研究内容

 本研究所の研究テーマは「細胞外マトリックスの構造と機能」です。私たちは細胞外マトリックスの構成成分のうち特にプロテオグリカン、グリコサミノグリカンに焦点を当てて研究を行っています。

1.ヘパラン硫酸の糖鎖構造と特異的機能
 ヘパラン硫酸は糖鎖の一種であり、プロテオグリカンとして細胞表面や細胞間隙に存在し、様々なヘパリン結合性分子の生理活性を調節する役割を持っています。われわれは複数のヘパラン硫酸硫酸転移酵素により種々の修飾を受けたヘパラン硫酸の生体内機能と種々の疾患の病態形成への関与を研究しています。

2.アグリカンとバーシカン/PG-Mの生体内機能
 アグリカンは軟骨に存在する巨大なコンドロイチン硫酸プロテオグリカンで、軟骨機能に必須の分子です。バーシカン/PG-Mはアグリカンファミリーに属する分子で、マトリックスに存在して細胞挙動を制御しています。これら2分子の生体内機能と種々の疾患の病態形成への関与を研究しています。

3.SHAP-HA複合体の形成機構と同複合体の機能
 
炎症や癌において、血液由来のインター-α-トリプシンインヒビター分子の長鎖サブユニット(SHAP)は、患部の細胞外マトリックス成分であるヒアルロン酸に共有結合し、患部細胞の増殖、移動および白血球細胞との相互作用を制御し、組織の破壊と再構築に関与しています。SHAP-ヒアルロン酸複合体の形成反応に関する生化学的解析と遺伝子操作マウスを用いた機能解析の2本柱で研究を進めています。

4.人工コンドロイチン硫酸の合成と機能
 
コンドロイチン硫酸は、他のグリコサミノグリカンと同様に生体内に広く存 在し、様々な生理機能を持った硫酸基結合多糖体です。現在は、大腸菌由来のコンドロイチンポリメラーゼと動物由来の硫酸基転移酵素群などを用いて、人工コンドロイチン硫酸を合成し、その構造と生理機能の研究に取り組んでいます。

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