されています。天正12年(1584年)に,小牧・長湫の戦い(昔は湿地帯を意味する湫を使用したが,今は長久手となっています。)が羽柴秀吉陣営と織田信雄・徳川家康陣営とで繰り広げられました。その場所は現在でも古戦場公園として残っていますが,そこから約2 km離れた高台に愛知医科大学はあります。また,「愛・地球博」の愛称で知られる日本国際博覧会が,平成17年3月25日より9月25日まで長久手会場をメイン会場として開催され,約2,205万人の来場者がありました。これを記念して整備された「愛・地球博記念公園(モリコロパーク)」の大観覧車は大学病院からも良く見え,緑豊かな長久手市のシンボルとなっています。

本学では,設置認可後に,現在のキャンパスで附属病院の建設が始まり,昭和49年よりA病棟,B病棟,外来棟で診療が開始されました。その後も順次C病棟,D病棟が建設され,平成11年には学生用の講義室やセミナー室,医学情報センター(図書館),情報処理センター,475名収容のたちばなホール等を有する大学本館が建設されました。また,翌平成12年には,看護学部の開設に合わせて,看護学部棟が建設され,看護学部生の講義室や実習室等が整備されました。更に,平成21年には,両学部の学生が個人やグループで学習するための環境を整備した医心館が完成するとともに,職員の仕事と出産育児等の両立を支援する目的で保育所が設置されました。

この間,平成17年5月より新病院建設に向けた取り組みが始まり,平成25年11月に竣工,平成26年5月9日から開院の運びとなりました。 新病院建設に当たっては,病院機能を1から組み立てなおす作業を徹底的に行い,その結果,最先端機能を有しつつ,患者・職員・学生に優しく,しかも高効率な地下1階地上15階,800床(内ICU系病床は75床)の病院として生まれ変わりました。新病院は,動線の短縮を重要視し,検査と診療の一体化を実現しています。例えば消化器内科,消化器外科の外来診察室に隣接して内視鏡センターを設置したり,腎臓・リウマチ膠原病内科の外来診察室に腎センターが隣接していたり,神経内科,脳卒中センター,脳神経外科,整形外科,脊椎脊髄センター,痛みセンターの外来が一カ所に集合して,その隣にリハビリテーションセンターがあります。また,生理機能検査を多用する循環器内科,心臓外科,血管外科,呼吸器内科,呼吸器外科,内分泌・代謝内科,糖尿病内科,総合診療科,感染症科の9診療科が生理機能検査センターの前に集まっています。更に,5階には19の手術室と28室のGICU,麻酔外来,周術期センター,麻酔科ドクタールームがあり,忙しい麻酔科医師は同じフロアーで全ての業務が行えるようになっています。加えて新病院内には,電子カルテ端末の仮想化を行った500台のモバイル端末を利用できる環境が整えられており,医師は外来や病棟等の固定端末に行く必要がなく,いつでもどこでも電子カルテを簡単に,かつ安全に利用できるとともに,各科カルテ(診療グループ毎にカスタマイズされたカルテ)を導入することで,医師の負担軽減化が図られています。

入院の必要な患者さんについては,入退院支援センターにおいて,入院前に,入退院に関するほぼ全ての問題点(服薬内容,栄養投与量・投与ルート,退院にかかる問題,在宅での問題点等)を把握することで,入院後すぐに治療を開始でき,速やかに社会復帰ができる環境を構築しました。また,外来においては,NAVITという電子ペーパーを利用した患者案内システムを構築し,待ち時間を有効活用して頂けるように配慮しております。

新病院の内部は,オアシスホスピタルというデザインコンセプトの下,清潔で居心地が良く,癒される空間作りを目指すことも合わせて考えられておりますが,災害時には病院機能を維持し,最大限活躍できるよう8万6千㎡の病院全体が免震構造となっており(地下に158基の免震装置を設置),ライフラインの二重化はもちろん,オアシスホールと2階・3階の診察室を入院病室に変えることのできる備えや,高度救命救急センター・プライマリケアセンターで集中治療を行うことのできる設備等が整えられております。この結果,高度急性期を担当する特定機能病院として,また高度救命救急センター,基幹災害医療センターとして,ハード・ソフト両面でかくあれかしと評価頂ける病院になったと思います。

本学のキャンパスは,名古屋駅からですと名古屋市営地下鉄東山線の藤が丘駅(終点)で下車し,名鉄バス(快速)にて約15分(タクシーでは約10分)の場所にあります。また,東名高速道路の名古屋ICや名古屋環状自動車道の本郷出口からも車で15分弱と高速道路からの利便性も良い場所に位置しています。長久手市は,全国でも人口増加率上位にランクされる郊外型住宅都市でありながら,東洋経済による「住みよさランキング」の評価対象に加わった市制施行後の平成24年度から,総合評価で上位に選ばれており,中でも快適度部門においては,平成24・25年度と1位にランキングされています。そして,長久手市内には,本学の他,愛知県立大学,愛知県立芸術大学,愛知淑徳大学長久手キャンパスがあり,空気のきれいな文教地区としても有名です。また,大学のそばを通る「図書館通り」には,長久手市文化の家や長久手市図書館といった施設だけでなく,華やかなレストランも数多くあり,近くにはトヨタ博物館や豊田中央研究所,名都美術館等があります。

このように,安全で快適なキャンパスライフをおくることができる理想的な環境の中,愛知医科大学は新病院開院を契機とし,新たな発展に向けてスタートをきりました。

プロフィール

略歴

昭和51年3月 名古屋大学医学部医学科卒業
昭和56年3月 名古屋大学大学院医学研究科修了
平成9年4月 名古屋大学医学部助教授(整形外科学講座)
平成9年5月 愛知医科大学医学部教授(整形外科学講座)
平成14年4月 愛知医科大学医学部附属病院・病院長
昭和17年2月~平成22年3月 愛知医科大学副学長・経営改革推進室長
平成17年5月~現在 新病院建設委員会委員長
平成23年6月~現在 学校法人愛知医科大学理事・評議員
平成26年4月~現在 愛知医科大学学長

所属学会

平成3年~現在 中部日本整形外科災害外科学会評議員
平成10年~現在 日本小児整形外科学会評議員
平成11年~平成13年 日本整形外科学会評議員
平成13年~現在 日本整形外科学会代議員
平成19年~平成21年 日本整形外科学会理事